意外な依頼
スーヤスヤスヤスヤ
可愛く眠っているのはイリス姫。
今、布団はめくれ、まくらはすっ飛び、ベットから落ちている状態で眠っております。
しかしそんな姫にも悲劇が――・・・!
ドサッバサバサ・・・
「‥‥っ」
なんと本のタワーに手をぶつけ、顔面に落ちてきたのです。
「いった‥‥、ふざけんな‥‥」(自業自得)
何故かキレ散らかしているイリス姫。
先日、魔術で作った花畑が、やっと片付け終わったのです。
そしてもう一つ、キレてる理由が‥‥
「ありえないよぉ~。どうしてお姫様に事件の調査なんてさせるの‥‥」
そうです。最近多発している、火事の調査に向かうのです。
「ああ、あの子よ。あの『悪女』」
ピクッと反応してしまう。
残念ながら馬車を用意してくれなかったので、仕方なく街を歩いて冒険者ギルドに向かっている。
話し合いはそこでするつもりらしい。
それにしても、もう一般市民にまで広まっているのか、周りの者はみな私のことを悪女だと話していのだ。
嫌になる。一体私が何をしたのか。ちょっと聞き耳たててみよ。
「あの姫、ロベリア様のこと殴ってたらしいわよ」
ほうほうほうほう?
「聞いた話なんだけどさ、イリスって姫が婚約者のいる妹(男)に嫉妬して殺そうとしたらしいぞ」
おお?
「イリスって奴、魔界のやつらと繋がってるらしいぞ。きっと何かの儀式をするつもりだ」
‥‥それもう別の話じゃん‥‥。
えー、めっちゃヤダー。絶対これから行くところで何か言われるじゃんー。
こう思うイリスは惜しくも、当たってしまうのである。
「何でここに悪女が!!ふざけるな!!」
えー‥‥
ここは冒険者ギルド。
私に向かって悪女と言ったのはこの国の騎士の隊長‥‥グラジオラスだった。
「いくらなんでも失礼でしょ」
この場にきた瞬間に責められるのはとても不愉快である。
「ははっ、失礼なのはお前の方だな。見ろ。時計を。今は何時だ?」
壁にかかってる大時計をチラッとみる。
今は午後四時か。あー、やっちゃったなー。
「気づいたか?ここに待ち合わせの時間は午前十時!それをお前は六時間も遅刻しているのだ!」
ガーンッ‥‥
そんなバカな‥‥私はちゃんと‥‥
「ちゃ、ちゃんと十時に間に合うように出てきたもん!」
反論する。そもそも馬車が無い時点でおかしいのだ。
私は悪くない。
「では貴様がただの方向音痴だってか~?そんなかわいい子ぶって!誰もお前に惚れたりなどはしないんだよ!残念だったn——はぁ!?貴様!水をかけてきやがって!やはりお前は悪女だ!」
杖を持ち、プルプルしながらひたすら水かけるイリスはただ単に可哀そうだと思うしかなかった。
「ス、ストップストップ!両方とも落ち着いてください!イリスちゃんも!ね!?」
受付嬢のヘデラが止めに入る。が、熱くなってしまった二人には聞こえなかった。
「黙れ。私はモテる‥‥」
グラジオラスも含め、その場にいた全員が固まった。
(((モ、モテる‥‥!?)))
衝撃すぎて心を一つにした団体一同だった。




