101話 始まりの朝!なのです!!①
数日後。
海上移動基地『アーク・トリニティ』第四ドック。
今日も整備士『湊』は整備をしていた。
「ふぅ、こんなものかな」
「お疲れさまなのです」
そう言い、水を差し出したのはみきしおだった。
「あぁ、ありがと……。他のみんなは?」
「もうすぐ戻ると思うのです」
そう言い、みきしおは入り口の方を見る。
「そうか……。おまえたちも今日もおつかれさんだな」
「それが仕事なのです。それにしても、あの調査任務から結構経って、色々な任務をしたのです」
みきしおがそう言う。
「あぁ、そうだな。懐かしい気もする」
「はい! なのです」
そんなとき、わいわいと声が聞こえてきた。
「お、来たみたいだな」
そう言うと、入り口が開き、みんなが出てきた。
「整備士さ~ん~~、おっはよ~~」
そう言いながら、U-ハイドラが飛びついてきた。
「わぁっ」
近くにいたみきしおが、反動でよろめく。
「ちょっと! U-ハイドラ!! 整備士さんに抱きつかないの!」
「いや、いいよ、てんりゅう」
「まぁ、それもU-ハイドラらしいですね」
「ですです」
「騒がしいくらいなの」
「それもいい、ですっ」
みんなそろった。
「みんな、お帰り。どこか行ってたのかな」
湊は、U-ハイドラが張り付きながら言う。
「え、えぇ、ちょっと別のドックに遊びに、ね」
てんりゅうがそう言う。
「そうか。元気そうだったか?」
「はい♪ 皆さん、お元気そうでした」
アイオワがそう言う。少し楽しそうだ。
色々な話で盛り上がったのだろう。
「そうです! これ! 整備士さんにあげる!」
くろしおが何かを取り出し、渡してきた。
「これは?」
「あ~~、祖国ドイッチュラントのチョコだ~~」
U-ハイドラが目を輝かせる。
「ドイッチュラント? って」
「ドイツのことですよ、てんりゅう」
「そうなのね。そういえば、U-ハイドラはドイツ製ね」
「たくさんあるし、みんなで食べるか」
「わ~い、食べる~~」
そう言いながら、U-ハイドラは袋からチョコを取り出して頬張る。
「ちょっと! U-ハイドラ! 少しは遠慮しなさい!」
「ははは、いいんだよ、てんりゅう。ほら、てんりゅうも」
湊は袋を差し出す。
「え、えぇ……あ、おいしい」
「ほら、みんなもどう?」
「もらうの」
「もらいますね」
「もらう、です!」
「はいっ! もらいますっ」
「もらうのです」
そう言い、みんなが取って食べたところで、湊も食べる。
「おぉ、おいしい」
「はい! なのです」
「またみんなで食べたいですね」
「そのときは、もっといっぱい持ってくるです!」
「わ~い、楽しみ~~」
「また、第二ドックに遊びに行きたい、です」
「そうだな。またみんなで行こうか」
「本当ですか!?」
「ああ。ちょうど予定も空いてるしな」
「楽しみなのです!」
「また遊びに行ける~~」
「今度はちゃんと目的を決めてから行きましょうね」
「はいっ!」
くろしおがそう言う。
みんなの笑い声が、第四ドックに響く。
調査任務を終えてから、いくつもの任務をこなしてきた。
それでも、こうしてみんなで過ごす時間は変わらない。
今日もまた、アーク・トリニティの日常が続いていく。
そして――。
新しい海へ向かう日も、少しずつ近づいていた。
ここまで読んでくれてありがとうございます。
次回もお楽しみに




