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Marionett‘s Memorial  作者: DEER
二章 知らぬ未来は追憶の中に
15/30

十五幕 孤児の名は

「それに関しては後で説明するわ、多分その方が説明しやすいから」

 ソルが一緒にいてくれた方が説明が捗るでしょう、私の今の立場は何かしら? 捕虜?


「その前に貴方たちの名前を聞かせてもらってもいいかしら?」

 この孤児院、教会には子供が5人居る。

 男の子が四人で女の子が一人、見たところそんなに仲は悪くなさそうね。


「「「「「……」」」」」

 あら? なぜ全員無言なのかしら?


 ちらちらと他の子達を横目に見てるし……あぁなるほどね。

「じゃあ…一番年長に見える貴方からお願いできるかしら?」


 誰が一番に名乗るかで戸惑っていたのね、決めてなかったから仕方がないわ。

「……僕はウル」

「ウルね」


最初にこの部屋に居た利発そうな見た目の男の子、どこからどう見ても魔人ね。

おおかた忌み子とか言われて迫害されてきたのでしょう、可哀想だとは思わないけどね。

五人の中では一番背が高く、そして見た目通り賢そう……ずる賢いともとれるかしら?


「貴女はなんて名前かしら?」

 次は紅一点の女の子を指名する、この子も中々に背が高い……


「えっと……私はコーネリア、コーネって呼ばれてる」

「コーネね」


 ちょっと緊張気味で言葉には詰まりがあるけど、それでも結構ハキハキとした印象を受ける。

 見た目に特徴が無いから多分人間だと思うのだけど……どうかしらね。


「貴方は?」

 私は次に泣いていた子を指名する、見た感じでは一番年下ね。


「ぼ……僕はザック……です」

「ザックね」


自信なさげな様子とは逆でカッコいいじゃない。

 背も一番小さいし、押しにも弱そう……大丈夫かしら? 


「じゃあ最後に……貴方たち二人ね、じゃあ貴方から」

 多分悪戯を先導していたであろうちょっと背の高い男の子を指名する。


「俺はルーヴェンだ、お前のことは認めないからな」

「ルーヴェン……ルーね」

 認めて貰えなくてもいいわ、別に義務じゃないもの。


「ルー……ぷふふ」

「な! お前! へ……変なあだ名付けんじゃねぇ!」


 ルーという略し方にコーネが笑ったことでルーが怒り始める。

 恥ずかしかったのかしら? 可愛いからいいじゃない。


「ルーか、よかったなルーヴェン、新しいあだ名だぞ?」

「いらねぇよ! もっとカッコいいあだ名はないのかよ!」

「ないわ」

「おいふざけんな!」


 ギャーギャー!



 ひとしきり楽しんだところで最後の一人、ルーにゃん(結局こうなった)と一緒に居た男の子の名前を尋ねてみる。


「僕はジークです、友達にならない?」

「ジークね、これからよろしくお願いするわ」


 背丈は皆の真ん中くらい、笑顔が中々に好印象の魔族の男の子。

 よかったわ、全員獣じゃないなんて幸運じゃないかしら? それとも『女教皇』がそう手配したのかしら?


「ウル、コーネリア、ザック、ルーにゃん、ジーク」

 改めて全員の名前を読み上げる。


「改めて自己紹介するわ、私はルナ、二年くらい前にこの国に捕まった『惑わしの月』よ」

 惑わしの月、この言葉を聞いた瞬間、皆色々な反応を見せてくれた。


 困惑、驚愕……三人くらいは「誰それ?」って反応だったけど。


「そして今後ここのシスターになるわ、宜しくね」

 知らない様子の三人を除き、『惑わしの月』を知ってる様子の二人は表情を固まらせていた。

 いい反応ね、これでソルも一緒に居たらどんな反応に変わるのかしら……見てみたいわ。


「……『惑わしの月』ってあの獣人殺しで有名な?」

「有名かどうかは知らないけど、獣人を積極的に殺していたわね」

 まぁそれだけ言われるほど恐れられていたのでしょう。


「メ……メニアさんは何処に行ったのですか」

 メニアさん?


