ヒステリック女
「馬車を盗ってきます」
不安しかないメイドの言い方に、ドン引きしていると、
「待って!イリスちゃん!!」
甲高く叫ぶ、声の主はソフィアだった。
「お姉さま、早く行きましょう。あいつといるだけ時間の無駄です」
ロベリアの言葉にワッとソフィアは泣き出した。
「ひどい!ひどいわ!私何も悪いことしていないのに!ただ、イリスちゃんが心配で‥‥!それに、それにっ‥‥」
急にわめきだした。どうなってるんだこいつの情緒。
それにしてもとロベリアは思う。
こんなことする人だなんて知らなかったぞ?ずっとおとなしくてはかないみたいな噂しかなかったし、拉致するくらいなんだからもっと前例があるのでは?と。
「お前・・・あなた、今までにもこのような経験はございまして?」
危ない危ない、あやうく姉さんの前でお前っていうとこだった。(言ってる)
俺の事を女だと勘違いしてる姉さんの前では妹を演じなければ。(十年くらい一緒)
「そんなのどうでもいいじゃないの!!大体、何であなたみたいな奴がここにいるの!あなたはイリスちゃんにいじめられてたんでしょ!?」
イリスは思う。
気にしてなかったけど、確かになぁんでここにいるのかな~。
やばい。ここで本当はあの‥‥えっと‥‥名前忘れた、うんと‥‥ヒステリック女の仲間でしたとかだったら私ロベリアのこと亡き者にするしかないよ‥‥!?
ドキドキとロベリアの反応をうかがう。
「‥‥‥‥はあ?」
す、すごい顔してる‥‥。
ヒス女をゴミのように見てる‥‥。
「あ、ヤバッ‥‥えっと、わたし、お姉さまにいじめられていませんわよ‥‥?」
慌てて言葉遣いを直す。
と、いきなりギュッとイリスがロベリアに飛びついてきた。
「だよね!私ロベリアのこといじめてないよね!?‥‥あれ?ロベリア?」
突然の事すぎてロベリアは硬直していた。
「・・・ハッ(目覚めた)、そうですわよお姉さま!というか何でそんな話が‥‥」
「ヴゥッ!!!」
突如ソフィアが俺らの頭上に剣を振りかざしてきた。
イリスを押し倒すような形で前に避ける。ズザァと二人で勢いよく倒れる。
「大丈夫ですかお姉さま!」
バッと起き上がる。が、イリスの服がちょっと‥‥あれで‥‥
ロベリアが女だと思われていなければ今頃やばかっただろう。それに一番見られてはいけないのは‥‥
「馬車の準備出来ました~‥‥って何してるんですかロベリア様」
やばい!一番見られてはいけない相手に会ってしまった!
もう目を合わせられない。
「さすがにちょっと‥‥いくら好きだからって―—‥‥」
「死ね!!!!」
今度はカルミアに剣を振りかざした。
カルミアはキレイに避ける。そして相手に蹴りを入れた。
「ゲホッ」
ソフィアはせき込む。
殺意のこもった目をしていた。
「どうします?このまま再起不能にするまでボコボコにしますか?」
チラッとイリスを見る。ねむーい寝ちゃおーと言っているので大丈夫だ。
「ひっ、待って待って謝るから!謝るから!」
命乞いをしてくるソフィアにロベリアは剣を突き付けた。
「死ね。クソ女」
口の中に剣を突っ込んだ。




