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Marionett‘s Memorial  作者: DEER
二章 知らぬ未来は追憶の中に
16/30

十六幕 それまでとそれから

本格的にストック無くなってきました

あぁぁ……愛しの『月』よ、僕の心をつかんで離さない『月』よ! どうしてそんなにも可憐なのか! 戦場で君の姿を見た時からずっとずっと好きだった! 


 明日は『月』迎えに行く日だ、今から楽しみで体が震えている。

 『月』は獣人を目の敵にしている、この作戦の成功は『月』の執着心次第で成功率が大きく変わるだろう。


 あぁ愛しの『月』よ、待っていてね、直ぐに迎えに行くから……



 作戦はこれ以上にないくらいに成功した、夜の間に忍び込む予定だったけど、『月』が外に出たお陰で昼間の内に入ることができた。


 なんであんなに獣人を嫌ってるんだろう……僕は『月』のことを何にも知らないな。

 これから知っていく時間は沢山できるはず、僕たちはこれからなんだから。

 

可愛い寝顔、生きているように見えるほど精工な人形。

 こんなに近くで『月』を見ることができるなんて! あぁぁ……幸せ!


 でもいつまでも眺めているわけにはいかない、『月』が起きる前に『太陽』を掛けなくちゃ……

 ……キスくらいならいいかな? ダメ? 



 初めて『月』と話したけど、どうしてこんなにルナは落ち着いているのだろう……。

 普通知らない人が寝起きに声をかけてきたらもっと驚くはず……まして『役』持ちなら返り討ちにするくらいの勢いで暴れると思ってた……んだけどね。


 どうしてかほとんど抵抗しなかったし逃げる素振りもなかった、やったのはちょっとした時間稼ぎくらい? でもその後も何も起こらなかった……何がしたかったんだろう。


 

 でもずっと落ち着いていたわけじゃなかった、一緒に来た『女教皇』と話しているときに怒ってた。

 なんでだろう? 部屋に勝手に入られるのは平気で、獣人関係の話だと怒っちゃう、とっても不思議だ。


 聞いていた感じだと何か理由はあるみたい、でも多分聞いたらマズイよね? あんまり触れないようにしておこう……


 

 法国に着いた後ルナは牢屋に入れられていた。

 まぁ仕方ないよね、逃げられたら危ないし……。


 それはそうとして、ルナは本当に不思議だ。

 獣人以外にはあんまり興味がないのかなって思ってたけど、そうでもないみたい。

 エリーの実験をずっと横で見てたけど、あれじゃ掴み所がなさすぎる。


 今度話しをしてみよう、そうしたら何かわかるかもしれない。

 何の話をしようかな……好きなものとか?


 話してみて分かった、ルナって凄く良い子だ。

 確かに獣人を目の敵にしてるし、実際たくさん殺してきたみたいだけど……そのことが本当か分からなくなるくらいに大人しい子だった。


 なんか諦めてるような雰囲気が出てるけど、それでも何か考えがあるのか探りを入れてくることもある。


 もしかしたら見いてないところで何かしてるのかな? 今度観察してみよう。



 この前エリーにルナに個室をあげれないか相談してみた。

 観察してみても何も動きがなかった、微動だに。


 あれからけっこう話もしてルナについて分かってきた気がする、多分大丈夫だと思う。

 明日街で流行ってる軍騎を持って行ってみようと思う、いろいろ考えるのが得意みたいだし、もしかしたら僕よりも強いかも? 練習しておこう……。



 昨日も軍騎、今日も軍騎、多分明日も軍騎……。

 ルナは軍騎が強くなかった、ずっと僕相手に負け続けてる……それなのに毎日毎日やりたがる。


 負けず嫌い? 悔しそうにはしていない……勝てないのに凄く楽しそう……何故?

 ルナは絶対ルールを間違えて覚えてる、敵将を倒すゲームなのに全滅させようとしてくる。


 釣りには絶対引っかかるし味方の犠牲は気にしてない、兵の配置は毎回こっちの裏を突いてくるのに……もったいない。



 エリーがルナに孤児院を任せたいらしい。

 なんでもそこの孤児院のシスターが逃げたんだとか。


 エリー……もしかしてルナに厄介ごと押し付ける気なのかな? 一回僕だけで下見に行って来よう、獣人の子が居たら大変だ。


 それも大事だけど、この前エリーが聞いてきた質問も気になる。

 なんでも「ルナと仲良くなる方法はないかな」みたいなこと言ってた。

 そんなの知らないよ、まずは話してみないと付き合い方なんて分かるわけない。


 エリー……何考えてるんだろう。



 ルナを孤児院に連れてきた、シスターになるって話をした後にこっそり着替えていたところを見るに、けっこう乗り気なのかもしれない。


 表に出さないようにしてるみたいだけど僕にはわかる、ルナ嬉しそう。

 すごくツンデレで可愛かったな。



 戻ってきたルナと話をしてたけど……ルナがシスターをするのはやっぱり無理があったんじゃないかな?

