108話 謎の海底物体!なのです!!③
サクラとローズは、パラオ沿岸の謎の沈没建造物のようなものの中に入り、探索する。
「ねぇねぇ、先輩たち、いいよね」
サクラがローズに話しかける。
「姉さま、……任務中……」
「えぇ~、イイじゃん、別に~」
サクラは少し膨れる。
「……でも……わかる気がします……」
「でしょ♪」
「……はい……」
「ね♪ ……それにしても……たくさん浮いてるね」
「ガラスの破片ばかり……危険……」
「ね~、みんなで来てたら、危なかったね」
「はい……それに……姉さま……」
「ん? なに、ローズ」
「少し、この辺の水……濁ってる……」
「たしかに~」
ローズが言う通り、周りの水が少し黒い。
いや、どす黒い。
「何かの薬品、かな?」
「わかりません……でも……よくないもの、のような気がします……」
「たしかに、変な匂いが」
「…………ここ、水中です……」
「えへへ」
二人は色々な話をしながら、先へ奥へ進む。
(ふたりとも、話はいいが、集中してくれよ?)
湊からの通信が入る。
ずっと聞いていたようだ。
「は~い」
「……」
(それに、薬品かもしれないな、黒いのは)
「薬品?」
「海洋汚染、嫌い……」
(今回は調査だ。うえが掃除部隊を派遣してくれるはずだ)
湊がそう言う。
「……なら、いい……。それに……外には漏れてないみたいだし……」
「だね~~。それに、このガラスの破片たちもフラスコとかの破片かもね~♪」
「っ……姉さま……」
「わわっ」
(どうした?)
「変な液体のせいで、この先が見えないよ~」
たしかに、水が不自然な色をしている。
外のわずかな光で、色が変化している。
「……引き返しますか?」
(……危険性は、なさそうか?)
「どうでしょう……。……調べないと……」
(だよな)
「よし! 進もう!!」
「姉さま!?」
(本気か?)
「本気、本気! いいでしょ! 整備士さん!!」
「でも……幸い……私たちは…………機械……です……。人間では……何かあるかもしれませんし……。」
「それに……これが作られた時代には……おそらく……潜水娘は……いなかったでしょうし……」
(……危険性もあるかもしれないが、行くか……)
「わ~い♪」
そう言い、奥へ進む。
「ふ~ん、やっぱり視界悪い~」
サクラがしばらく進んで、そう言った。
「姉さま……が……行くって……言った……んでしょ……」
ローズは少し呆れる。
「えへへ、そうだね~♪」
しばらくして、厳重そうな鉄扉が出てきた。
「……これは……」
「壊す?」
そう言い、魚雷発射管を鉄扉へ向ける。
(いや、崩壊の恐れもあるし、よくないものがあふれ出すかもしれない。それは却下だ)
「え~~」
サクラが魚雷発射管を戻す。
「……鍵、かかってませんね……」
「え! 本当!?」
「……はい、姉さま……」
「どれどれ?」
サクラが鉄扉を少し開け、中を見る。
「……どうです?……」
しばらくサクラが覗いたあと、
「なんかの研究施設みたい」
(研究施設?)
「うん、実験道具みたいなのがたくさん浮いてたよ」
「入るのは、危険……でしょうか……」
(そうだな……)
ガチャ……。
「?……姉さま?……どうしま……姉さま!?」
(まさか、入ったのか!?)
「わ~~、すご~い!」
中からサクラの声がする。
(私の指示を聞いてから入ってほしかったな)
湊は呆れる。
「……入ってよろしい……ですか?……」
ローズは聞いてくれた。
(あぁ)
そう言い、入る。
(たしかに、研究施設のようだな)
湊は、届いた映像データを見る。
「でしょ~?」
「……あ……姉さま……整備士さん……これを……」
「どしたどした?」
ローズは紙のようなものを見せる。
(なにかの資料か? よく綺麗に残ってたな)
「たしかに~♪」
「どうします?……持ち帰り……ますか?」
(いや、映像だけ撮っておいてくれ)
「わかり……ました……」
「これで終わりかな?」
サクラが聞いてくる。
(あぁ、他に道はなさそうか?)
「……来る途中にいくつかの扉がありましたが……なにもなさそうでした……」
(そうか……。よし、撤退だ……あとは、うえに任せよう)
「「はい!」」
しばらくして――。
「あ! 戻ってきたのです!」
「ど~だった~~?」
(あぁ、おそらく旧時代の研究施設だろう)
「研究施設……ね」
てんりゅうが首をかしげる。
「何を研究していたのでしょう」
アイオワも考える。
「うん! 異常はなさそう! です!」
「よかったっ」
くろしおがサクラとローズの緊急点検をし、よなぐにがそれを手伝ったようだ。
「じゃあ、かえるの?」
(あぁ、そうだな。少しこの辺りを見て回って帰還するか)
そう言い、しばらく辺りを捜索したのち、海上移動基地『アーク・トリニティ』の第四ドックに帰還した。
そして――。
司令官室にて。
「パラオ沿岸に謎の研究施設、か……。あとは、こちらで調べておこう。ゆっくり休んでくれ」
「はっ!」
司令官に頭を下げ、司令官室を出る。
「旧時代の痕跡、か……」
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