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Marionett‘s Memorial  作者: DEER
二章 知らぬ未来は追憶の中に
13/30

十三幕 慣れと思惑

ここが書いてるうちに設定が変わったポイントの一つ目です、この辺りから書き方が変わってきてるかな?


「……」

「……」

「……」


「あら? 何かしら?」

 またも皆がこちらを見ている、何かしらね。


「なぁ……本当にメアちゃんはここで言われてるルナなんだよな? 間違いなく悪役じゃねぇか」

「そうね」


「ど……どうしてこんなに獣人を目の敵にしているのでしょうか」

「訳があったのよ」


「今ノ嬢チャンハ安全ナンダヨナ?」

「さてどうかしらね」


 少なくとも昔みたいな独りよがりはしてないわね。

「おいおい……勘弁してくれ、こんなのが現れたら『星』どころじゃなくなるじゃねぇか」


「ふふ……冗談よ」

「ソノ笑イ方ガ怖エェ! マジデソックリジャネェカ!」

「本人だもの」


 ……さて雑談はこの辺にしておいて、次に行きましょうか。


「次の場面に行きましょうか、これから私……ルナは法国の城に二年ほど監禁されるのよ、これはその後の話ね」

 ここが私にとって……ルナにとっての分岐点だったわ。


「それじゃあまた後で……」

 初めて使う魔術だったから色々魔力のロスがあったけど、改善するとそれなりに魔力を温存できたわ、おかげでしっかり最後まで言えたわね。


 それにしても前の時のジルさんの質問は何だったのかしら? 言ってこなかったってことは大したことじゃないのでしょうけど。




「ルナ~起きてる~?」

 さも友達に会いに来た子供のような声と共に私の個室の扉が開け放たれた。


「あらソル今日も来たのね、いらっしゃい」


 今は法国に捕まってから大体二年くらい、最初は牢屋で鎖に厳重に繋ぎ止められていた。でも時間が経つにつれて待遇が変わっていって、今じゃ自由に使える個室を与えられている。

 もちろん個室から出ることはできないけど、何故か毎日『太陽』のソルが話しに来るから寂しさはないわ。


 ……そういえばソルってあんまり成長してないわね、なんでかしら?


「今日はどうしたのかしら? また軍騎でもしに来たの?」

 軍騎は戦争のシミュレーションゲームのことで、与えられた駒を順番に動かして敵軍を倒すゲームのことよ。


 個室を貰っても何もすることがないからずっと寝ていたらソルが勝手に持ち込んだ物なのだけど……これがなかなかに難しい。


 最初は殆ど勝てなかったのだけど最近は少しは敵を減らせるようになったのよ、次こそは全滅させてみせるわ。


「いや……軍騎はいいや、絶対にルナは軍騎のルール間違えてるよね?」

「そうかしら? 全滅させてこそ勝利じゃない」

「そのために味方を特攻させたり深追いしたり……これは敵将を倒すゲームなんだけどな」


 あら? そうだったかしら、なんか敵が獣どもだと思うと倒さずにはいられないのよね。


「それよりも! 実は今日は軍騎以外のやることを持ってきました~」

「あら、何を持ってきてくれたのかしら?」


 今のソルは間違いなく何も持っていない、ポケットに入る大きさなのかしら?

「それはね……今日! 晴れて! エリーからルナの外出許可が出ました! パチパチパチ~」


 エリーというのは法国のトップの一人、ここに攫われるときに会った『女教皇』の名前よ、実際には長ったらしい名前があるそうなのだけど私は知らないわ。


 でも……流石に早すぎないかしら? 色々制限されているとはいえ『役』持ちをそんなに軽々しく外に出すかしら?


