消えた人々
コンコン
ドアをノックされる。
「どうぞー」
メイドのカルミアだった。
仕事サボるためにほとんど毎日俺の部屋に来るのやめてほしい。
「ロベリア様。事件になってますよ。ヤバイですね」
お茶を淹れながらカルミアが言ってくる。
先日の件か…、イリス姉さんを助ける時に結構暴れたもんな~。しゃあない。
「それにしても、不思議だよな~」
お茶を飲み、一息吐く。
「敷地内にいた人が死体も含めて全員消えてたなんて」
数日後‥‥
私は早歩きでスタスタ歩く。あ、わたしイリスと申します。よろ。
どうしてこんなに急いでいるのかというと、父上に呼ばれたからである。
怖いな~。まただよ。
王座の前に膝をつく。
「イリス‥‥何なのだあれは‥‥?」
プルプルと拳を震わせながら父上が問いてくる。
ヤバイ。どうしよう。すっとぼけるか?いや無駄だ。
「えーと、えー、あー、あれはですね!あの‥‥そう!城にも華が欲しいなと思いまして!オシャレに飾っておきました!」
どうだ‥‥!?いけたか!?
ドキドキしながら返事を待つ。
「イリス‥‥お前は本当にバカだな‥‥」
ほう?バカ?喧嘩か?
「あれのどこを飾ったの言うのだ!!!城の半分が今、花だらけだぞ!!」
わ~、めっちゃ怒鳴られた~。
そりゃそうだよなぁ‥‥。やっぱ無理だったか‥‥。
そう、実は今、イリスの魔術により城の半分がお花畑なのである。
何故そんな経緯にいたったかというと、魔力もろくに操れないバカ(イリス)が部屋の中で花を咲かせる魔術を使ったところ、案の定、効果が広がってしまったのである。
「じゃあ燃やしてきます!今すぐに!」
イリスは杖を持ち、花畑のところへ行こうと立った。
「待てぇい」
当然、止められた。
「ふあ‥‥」
イリスはあくびをする。
あのあと罰として、あの花畑を魔術無しで一人で片付けさせられたのだ。
もう夜なのに片付けは半分も終わってない。
「あー、疲れた‥‥」
今日はもう終わりにして明日にしよー。
と部屋に戻っていると、どこからか煙が見えた。
「火事?」
目を凝らしてみる。けど煙なんてどこにも無かった。
「気のせいか‥‥」
そのままイリスは部屋に戻っていった。
数週間後‥‥
ガチャ、コンコン
メイドのカルミアが入ってきた。
「‥‥ドアを開けてからノックするのはやめてくれないか?」
ドアを開けたとき、相手がなにかしてたらどうするんだ。
例えば俺に見たいに、着替えていた時‥‥。
「‥‥ロベリア様って本当に男なんですね」
俺の上裸をみてメイドがボソッと呟く。
失礼なやっちゃな~。
「カルミア。お茶淹れて」
着替え終わったロベリアが椅子に座りながら命令する。
これがいつものルーティンだ。
「最近多いですよね。火事」
ここらでは最近火事が多発しているのだ。
原因も分かっておらず、放火犯がいるのか、それとも事故なのかも分からない状況だ。
「ライキード家の事件からだよな~。‥‥それに、死体も出てこないのも同じだしな」
火事なんてどこかで一回は起こるもんだが、ずっと同じ街で起きるのはさすがにおかしい。それにライキード家のお付きも、護衛隊もはたまた領主まで痕跡もなくきれいさっぱりと消え去ったそれは火事が起こった家でも同様、みんな死体一つ見つからず消えているのだ。
「面白いほどにおかしいよな」
自然に口の端が上がる。
「だって焼け跡はあるのに誰も燃えてるところを見た事ないんだぜ?」




