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野蛮な男の娘

 ボタボタと血が地面に落ちる音が聞こえる。


「ガッ…ゴッ…」


 生きている。まあ、そっちの方が都合はいいが。

 剣を抜く。血が勢いよく流れてくる。


「もう一発刺しますか?」


 ワクワクした顔でカルミアが剣を握りしめてる。

 えぇ…、怖いよ…。


「これ以上はやめとこうよ…。あ、そだ。脱がせといて」


 カルミアの顔がすごいことになってる。怖。


「ロベリア様…、姉を押し倒すだけではなく、まさか刺した相手にまで襲うとは…」


 あ、そういやコイツはバカだったわ。

 失念していた。


「ハア‥‥俺らが殺ったとかバレちゃいけないだろ。だから『盗賊』のせいにするんだよ。ちょうど良いことに近頃は盗賊が貴族の女を襲って殺してる事件が多発してるからな」


 なるほど…とやっと分かったように頷くメイド。

 呆れるわー。


「分かりました。では、出来るだけ引きちぎっておきます」


 ビリビリビリッ

 カルミアがソフィアの服を引きちぎる。

 ソフィアはもう、生きてるかどうかも分からない。


「死んでますね。どうします?ここに置いときます?」


 カルミアが質問してくる。死んじゃったか~。


「いや、盗賊はこんな丁寧に死体を置いとくわけないしな。そこら辺にほん投げとけ」


 うっす。とカルミアはソフィアの死体を投げた。

 ベチャッと潰れる音が聞こえる。

 この状況の中眠れる姉さんもすごいな。


 てか起きたらマズい。城にいないことがバレてもマズい。早く帰らなければ。


「カルミア。姉さん連れて帰るぞ」


 俺のことを主だと思っていないのか、りょ。と返事が返ってきた。クソメイドめ。

 カルミアが盗んできた馬車に乗る。ちなみに運転士はカルミアだ。こういう時だけ役立つんだよな。



「う~む…」


 パチ。イリスは目を覚ました。

 どこだここは?見渡すとそこにはロベリアがいた。たぶんここは馬車の中だな。


「あ、お姉さま!起きましたか」


 ロベリアが心配そうに覗き込んでくる。やっぱかわいい。


「そういえばお姉さま。壁が吹っ飛んだ時大丈夫でしたか?」


 壁が吹っ飛ぶ?ん?それって…


「吹っ飛ばしたの私だね」


 …ん?

 ロベリアの理解が遅れた。え、今自分がやったって言った?


「え、え?どうやって…?」


 珍しいな。ロベリアが混乱してる。


「いや~、逃げ出そうと思ったらさ、窓とかなくて。だから壁蹴って出てきたの」


 そんなバカな話があるものなのか?

 もしかして姉さんって、そうとうヤバイのでは?(今さら)


「でも助けに来てくれて嬉しかったよ。自分がしてることにも気付かないで心配してくるなんてあり得ないもんね」


 あ…思い出したらまたキレそう。ヤバイ。話題をそらさねば。


「そういえば!私がロベリアをいじめたって件、父上に言ったのロベリア?」


 ここはぶっ込むしかない。

 ドキドキと返事を待つ。


「いえ?わたしそんなこと言っておりません。わたしが言うわけないでしょう」


 良かった~。と安心する。

 確かに父上に怒られてたときロベリアいなかったもんね。


「ん?じゃあ、一体誰がそんなウソを父上に吹き込んだんだろ」


 ここは一番の疑問だ。

 これからは周りを疑って生きていかなきゃいけないのか~。


「わたしが探しておきます。父上が簡単に信じるということは、身近な相手かと」


 ロベリアが探してくれるのか。確かにそれが一番いいかもしれない。

 今の私の信用は地の底だからな。


「ロベリアて本当にいい子過ぎるよね。あいつ(父親)に育てられてよくそんな風になったね」


 んぐっとロベリアが息を詰まらせる。

 さすがに演じてるとは言えないのだろう。


「そ、そうですかね‥‥ハハハ‥‥あ、城見えてきましたよ」


 (盗んだ)馬車で、無事家に帰ることができたイリスだった。






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