「それで、今回はどんな制約を付けられるのかしら? 流石に前と同じとはいかないでしょう?」

 この個室に移動される時はソルが責任を持つということで、ソル自信が説得したらしい。でも今回のことは事が大きすぎる、『役』を外に出すのだから目隠しで両手を縛ってとしても不安が残るだろう。


「あぁ外って言ってもここ以外ってことね、実はルナには法国が運営してる小さな孤児院に行ってほしいんだ。実は最近そこのシスターが居なくなっちゃってね、その穴埋めかな」


 つまりはその孤児院が行動範囲に加わったってことね、そしてそこでシスターの真似事をしろと……

「ねぇソル? ソルは私がシスターなんかに成れると思うかしら? 絶対に放任するわよ」


 獣どもは殺したいし、ここ二年ほどの監禁生活で外に出るのが面倒になってきたし、こんな状態で子供の相手をしろだなんて……私をどうしたいのかしら?


「う~ん……でもエリーが言い出したことなんだよね、『女教皇』の予言で何かが見えたんじゃないかな?」


 あらそうだったの? てっきりまたソルが提案したのだと思ってたわ。

 でもそうだとしたら……あの『女教皇』には何が見えたのかしら? 顔も見せないのにこんな役目押し付けて……わけがわからないわ。


「なんにせよとりあえずその孤児院に行ってみようよ、もしかしたらルナも気に入るかもしれないし」

「ありえないと思うわ……あんまり気乗りしないわね」


 正直ここから出られなくていいから役目を放棄したいわ、外に出るチャンス? そのうち自分で出るわよ。

 でもそうはいかないのでしょうね……どうせ私がシスターになるのは決定事項なのでしょう、私に選択権はないわ、捕虜の辛いところね。


「まぁまぁそう言わないでさ、僕も一緒にいくから……ね? 行ってみようよ」

「わかったわわかったわ、そのかわりダメそうなら神父として手を貸して頂戴ね」

「了解! それじゃ行くよ~」


 そういって私の手を引いて扉に向かっていく。

 あぁ……またあれね、前にこの個室に来た時もそうだったけど、何故か扉が目的地の扉に繋がっているのよね。


 多分空間魔術で繋げてるんでしょうけど……どうにも解析できないのよね。

 確かに今の私は『月』どころか魔術も殆ど使えないし、術者は私と違って空間系がメインなのでしょうけど……そうだとしても全く糸口を掴ませないのは見事だと思うわ。


 流石は法国、人が多いだけあっていい人材を抱えてらっしゃるわ。

「さてさて……どんな所かしらね」


 もうゆっくりできれば何処でもいいわ……。




 獣人に親を殺されて復讐だ何だと叫んでいる子供。

 最初に『惑わしの月』に会った時の印象はそうだった。


 獣人を獣と呼んで見下したり、それ以外に一切興味がないと言い散らしたり、自分の痛みは自分にしか分からないと孤高を気取ったり……正直そんな子供はこの法国には沢山流れ込んで来ている。


 落ち着いた頃にそんな子供たちと同じように接すれば直ぐに心を開いてくれると思いこんでいた。

 どうせ牢屋に入れて獣人を近づかせれば獣人に対する暴言や不満を叫び散らすだろうと、そこから得た手掛かりを基に接すれば問題ないと、そう思っていた。


 でも違った、落ち着かせる時に暴れられては敵わないと思って入れた牢屋の中では一切身動きを取らず、獣人を近づかせても何の反応もない。


 試しに獣人を同じ牢屋に入れて会話をさせても、見下した態度ではあったが会話はしていた。

 ……無視をするだろうと予想していた試みだった、なのに『月』は会話をしていた。


 そしてその会話の内容からは何故そんなにも獣人を憎むかの手掛かりも得られなかった。

 初めて見るタイプの子供だ……私はどう接すればいいのかしら。



 『月』を一緒に攫いに行った『太陽』のソルは『月』が気に入ったらしい。

 私が接触するための方法を考えている間にどんどん仲良くなっているらしい。


 あの子……どうやって近づいたのかしら? もしかして昔に似たような友達が居たとか?

 どっちにしても問題だ、『月』の心の傷を癒して、願わくば法国に取り込もうと考えていたのに……。


 あれだけ獣人を目の敵にしていたなら、普通に仲良くなっても法国に協力してもらうのは難しいだろう。

 あぁどうしようかしら、どうしてよりにもよって『月』が初めて見るタイプなのかしら……。


 むしろ『役』持ちだから他とは違うのかしら?

