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Marionett‘s Memorial  作者: DEER
二章 知らぬ未来は追憶の中に
20/30

クリスマスIF幕 ルナとソルのクリスマス?

 大体一か月くらい早いけどクリスマスっぽい話です、皆さまにも二人のようにお相手が見つかると……いやそれはそれで悔しいような。

 どんなクリスマスを過ごしたいか、想像しながら読んでいただければ幸いです。


クリスマス前日


「明日はクリスマスだよルナ!」

「あらソル、今日は一段と楽しそうね」


毎日ソルはここに来るけど、ここまでテンションが高いのは珍しい、いつもならこんなに叫んだりしないわ。


「ほらほら、クリスマスだよ? お祝いだよ? はしゃがなきゃ損だよ!」

なんでかしら? このテンションに見覚えがあるような……あれ? 誰だったかしら?



「ねぇソル?」

「なにかなルナ!」

「クリスマスって何かしら?」

「……え?」


楽しそうなのはいいのだけど、クリスマスというものが分からないから楽しむも何もないわ。


「ルナ……クリスマス知らないの?」

「ええ、この国特有の祭りかしら?」

土着の祭りなら他の国に住んでいた者が知らないのは納得ね、不思議な響きの名前だこと。


「えっとね、帝国にはないのかな? でも勇者なら歴史上では帝国に何人か居ただろうから、あってもおかしくはないと思うんだけど……なかった?」

あぁクリスマスって勇者発祥の祭りだったのね。


「あぁそういえばあったわね、勇者発祥の祭りが、でもあれはクルシマツじゃなかったかしら?」

なかなかに激しくて馬鹿げた祭りだったはずだわ。


「なにそれ響きが怖い、どんな祭りだったの?」

「確か……街中にいる男女ペアを独身の男性と女性が豆を持って追いかけ回して、全力で投げつける祭りだったはずよ」

「えぇぇ……クリスマスと全然違う」

「街中で投げつけられる豆から男性が女性を守って、無事に国の外に逃げ出せたらその二人は結ばれるって伝説があったはずね、聞いた話によると前日の夜に「僕と一緒に逃げて下さい」というのが告白文句になっていたらしいわ」


他にも「明日絶対守ってやる」とか「明日一緒に名所回らない?」とかもあったらしいわね、どれだけ女性を守りなら名所を回れるかが男性の腕の見せ所とかなんとか。

「なんか凄い祭りだね……クリスマスと全然違うし激しすぎると思うけど、ロマンチックなところは同じなんだね、いい祭りだと思うよ」


まぁお国柄じゃないかしら?


「多分実力主義の毛色が強く出てるのでしょうね、良くも悪くも力が全てだもの、男性からすれば女性に対するいいアピールイベントよ。あと豆を投げる側も祝福の意味を込めて投げる人が多かったそうだから、聞くよりも激しくないわよ? まぁやっかみ怨みでひたすら一つのペアを追い回す人も居たみたいだけどね」


まぁそれはそれ、どれもこの祭りの楽しみ方に違いはないわ。


「へぇ、なんかそっちも楽しそうだね、ねぇルナ? 来年帝国に行って一緒に参加しない? 今年は法国で来年は帝国、どうかな?」


魅力的な御誘いね、でもそれは無理ね。


「つまり『役』二人が逃げる側として参加するってこと? 誰か『役』に、それもペアに喧嘩売るのかしら? 祭りを冷やかすだけよ。そして絶対に敵わなくて、かつ信仰の対象にもなってる『役』を相手に豆を投げれる奴が居るなら、それはよほどの馬鹿でしょうね」

「あ~……そうだね、うん」

「そのうえ帝国にも獣は居るのよ? 殺しちゃったら祭りどころじゃなくなるわ、下手したら侵攻と取られるかもしれない」


祭りに乗じて帝国を落とすのなら話は別なのだけどね、その時のは『塔』に話を持っていきましょう、多分嬉々として参加してくれるわ。


「あぁ……そうだったね、でもルナ? 最近獣人に対して何にも言ってなかったじゃない? もしかしたら平気になってるかもよ?」

残念ねソル、 私の獣嫌いはアレルギーじゃないのよ。


「あり得ないわ、今はその話はおいておきましょう? 追い出すわよ」

ここで殺すって言わない辺り私も大人になったと思うわ。


「ゴメンゴメン、でもそれだけルナと祭りに行きたかったって思ってくれれば嬉しいかな? まぁいいや、明日はエリーたちが城でクリスマスを開くみたいだから、良かったら参加してね、一段落したらここに来るからさ」


