四話 表現力
4話 初戦闘
初戦闘
「では依頼を受けましょう!」
マリが受付へ向かう
海斗はまだ周囲をキョロキョロ見回していた
完全に異世界テンプレ空間だった
酒場
受付嬢
ガラの悪い冒険者
角にいる無口そうな男
「うわぁ……ほんとに俺の小説だ……」
受付嬢が紙を差し出す
「こちらのスライム討伐などいかがでしょう!」
「またスライム?」
『初心者向けである』
「説明すんな!」
すると突然、
景色がブレた
「うおっ!?」
一瞬で森の中へ移動する
「だから場面転換雑なんだって!!」
『移動描写はテンポが悪くなるため省略された』
「テンポ重視で瞬間移動すんな!」
海斗が叫ぶ
そこで違和感に気づいた
「……ん?」
知らない男がいた
斧を背負った大柄な男
無精髭
歴戦っぽい傷跡
いかにも頼れる兄貴キャラ
でも知らない
「誰?」
男がニッと笑う
「おう!」
「いや誰!?」
マリが首を傾げる
「ガイさんですよ?」
「紹介とか忘れてる!?」
『仲間キャラその1』
「雑!!」
ガイが親指を立てる
「細けぇこと気にすんな!」
「作者が一番気にしろ!」
その時、
森の奥から何かが現れた
ぷるぷるした青い物体
「……スライム」
海斗が遠い目をする
「そういや冒頭でも戦ってたな……」
だが今回は違った
スライムがやたら強そうに見える
いや、
強そうというか、
描写が曖昧だった
『スライムは素早く動いた』
「どんな動き!?」
次の瞬間、
スライムがぐにゃっと伸びた
と思ったら消えた
そして横から現れた
「怖っ!?」
『仲間達も連携して攻撃する』
ガイが斧を振る
でも軌道がよく分からない
なんかブワッとしていた
マリも魔法を撃つ
でも、
『炎が放たれた』
だけ
「説明ふわっふわじゃねぇか!!」
海斗は後退する
その瞬間、
スライムが飛びかかってきた
「うわっ!」
『海斗は咄嗟に魔法を放った』
「え?」
右手が熱を持つ
直後、
空が光った
ゴォォォォォォォォ!!!!!!
巨大な光の柱が森を貫く
地面が消し飛ぶ
木々が蒸発する
スライムも消えた
跡形もなく
「…………」
静寂
海斗が引きつる
「過剰火力すぎるだろ」
『最強スキル』
「タイトル回収すんな!」
すると視界に大量の文字が流れた
【レベルアップ】
【Lv1→Lv18】
【スキル獲得】
【称号獲得】
【魔力上限増加】
【全能力上昇】
【超級魔法適性解放】
「上がりすぎぃ!?」
海斗が叫ぶ
「スライムだぞ!?」
ガイも引いていた
「お、お前やべぇな……」
マリがキラキラした目で海斗を見る
「さすがです!」
「いや基準どうなってんの!?」
その時、
頭の中でナレーションが静かに響いた
『インフレ開始である』
「最悪だよ!!」