 身長もそうだけど、なによりルナは人形だ。


 人肌もなければ、料理のための味覚もない、楽しそうなルナには悪いけどエリーに相談してみよう、本当に任せるかどうかを。


 あぁ待ってルナ、料理なら僕も手伝うから一人で行かないで、けっこう不安だよ? 大丈夫かな……





    まぁ……うん。

    おいしかったな。


    出汁も何もないただの水で煮ただけの食材。

    不味くはなかったし、普通に食べれた。


    濃すぎないように工夫した結果なのもわかるけど……。

    なんだろう……。


    ……今度からは僕が作ろうかな? 子供たちも微妙な顔してたし。




「ルナさ~ん、ちょっと今時間もらえる?」

「おい待てって、今は俺が聞いてんだ、後にしろ」

「さっきからず~っとルーにゃんが独占してんじゃん、俺も聞きたいことあるんだけど?」

「はいはい分かったわ、それじゃ今はウルの方を優先するわ、ルーにゃんは今言ったことをとりあえず試してみて」

「分かった、やってみる」

「よし……ようやくか」



 シスターを任された最初のほうは私も子供たちも戸惑うことが多かったけど、ソルの手助けもあって何とか形にすることができた。


 その後は一般常識とか教養なんだけど……


「ルナはむしろ教わる方だよね? 僕がやるよ」

 とのことで私が教える必要がなくなった。


 料理に関しても。


「すいません……今後は私たちが作ってもいいですか?」

 ……と、子供たちから言われてしまった。


 流石に毎日薄味は辛かったらしい、これは仕方ないわ。

 それじゃあ私の仕事は? 掃除も皆でするし、ソルが居るから皆いい子にしてくれてるし……何もないんじゃない?


 ほとんど置物状態で子供たちに声をかけているだけ……これじゃあどっちが面倒を見てるか分からないわ。


 そんな中でソルからの提案で、魔術を教えるのはどうかという話が持ち上がった。

 『女教皇』の確認を取ってくれたらしい、大丈夫だった見たいね。


 暇ということもあったから子供たちに魔術を教わりたいか聞いてみたら、意外にも全員教わりたいって言ってくれた。


 魔術を学ぶ危険性は多分ソルから習ってると思うのに……まぁやる気があるのはいいことだわ。

 そんなこんなで私の役目も見つかって、そのまま何事もなく月日が流れていった。



「風の魔術における「力」の意味は分かってし、その種類も分かったんだけどさ……どうにも自分の系統が見つからないんだよね、どうすればいいかな?」

「あらウル、貴方もそうなの? さっきのルーにゃんと同じ質問よ?」

「え? ルーもか」

「ええ、普通は使えるか使えないかで判断できるのだけど、どうにも全部使えるみたいね」

「あれ? 俺と同じだ……ルナさん、原因分かります?」



 ルーヴェンは火、コーネリアは水、ザックは木、ウルは風で、ジークは闇。

 皆それぞれ違う魔術に適正があったのも驚きだけど、それよりも驚きなことがある。


 全員がそれぞれの系統の魔術における分類を無視して全て使うことができるらしい。

 私は闇の中でも精神系と空間系しか使えないわ、でもそれが普通。


 火なら火関係全部、風なら風関係全部、そんなことはあり得ないのだけど……謎ね。


 

「それ絶対ルナのせいだよ……『月』の効果なんじゃないの?」

 ちょっと離れた後ろから、皆の様子を見ていたソルの声が飛んできた。


「あら、変なことをした覚えはないわ、どうして私のせいなの」

「そりゃあんな方法で魔術を使えるようにしたらおかしくもなるって……」

「安全だったでしょう?」

「そりゃ安全だったけどさ……ねぇ」


 

 魔術を教えるにあたって一番危険なのは魔術の暴走、だから催眠魔術で感覚を無理やり覚えこませえるって方法を取ったのよ。


 危険がないように気を付けてやったつもりよ、実際それで直ぐに魔術を使えるようになってたし……。


 ただ気がかりなこともあったわ。

 子供たちに感覚を覚えさせる時に、何故か私の中で何かがひっくり返った感じがしたのよ。


 その感覚のまま感覚を覚えさせたらこうなった。

 あれから特に私の中では変化はないし、あの場限りだったと思うのだけど……やっぱり皆の異常って私のせいかしら?



「どうだったとしてもこれは危険なことには変わらないわ、慎重に研究していきましょうね」

「別にいいんじゃないの? 使えないよりは使えた方がいいでしょ?」

「そうもいかないのよ、いったいどんな負担がかかってるか分かったもんじゃないわ」


 慎重に調べるべきなのよ、そうなのだけど……。


「あ~はっはっはっは! 空間断絶! 無敵の槍ぃ! 蝕む闇に飲み込まれてしまえぇぇええ! HAHAHAHAHAHAHAHA!」


 頭が痛くなるわ……。


 奥で高笑いをしているのは闇系統に適正があったジークなのだけど、あの子は何故か他の子よりも魔術が上手く使えているのよね。

 同じ闇系統ってこともあって悪ノリして色々教えたのがいけなかったわ。


 今じゃ勝手に一人で笑いながら暴走している、慎重さの欠片もない。


この投稿始めてから、書いた続きの量はだいたい3000文字くらいです、そりゃストックもなくなりますわな。

まぁこれくらいのペースで書いてた小説を一気に上げてるだけなので、ストックが切れたらチャンチャンってことで、最後まで書くとは思うけどさ……多分

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