そう……多分参加しないわ


「分かったわ、気が向いたら参加するわね」

「うん! それじゃ今日は帰るね、まだ僕担当の飾り付けが終わってないんだ」

「早くやって来なさい、どうせ私は逃げれないのだから」

「それじゃあね~」


バタン、と戸が閉められて静寂が部屋に戻ってくる。

「クリスマス……ね、結局クリスマスってどんな祭りなのかしら?」

何の説明もなかったんじゃないかしら? 知りたかったら参加しろってことかしら。



クリスマス? 当日


「ふっふっふ……」


思わず笑みが溢れてしまう、でも仕方ないでしょ? なんたって今日はクリスマス、いえクルシマツ! あの逆通い妻状態のバカップルに遠慮なく豆を投げつけれるのだから楽しくないわけないわ!

ええ大丈夫よ、なんたってこれは祝福の心からの攻撃なのだもの、いやー帝国には良いイメージは少なかったけど、ちょっと見直したわ。


まさか盗み聞き……いえ情報収集が功を成すとは思ってなかったわ、何度部屋に突入してやろうかと考えたことか……。

でも今日は気にする必要はないわ! 思う存分祝福の(怨みの)豆をぶつけてやる!


「ふふふ……おっといけない、最初は普通のクリスマスをしないとね、ソルが『月』の部屋に行った時がチャンス、昨日の内に旦那への説明と説得はしてあるから、そこに奇襲を仕掛ける! ふっふっふ……」



…………

「…………」


…………

「……静かね!」


本当に今日がクリスマスなのかしら? 激しくないとは言っていたけれど、こんなにも聞こえないものかしら?

クルシマツだと城の一部を解放して逃走ルートに加えることを許可していたはずだから、本当の意味で静かな場所はなかった、はずなのだけど……この静かさがクリスマスなのね。


時折聞こえる歌声や楽器の演奏、苦にならない程度の音楽は非常に心地良い、こんな祭りも悪くないわね。


「昔……昔ね、もう昔なのね、あの子はどこに行ったのかしら、元気にしているといいのだけど」

クルシマツに参加していた少年、ちょっと強引だったけど少女の方も楽しめたんじゃないかしら? 結ばれてると良いわね。


思い出にゆっくり耽るのも悪くないわ、今日はそうやって過ごしま……


「ルナ~! 今日はクリスマスだよ!」

……まぁ賑やかなのも悪くないわ。


「そうね、とても静かな祭りなのね」

「そうだよ、基本的に城でやるクリスマス以外は個人でクリスマスを開くんだよね、だからかな?」

「ふふ、嫌いじゃないわ」


この静かさは帝国も見習って欲しいわね、あそこは何をやっても騒がしいもの。


「おお! 気に入らないてくれた? だったら嬉しいな」

「ええ、だからソル? 今日はゆっくり静かに時間を楽しみましょう? せっかく落ち着いた祭りなのだもの」

「そうだね、たまには静かなのも悪くない、騒がしくしちゃったかな?」


大丈夫……と言おうとしたその時だった、殺気が扉から飛んでくる。


「ソル!」

「わかってるよルナ」


ソルも感じたみたいで既に戦闘体制になっている、まったく……せっかく私らしくクリスマスを楽しんでいたのに。


「ふふふ……ねぇ、今日は帝国ではクルシマツって祭りをやってるそうじゃない」

聞いたことはあるけど聞きなれない、『女教皇』の声が飛んでくる。


「エリー!? 何!? 何かあったの!?」

いきなり殺気を飛ばされて混乱しているのか、ソルが凄くキョロキョロしている。


「ふふふ、昨日ね、たまたまソルがクルシマツに参加したいって話を聞いちゃったのよ、でも『役』に豆投げる馬鹿は居ないってね、でも同じ『役』からどうかしら? 遠慮なく投げれるんじゃないかしら?」