「ごめんなさい……私はそのメニアさんって人を知らないわ、どなたかしら」

「メニアさんは私たちのシスターさんでした、……そして獣人でした」

 あぁなるほど、私が殺したんじゃないか疑ってたのね。


「少なくとも私はここ二年くらい獣を殺してないし会ってもないわ、それに私には人を傷つけれないように魔術がかかってるし」

 運がよかったわ、もし引き継ぎとかで顔を会わせることになったりしたら、私は暴れていたでしょうね。


「なぁ……そのルーにゃんってのは決定なのか?」

「決定よ」

「勘弁してくれ……」


 いいじゃない、可愛いわ。

 残り二人はよく分かっていないみたいね、まぁウルかコーネが教えるでしょう。


「とりあえず互いの紹介はこの辺にしておいて、私はソルに仕事の内容を聞いてくるわ、それまでは大人しくしていて頂戴ね」


 今日から仕事なら急ぐ必要があるかもしれないわ……買い出しは誰がするのかしら?



「おまたせ、ずっとここで待ってたのかしら?」

 あやしていたり自己紹介したりで結構時間がかかったわ、だからもう帰ってるって思っていたのだけ

ど……まぁ居るなら好都合ね。


「そうだよ、だって帰っちゃったら誰がルナを部屋に返すのさ」

 え……?


「ねぇソル? もしかして扉ってソルと一緒じゃないと通れないのかしら?」

「ずっと魔術をかけ続けるなんてできるわけないじゃん、毎日迎えに来た時だけだね」


 たしかに……言われてみればその通りね。

 それにずっとかけ続けてたら、子供達も外に出られないものね。


「そうね……確かにそうだわ」

 ということは日中はここに居続けなくちゃいけないのね。


「それよりも、紹介は終わった?」

「終わったわ、普通の子達ね」

「多分他の孤児院よりも大人しいと思うよ?」


 前任者が居なくなったって聞いたから、てっきり逃げ出すほどの悪ガキだらけなのかと思ってたわ、もしくは獣だけか……嫌がらせ目的じゃないみたいね。


「ここの前のシスターは正義感あふれる子供思いな人だったらしいね、エリーも頑張って探してたみたいだし」

 本当に……あの『女教皇』は私に何をさせたいのかしら? 魔術でも教えてみましょうか……?


「ねえソル? 魔術って教えるべきなのかしら?」

 勝手にやっちゃ駄目よね、しっかり見てないと結構危ないわけだし。


「魔術? ……さぁ? でもルナが監督するなら大丈夫じゃないかな? ルナって魔術メインの『役』でしょ? だったら法国に居るほとんどの魔術師よりも適任でしょ」

 そう……聞かされてないのね。


 余計に分からないわ、なんで私にシスターをやらせるのかしら……。


「了解よ、教えるかどうかは自由にさせてもらうわ」

「一応エリーにも聞いておくね、それじゃあ……仕事の内容だったね、ここの仕事はマナーとか教養とか、生活に必要なことを教えること、規則正しい生活を子供達にさせること、大きく分けてこんなものかな?」


 けっこうアバウトね……教える内容は自由なのかしら?

「あと、十五歳でここは出ていかなきゃいけないんだけど、借家って形でここに居続けてもいいらしいよ、当然借家だからお金を払ってもらうけど……まぁ人が多い孤児院だと強制的に追い出されるらしいけどね」


 あら珍しいわね、その辺は国営ってところが関わってるのかもしれないけど。


 

「ねぇソル? ここの食事はどうなっているのかしら?」

 外はもう夕暮れ時、今から食事を作ると夜になりそうなのだけど……


「食事? 食事は各孤児院で作ってもらうはずだけど……そういえばルナって料理できるの?」

 あぁやっぱりそうなのね。


「作れるわよ、人並み以下だけど食べれる程度にはね」

 味付けは誰かに手伝ってもらわないと難しい。


「そうだな……えっとね、普通シスターになる時には色々資格試験があるんだよね、そこで教養とか技能とか色々確認するんだけど、その中に料理も含まれてるから、料理ができないシスターは居ないんだよね……この場合どうするんだろ?」


 国営ってだけあってシスターには資格が必要なのね……あれ? ということはシスターって国遣えなのかしら? 少なくともボランティアじゃなさそうね。


「……どうだったとしても、少なくとも今日は夕飯は作らないといけないのよね? 時間もないから行ってくるわ」

「あぁちょっと待ってよ、だったら僕も手伝うよ」

「助かるわ、何かおかしかったら教えてね」


 自分で食べることができないからどうにも不安なのよね、前に作った時は微妙な顔されたし……。

「分かったよ……というか食材無いんじゃない?」

「そこはどうにかするわ、多分大丈夫よ」


 多分……大丈夫なはず、微妙な顔はしていたけど最後まで食べてくれたし……大丈夫よね?



主人公weeeeeyななろう小説を紹介するときって、主人公がどう強いか説明されても何にも伝わってこないね、どう面白いかを伝えなきゃ読む気にならないっていう。

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