姫に決闘を申し込む大人たち
「うっうっ・・・もう嫌だぁ~!」
私イリスは、ただいまお勉強中でございます・・・。
あれから私がどこかに行かないように課題を出してきて・・・。お前にはもう構わないとか言ってたくせに。
「イリス様。ちゃんとやってください」
私の教師。名前は・・・何だっけな。まあいいや。
「いや、ありえないでしょ。だって一日で魔術の種類五十個覚えるんでしょ?きついって」
教師に抗議する。
この人も私の事が嫌いなのは分かっている。だってこの人は私の監視係だから。どうせ父上に私がどこにも行かないように見張れって言われたのだろう。
「ああ、ロベリア様はこのぐらいの物でもできたというのに。姉ができないなんて情けないです」
この教師はロベリアひいきだ。なにかとロベリアの事を棚に上げては私を見下す。
父上はなぜこの人にしたのだろうか。
「はあ、私は寄るところがありますので、ちゃんと魔術五十個覚えといてください」
バタン
ドアが閉まった。
「あーあ。魔術五十個ねぇ。どれもこれも知ってるな」
そう。私は以前、魔術にはまり、ひたすら読んでいたのだ。なので大体の魔術は覚えている。
「ロベリアには出来る。ねぇ、まあ、使えたらの話だけど」
人の体内には魔力がある。魔術を使うには魔力と杖が必要だ。
ロベリアは魔力は私より少ないし、それに杖もない。・・・買ってもらったのか?
だから、上級など覚えても使えなければ意味が無いのだ。よほど執着してない限り。
「あーあ。これじゃあ私は囚人だな」
なにもできない。見放されたと思ったら、次は監禁・・・矛盾とはこういうことだな。
「暇だし、寝ちゃお・・・ぐぅ」
入眠スピードが異常なイリスだった。
■
「イリス様!!!」
「は~い・・・」
なんでこんなにも私は叱られるのだろう。悪いことなんてしたか?(←寝てた)
「それで?ちゃんと魔術は覚えたんでしょうね」
「あー・・・大体は?」
「そうですか。ではそれなら、この城にいる魔術師とお相手してください」
「え」
■
来たのは闘技場だった。もしかしてお相手って戦うって意味か。
「こんにちはイリス様。お初目にいただきます。この城一番の魔術師、オダマキと申します。以後、お見知りおきを」
びっくりした。急に出てきたと思ったらあいさつしだしたな。このおっさん。
「突然で申し訳ないのですが、一度手合わせ願いたい」
どうしようかな。でもこいつちょっとイラつくんだよな。なんか・・・ザ・クソ人間みたいな感じがする。
ま、そんな奴から逃げたくも負けたくもないな。
「いいよ」
イリスの返事にニタリとオダマキは笑った。
「お姉さま!!」
なんと!どこからかロベリアが出てきた!
「お久しぶりですわ。お姉さま。ずっと会いたくて仕方がなかったの」
急にしゃべりだすロベリアにイリス顔が引きつる。
「そうそう。お姉さまにお手製のクッキーを作ってきましたの。良かったら食べて!」
そう渡されたのは包み紙に入ってるクッキーだった。
「今、食べてください!」
「え、今?」
私がためらうと、ガッと袋をつかまれ、無理やり口の中にクッキーを入れられた。
モグモグモグモグ
味はうまいな。めっちゃ口の中の水分は取られるけど
「やる気も出てきたでしょう?頑張ってください!応援していますわ、お姉さま!」
杖を出し、闘技場に入る。
ロベリアも応援してくれてるし、頑張っちゃうよ。
「よいのですか?頑張ってなんて嘘ついて」
イリスの教師がロベリアに話しかける。
「良いのよ。あたしの目当ては、あいつがやられてる姿と・・・あの杖なんだから」




