106話 謎の海底物体!なのです!!①
海底にあったもの。
それは、海底の砂に半分ほど埋まった、見慣れない物体だった。
「……なんでしょう、あれ?」
サクラが、ゆっくりとその物体へ近づこうとする。
(待って、サクラ。まだ近づかないで)
「は、はい!」
湊の声を聞き、サクラはその場で停止する。
ローズも物体をじっと見つめていた。
「……何か……人工物みたいです……」
「人工物?」
みきしおが首を傾げる。
「なのです?」
「はい……形が……自然のものとは違います……」
確かに、海底にある物体は奇妙な形をしていた。
大きさは人の背丈ほど。
表面には傷がいくつも付いているが、砂や海藻に覆われていて、細かいところまでは分からない。
「ちょっと待ってくださいです!」
くろしおが、じっと物体を観察する。
「これ、金属っぽいです!」
「金属……」
よなぐにも物体を見る。
「じゃあ、昔の潜水艦とか……?」
「それにしては、小さいと思うの」
ずいほうが答える。
「でも、ただの沈没物じゃなさそうなの」
「私も~そう思う~~」
U-ハイドラが眠そうな声で続ける。
「なんとなく……変な感じがする~~」
「変な感じ?」
てんりゅうが反応する。
「何か感じるのでしょうか?」
アイオワも反応する。
「う~~ん……」
U-ハイドラは少し考える。
「はっきりとは分からない~~」
その時だった。
ずいほうの周囲を、小さな水中ドローンが進んでいく。
「私のドローンで、もう少し詳しく調べてみるの」
ずいほうのドローンが物体へ近づく。
側面。
上部。
そして、物体の後ろ側へ。
「……あれ?」
サクラが声を上げた。
「どうしたのです?」
みきしおが振り向く。
「今、あの物体のところに……何か見えませんでしたか?」
「何か?」
全員が物体を見る。
しかし、海底は薄暗く、はっきりとは見えない。
すると、ローズが小さく呟いた。
「……あります……」
「ローズ?」
「あそこ……物体の下です……何か……線みたいなものが……」
ドローンが少し移動する。
物体の下から、細長い何かが伸びていた。
「本当だ……です」
くろしおが驚く。
「これ、何かに繋がってるです!」
(ずいほう、もう少し下を確認できる?)
「了解なの」
ドローンがゆっくりと物体の下へ潜り込んでいく。
そして――。
「……え?」
ずいほうが声を漏らした。
「どうしたのです?」
みきしおが尋ねる。
「この物体……下にまだ続いてるの」
「えっ!?」
サクラが驚く。
「じゃあ、見えている部分だけで全部じゃないんですか?」
「そうみたいなの」
海底の砂の下。
そこには、巨大な何かが埋まっている。
(全員、その場から動かないで)
湊の声が響く。
(この海底には、まだ何かある)
誰も答えなかった。
ただ、全員が目の前にある謎の物体を見つめていた。
それが何なのか。
そして、砂の下に何が眠っているのか。
まだ誰にも分からない。
けれど――。
今回の調査は、ただの海底調査では終わらない。
そんな予感だけが、静かに海の中へ広がっていた。
ここまで読んでくれてありがとうございます。
次回もお楽しみに