 どっちでもいい、でも間違いなく一発勝負になるでしょう。

 失敗するわけにはいかない……誰かで練習したい。


 誰か居ないかしら……孤児院の中から探してみましょうか。



 ソルがルナに個室を与えたいと言ってきた。

 話を聞いてみると毎日会いに行っていたらしい。


 もうソルが『月』の傷を癒せばいいんじゃないかしら……そう思えて来たわ。

 でもそれじゃあいけない、私がやらなきゃ本当の意味で法国に取り込むことはできないだろう。


 それに今は消えたシスターの行方を全力で探している最中だ。


 私の『女教皇』の予言で見つけないとマズイことになる風景が見えたのよ、とりあえず無力化できている『月』に構っている暇は今はないわ。


 とりあえずソルが責任を持って見張ることを約束として個室を与えることを許した。

 まぁ毎日会いに行ってるなら親友みたいなものなのでしょう、私友達が居たことが少ないから分からないわ。


 ……別に羨ましくなんてないわよ! 私にだってしっかり月に二回くらい話をする友達は居るわ……嘘じゃないわよ!



 あぁ……結局居なくなったシスターを見つけることはできなかった。

 どうマズイことになるかは分からない、でも状況は悪い方向に進んだのは間違いないでしょう。


 それはそうとしてソルと『月』の会話を扉越しに聞いてみた。

 何かしらこの子達……実は生き別れの兄弟か何かじゃないかしら? どうしてあんなにも会話が続くのかしら?


 ソルの声はいつものように明るかったわ、でも……それでも私と話す時よりも楽しそうだった。

 『月』の声は最初に会った時とは違って落ち着いていて、どこか面倒そうな感じだったわ……でも私は聞き逃していない、間違いなく! ちょっと嬉しそうな声だった!


 何なのかしらこの子達……もう親友なんて飛び越えてるじゃない。

 私はいたたまれなくなって三十分で扉の前を後にした。



 一回ソルに聞いてみた、どうやってそんなにも『月』と仲良くなったのかと。

 あれから似たような子供を国中探してみたけど見つけることはできなかった、だったらもう仲のいい人に聞けばいいじゃない。


 そう思ってソルに相談したのだけど……。

「ルナを『月』って呼ばないでほしいな、それに仲良くなる方法なんて分からないよ、とりあえず一回話してみたらいいんじゃないかな」


 そう言われた。


 『月』をルナって呼ぶのはいいわ、でも!

 一回話してみたら分かるって……分からないわよ! その最初の一回すら分からないから聞いてるの!


 ソルは当てにならないわ、やっぱり似たようなタイプを探さないと……。

 あぁもう! どうすればいのかしら!



 最近旦那が忙しそうにしている、なんでも『皇帝』と協力しないとダメそうな事案が発生したとか何だとか。

 正直帝国は好きじゃない、実力主義って聞こえはいいけど下が多くなりがちなのよね。


 あんまり法国に来ないで欲しいわ……法国の皆が悲しむところは見たくない。


 ……ルナと同じタイプの人探しは相変わらず進んでいない。

 もしかしてルナみたいなタイプの人は帝国に行くのかしら?

 今度合同訓練をするみたいだからそこで探してみよう、ついでにローゼにも聞いてみようかしら?



 そうだ! ルナにシスターを任せてみよう!

 私が変われないならルナに変わって貰えばいいじゃない! あれからもソルが毎日ルナに会いに行っているみたいだし、結構こっちの生活も慣れて来たんじゃないかしら。


 生活に余裕が出来たら心にも余裕ができる! はず! そこに同年代くらい(かどうかは分からないけど)の子供を引き合わせれば明るい子になって話しやすくなるかもしれない!


 早速『予言の女教皇』発動! お願い未来を見せて!

 ……よし! とりあえず酷いことにはなってない! 音が聞こえないし断片的だけど問題ないはず! 


 じゃあ早速ソルに話してみましょうか。

 さてさてどうなるかしらね……。

最初『女教皇』はこんなキャラじゃありませんでした、なのにこうなりました……何故?

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