これが日常
「ロベリア様!!ロベリア様ァッ!」
「あぁ、どうしていつもこうなるんだ‥‥」
どこぞの神父とシスターが俺に向かって声を荒げていた。それもそのはず‥‥今日はこの国を宗教勧誘しにどこかの国からたくさんの教会から信徒が来ているのである。
「神を信じ、神のために善行をし、神に祈りを捧げれば神のご加護が与えられるのです!!さぁ!今すぐ教会に入信を!!」
「教会をがないのはこの国だけです!!まさか神を信じてないとは言わないでしょう!?さぁ!今すぐ教会に入信を!!」
「「「さぁ!!今すぐ!!」」」
さっきからこの有り様だ‥‥。よくこんなテンションでずっと喋れるな‥‥。ま、そりゃそうだ。この国に教会なんぞ一つもないからな。そんな国に教会を置ければ自分たちはもの凄い量褒美を貰えるのだろう。じゃなきゃやってられんだろうし。
「バカな奴らもいたもんだな~。そんなんで国一つ‥‥いや、この国の人間一人動かせる訳ないってのに」
「そうですかね、でも聖女とか教皇とか来てたらどうするんです?神の加護があることしか取り柄のない人間でも、結構な権力ありますよ?」
「お前‥‥今の会話がバレたら死ぬからな、気をつけろよ」
「はい」
それにしても聖女と教皇か‥‥聖女の方には会ったことあるんだよな。会話してる時後ろにもの凄い量の男がいたけど‥‥いや、それは俺も一緒か。
「そういえばロベリア様、この後貴族の跡取り達とお茶会では?」
「げ、そうだ忘れてた。え、今何時?早く行かなきゃじゃん!」
勧誘してくる団体らから逃げるように去る。
「ロベリア様!?どこに行かれるのですか!!」
「まだお話を‥‥ロベリア様ーーッ!!」
颯爽と逃げ出した。
■
「大丈夫かい?ロベリア、ちょっと遅かったけど」
「少し時間を間違えちゃって‥‥」
「ふふふ。相変わらずおっちょこちょいだね」
「へ?へへ、ハハハ‥‥」
現在、俺入れて三人でお茶会をしている。二人は四大貴族の内の二家だ。両方とも跡取りであるのだが、毎月俺をお茶会に誘ってはこのように食っちゃべっている。
それにしても、それにしてもだぞ!?こいつら、本当に俺のこと男だと思っているのか!?だって二人で喋ってる時は普通に罵り合ったりしてるのに、俺と話してる時は何かにバラ咲かせてるんだけど。
「そういえば聞いたよ、ロベリア、君、姉にイジメられてたんだってね」
「あぁ、僕も知ってる。本当にひどいよね。大丈夫かい?もうされてない?心配だよ」
「ん?いや‥‥そんな事実は無くて‥‥」
「あぁ、可哀そうに、虐げられても尚、姉を庇うなんて‥‥」
「本当に優しい子だねロベリアは‥‥」
二人がオイオイと泣き出してしまった。こいつらと喋ってると本当に調子が狂う!!いや、確かに女装と喋り方を女っぽくしてんのはこっちだけどさ。
そういや、今日は姉さんのこと見てないな。どこにいるんだろ。
■
「迷子なう‥‥」
今私はダンジョンに来ていた。火事騒動を収めた者として色々と功績があるんじゃないかと思ったらまさかのグラジオラス達に全部取られた。まあ、当の本人たちは抗議してたけど。
それにその後、メイドがツボを割ったのを私のせいにされ、父上と大喧嘩したので私は現在家出中なのだ。
「それにしても魔物と全然会わないなぁ」
探検ルートから完全にはみ出しているイリスは魔物に会わないことを不思議に思っていた。
「やっぱ入口が見つからなくて壁壊したのがダメだったか」
なんとこのお姫様はダンジョンの壁を破壊したらしい。ダンジョンの壁は本来ならば、並の冒険者じゃ壊すどころか傷をつけるのも難しいとも言われている。
しかも、入口ではないところから入ったため、完全に今どこ?状態なのだ。
「しょうがない、引き返すか」
壁を壊しながら進むイリスは、見事に帰り道とは別の方向に向かって行ったのであった。




