201.神殿の番犬・地獄からの使徒ケルベロス
201.神殿の番犬・地獄からの使徒ケルベロス
「せ、先生、これって……」
「ああ、ルギ……。いや、ルギ神の神殿だな。なかなか立派じゃないか」
「これを立派の一言で片づけるって……。相変わらず常識が通用しなさすぎぃ!!」
フィネが一人で何ごとかを叫んでいた。
「てか、これのどこが神殿なんだよ!? なんか地面が幾つも浮いてるし、しかも、その先……。空の彼方に建物が見えるんだけど!?」
「うむうむ、絶景じゃなぁ」
「そうよな。少し参拝しづらいのが難点ではあるがのう」
フィネの絶叫に、コレットとフェンリルはのんびりとした調子で言った。
「フィネ、訂正が必要ですわね。アリアケ先生だけではなくて、他の先生方も全員規格外のようですわ」
「ほんとですね。ちょっと忘れてましたが、全員ぶっとんでたのでしたね!」
キュールネーとソラが呆れた調子で叫んでいた。
さて、聖都マリードは天空へと舞い上がり空中神殿アースガルズになってしまった。
そのせいで生徒達は若干パニックになってしまっていたわけだが、
「別にやることは変わらんだろう?」
という俺の言葉に徐々に落ち着きを取り戻したのだった。
そう。
俺たちがこの聖都へ課外授業として潜入した理由は、ちょっと家出したルギを連れ戻すためである。
その目的に何ら変わりがないことを認識し、フィネたちは徐々に落ち着きを取り戻したわけだ。
そして、俺たちは、パニックに陥った聖都の民たちを横目にしながら、マリードの中心へと向かったのである。
そこには、このアースガルズにおける聖域が誕生していた。
すなわちルギ神のいる聖域である。
それこそが、先ほどフィネや他の生徒達が驚嘆した場所であった。
神聖な魔力が特殊な力場を形成し、大地は隆起し、空中には大地が無数に浮いている。
それら浮遊する地面は、はるか上空へと続いていて、その先には白亜の神殿があるといった具合だ。
「アースガルズ全体が、あの空中神殿を中心に浮遊しているということだな」
ならばやることは一つ。
「いやぁ、授業でやっておいてよかったな。こんなところで役に立つとは」
「へ?」
フィネが素っ頓狂が声を出すが、俺は首を傾げつつ、
「へ? じゃないだろう。ちょっと特殊な状況かもしれないが、これは『ダンジョン攻略』だ。相手は神だがな。まぁ、そんなに変わりはあるまい。緊張することはない。授業で習った内容を思い出して、しっかり成果を出すんだぞ」
俺は気楽に言った。しかし、
「「「全然違う!!」」」
生徒達から総ツッコミを受けてしまうのだった。うーむ、なぜだ。
ともかく、かくして俺たちは『聖域アースガルズ神殿』のダンジョン攻略を開始したのだった。
「はぁ、はぁ、はぁ。うわー、めっちゃ高い!」
フィネが下を向いて、大声を上げた。
悲鳴というよりかは、感動に近い声だ。こういうところが、冒険者の血を引いているなと思わせる。
「油断してはいけませんわ、また敵ですわよ」
「分かってるって!」
「ウィンド・カッター!!」
『ギイイイイイイイイイイイイイイ!??』
ソラが襲撃をかけてきた、蝙蝠型のモンスターを風の刃で切り裂いた。大きさは人の顔ほどもあるが、難なく倒す。
「足場に気を付けろよ」
「ほいほい! 了解! そりゃああああああああ!!」
『キュイイイイイイイイイイイイイイイイ!??』
今度は地面を這うように接近してきた大蛇を両断した。
これも人を丸のみにできるほどの大型種であったが、俺の支援スキルもあって、難なくフィネが排除する。
「どうだ!」
「だから油断はいけませんわよっ、と!」
『ぐしゃ!』
生命力の高いのは蛇の特徴だ。
両断されて胴体から離れた頭部が油断してガッツポーズをとるフィネに襲い掛かろうとしていたところを、キュールネーの怪力によって圧潰させられる。
「サンキュー♪」
「やれやれですわ」
生徒達はうまく連携がとれているようだな。
フィネが口を開く。
「この調子なら、ルギの馬鹿のいる神殿まですぐだぜ!」
しかし、その言葉に静かだったピノが、
「今までのは、一部」
そうポツリと呟いたのだった。
「一部????」
フィネがその言葉を聞いて首を捻る。
「何の一部だってんだよ?」
そう言って、腰に手を当てた時であった。
『グオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!』
どおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおんんんんん……!
フィネの真後ろに、余りにも巨大なモンスターが舞い降りたのであった。
そのモンスターは三つの頭と蛇の尾、さらに胴体には何匹もの蛇の頭がついている。そして、周囲には無数の蝙蝠たちが牙をむき、舞い飛んでいたのである。
「は?」
フィネが唖然として振り向き、その余りの威容に動きを停止する。
「危ないですわ! フィネ、さがりなさっ」
『ブオン!!!』
キュールネーの叫びは間に合わない。
そのモンスターは間髪入れずに、蛇の尾を目の前の獲物に振りかざしたのだから。
「地獄番犬ケルベロス」
ピノの呟きだけが、なぜか皆の耳にははっきりと聞こえたのであった。
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