「エリー? まぁ確かに遠慮はしないだろうけどさ」

「だから! 私が代わりに投げて差し上げようかと思ったの、国にの外とは言わないわ、城には獣人が居ないように手配したから存分に逃げなさい、城の外に出たら終了ね」


『女教皇』は大丈夫なのかしら? 何か凄く危ない感じがするわよ? 軽く目が血走ってるし。

「エリー? 大丈夫……」

「それじゃいくわ! ソイヤ!」


大きく振りかぶって全身を使った全力投球、綺麗なフォーラムから繰り出された豆の弾丸が私たちに炸裂……。


「甘いよ!」

炸裂する前にソルが全部をキャッチした、流石ね。


「ねぇルナ? 確か男性がエスコートするんだったよね?」

「ええそうね」

「じゃあルナ、一緒に逃げよう!」


一体どうやって投げているのか分からないくらいの連射で豆を投げてくる鬼の様な形相の『女教皇』の横を抜けて廊下に出る。

「逃がさないわ!」


当然『女教皇』も追いかけて豆を投げてくる、大丈夫かしら? 豆が柱にめり込んでヒビが入ってるわよ?

「どうするルナ! せっかくだしイロイロ回ろうよ! こんな機会でもないとルナは外に出れないわけだし!」


確かにその通りだ、もしかして『女教皇』もその辺を気にして……違うわね、あの顔はやっかみ恨みで追い回す人間の顔だわ。


「そうね、それじゃあ玉座から見せてくれないかしら?」

女性側の役目は男性に頼ること、絶対に守ってもらえるという信頼の元お願いをすることよ、せっかくクルシマツを開いてくれたんだもの、私も大いに楽しみましょう。


「オッケーそれじゃあ捕まっててね!」

ソルが私の手を引いて『女教皇』から逃げながら玉座に行ってくれる、祭りはこれからね。



「ルナ、今日はどうだった?」

城のテラスで二人で月を見上げる、劇のラストシーンみたいね。


「そうね、まさか『法王』が出てくるとは思ってなかったわ」

このためだけに呼んだのかは知らないけど、今日初めて『法王』と会ったわ、凄く人のよさそうな感じがしたわね。


『法王』は普通に祝福の意味での豆の投擲だったわ、でもそこに……。


「ねぇルナ? これは怒っていいよね? 別に僕たち大人じゃないもんね?」

「ええそうね、仕返しなんて子供じみたことも私たちなら許されるわよね」


月明かりに照らされた私たちは、大量の豆をぶつけられてしまっており、髪の毛や服装が著しく乱れてしまっていた。


何があったか、それは私たちが『法王』と話している時に窓の外から飛び込んできた『女教皇』に、『法王』も巻き込んで大量の豆を打ち付けらるというとこがあった。

本来なら移動中だけを狙う決まりがあるのだけど、『女教皇』は知らなかったみたいね。


お陰で私たちは服の中から髪の毛まで、大量の豆を浴びてしまったわ。

別に豆を投げられるのはいいのよ、でもそこまでパーフェクトだったのに、相手のルール違反で失敗するのは凄く腹立たしいわ、やり直しを要求するレベルね。


「ねぇルナ? そういえばエリーって既婚者だったよね?」

「あら結婚してたの? なら大丈夫ね」

「そうだよね……」

「「対象よね(だよね)!!」」



後に街で噂になったことだが、月が登った辺りの時間から、クリスマスの日が変わるまでの数時間に渡って、城には永遠と女性の悲鳴が響き続けていたらしい。


 私はお相手さんに心当たりはありません、皆さまはいかがでしょうか。

 まだお相手が居ない方も、既に心当たりがある方も、クリスマス?そんなの無くてもって方も、多種多様いろんな方が居られるとは思いますが、皆々様に思い思いの幸せが巡り会いますように! メリークリスマス!


                               慌てんぼうのトナカイ役のDEERより


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