勇者の遺言書①
『僕は幼い頃から強かったものだ。魔術も武術も、何でもできた。
だからだろうか、いつからかこの世の中がつまらないと感じていたのだ。
そんな中、神託が降りた。僕が勇者であると。バカげたもんだよな、それでも断るなんて出来ないもの、僕は頷くことしかしなかった。
『六神通力』、僕はそんな力が使えた。まあ、こんな力があることを世界が知るのはまだ遠い未来の話だろうけど。
この本をいつか読むだろう君に、少しだけ教えてやる。『六神力通』には種類がある。
『天眼通』
『天耳通』
『他心通』
『宿命通』
『神足通』
『漏尽通』
しかし僕が知っているのは名前だけだ。意味は君が使えるようになったら分かるだろう』
■
パタン‥‥イリスは本を閉じた。不思議なものだな、この本は。まるで私の心を全て分かっているようだ。
「天眼通‥‥」
これだけは分かる。未来が見える、神力通だ。
勇者も天眼通が使えたのだろうか、もしくは使える神力通の数は一つだけではないのだろうか。
「はぁ‥‥眠い、続きはまた今度でいっか」
まだ数ページしか読んでない本を本棚の奥底にしまった。
■ おまけ
「そういや、イリスは何であの変な粉を持ってたんや?ていうかあの粉何なんや」
今、魔王と一緒に、アヴニールの書斎を漁ってたら出てきた通路を歩いているところだ。何か変な骨とかそこらへんに落ちてるのは何なのだろう。
「うーん‥‥イリス姉さんのポケットは摩訶不思議だからなぁ。そういや、姉さんは突然空間から炎が出たりするより、科学的に証明できるものが好きだって言ってたぞ。良くわからないまま使うのはモヤモヤするらしい」
「ほーん、変な姉やな」
「ははは、お前ほどじゃねぇよ」
「おい」
■
ドゴゴゴゴッ
イリスは色んな攻撃魔術をブチかましてた。とにかく色んな魔術を。
「やっぱ効かないかぁ」
モヤモヤモヤモヤ
かっこよく決めながらもモヤモヤしてたイリスだった。




