欲しい
そして今に戻る——‥‥
スヤスヤ眠り続けるお姫様はなんと大貴族の婦人ソフィアにさらわれ、拉致されたのである。
パチ
「ぬ?」
イリスは目を覚ました。
お茶会をしてたはずなのに‥‥。気づけばベットにいた。
「ふあぁ・・・」
あくびをかます。まだ眠い。
「さてさて、二度寝と‥‥」
コツコツ‥‥
足音が聞こえて来た。
誰だろ‥‥。と思いながらも寝っ転がる。
ガチャ
ドアが開いた音がした。
「あら?まだ寝ているのかしら」
その声はソフィアだった。
おどろいて起き上がる。見るとやっぱりソフィアだった。
「やっぱ起きてたわ~。よかった」
「ねえ。何で私ここにいるの?」
一応質問する。分からないことばかりだからな。
「あぁ。それはね、イリスちゃんがいじめられてるって聞いて。可哀そうだから私が保護してあげようと思ったの。ここは私の家よ」
その言葉にピクッとイリスは反応する。
「かわいそう‥‥」
「ん?イリスちゃん何か言った?」
どうやら心の声が少し漏れていたそうだ。
首を横にブンブン振って否定する。
「あぁ、可哀そうなイリスちゃん‥‥。安心して。もう怯えることはないのよ。私がいるわ」
ソフィアが抱きしめてきた。
‥‥理解ができない。何で私が可哀そうなの?何で私が‥‥何で‥‥
ドン
ソフィアを突き飛ばした。
「私は怯えてない!可哀そうでもない!勝手に可哀そうな子って決めつけないでよ!!!」
ハアッ‥‥ハアッ‥‥
呼吸が荒くなる。この人に対して、私はずっとこう感じてたのか。
「そう、そうなの。そう‥‥やあっぱりいいわぁ」
「‥‥は?」
笑ってる。何で?何がいいの‥‥。
「うんうんうんうん。理想だわ。私の。やっぱり欲しい!!」
理想?欲しい?ゾクッと寒気を感じた。
「帰る‥‥家に帰して!」
ここにいたくない思いでソフィアに言う。
その様子にハア‥‥とため息を吐いた。
「イリスちゃん。ここは私の家なのよ?何で願えば帰してくれると思ってるの」
狂ってる。この人は、欲しい物に対しての執着が異常だ。
逃げなくちゃ。でも、ここには窓一つない‥‥!
「どうして逃げられると思ってるの?」
ソフィアがゆっくりと近づいてくる。
「イリスちゃん」
「カルミア!!!」
ロベリアが大声でメイドのカルミアを呼ぶ。
「はい」
ビックリした。いつの間にいたのか。
「姉さんは!?見つかったか!?」
そう。俺らはさっきからイリス姉さんを探していた。
「いえ、城中を一通り探してきたのですが、おりませんでした」
「マジか‥‥」
なぜ城のどこにもいないんだよ。
犯人の推測はついている。大貴族のソフィアだ。
さっき姉さんの着替えに付いていたメイドに聞いたら部屋の場所を教えていないのにいたと。
怯えながら答えてくれた。優秀なメイドで助かった。
「ロベリア様」
「ああ。分かってる。城にいないならきっと‥‥ライキード家だ」
ソフィア・ルー・ライキード
四大貴族のうちの一つだ。そこに姉さんがいたのなら、もうライキード家は終わりになるかもしれない。
が、俺はあんな税金泥棒よりも姉さんの方が何倍も大事だからな‥‥!
「行くか!爆弾持って乗り込むぞ!」




