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ロベリアは歩きながら考え事をしていた。


(なーんか、一つ見落としがあるような気分・・・・)


うーん、うーん、頭を傾けて考える。

その仕草が、すれ違う男を堕とすとも知らずに。


「ソフィア様、どこにいるのか分かる?」


婦人たちの会話が聞こえた。

ソフィア?ソフィアって確か、イリスにジュースかけるよう命令した・・・。


ソフィアの目的が分かったとたん、ロベリアは走り出した。


(嘘だろ・・・!このままだと姉さんが・・・・!」



時はちょっと遡り・・・・


「イリス様、お着換えの準備をいたしますので、こちらで待っていてください」


どこかの部屋に案内された。あるのは椅子と姿見だけだ。

一人座る。暇だし、このまま寝ちゃおうかなと考えていると・・・


「イリスちゃん」


声が聞こえた。ドアの方を向くと、そこには一人の婦人がいた。


「・・・・だれ?」


イリスは覚えておらず、すっとぼけたような声を出した。


「えーとね、あのー、あなたに何のパーティーをするのか教えてあげたの。覚えてる?」


パーチィ―の事を聞いた・・・・?


「・・・親切なお姉さん!」


イリスはやっと思い出した。我ながらよく思い出せたと感心する。

なぜならイリスは人の事をすぐ忘れるからだ。


「そう!そうよ!・・・あ、そうそう、私の名前はソフィアよ。イリスちゃんの事が心配で見に来ちゃった」


世の中、親切な人もいるもんだ。

うちの父とは大違いだな。


コンコン、ガチャ

メイドが入ってきた。


「イリス様~。とりあえずひと通り持ってきました。・・・!?」


メイドがわなわなと震えている。

どうやらここに婦人がいることがおかしいとでも言うように。


「なんで来れ・・・場所は言ってな——」

「あ、あーあーあー、ありがとう。でも私がイリスちゃんのお着換え手伝いたいから、もう行っていいわよ」


なにやら焦っているようだ。何かやましいことでもあったのか?

メイドは出て行ってしまった。それにしても、この人だけでドレスって着れるのか?


「そ、それじゃ、着替えるわよ。そのドレス脱いじゃいましょう」


私のドレスは一人でじゃ着れないようになっている。

父上もさすがにということで、メイドを一人着る時だけくれた。まあ、相手はすごく嫌そうだったが。


シュルル・・・

背中の紐がはずれてく。

・・・心なしかソフィアの息が荒い気がするのだが、気のせいか?


「大丈夫?息荒いよ?」

「だ、大丈夫よ!ちょっとあなたの白い肌に傷がつかないように緊張していただけ・・・」


緊張?なんでそんな事に緊張するのだろうか。不思議な人もいるもんだ。

そんな事を思っていると脱ぎ終わった。

下着だけの状態なのだが、ここにいるのはソフィアだけなので問題ない。


「ハアッハアッハアッ」


ソフィアの息遣いが物凄く荒い。

何か寒気がする・・・・・。そうだ、ドレス着なくちゃ。何にしよう・・・。


「ねぇ、こっちとこっち、どれがいいと思う?」


ソフィアの前に、二つのドレスを見せる。

ひとつはフリルとかリボンとかたくさん付いてる今の流行りのゆるふわ系ドレスで、もう一つはちょっと大人要素が入ってる、結構、布面積狭めのセクシー系のドレスだ。


「え?え?わ、私が決めていいのかしら?」


何故かソフィアは興奮している。どうしてそんなに興奮してるのだろう。ドレスが好きなのかな。


「じゃ、じゃあ、こっちの服、がいいわ・・・・・」


ソフィアが選んだのはセクシー系のドレスだった。


「じゃあ、着るの手伝って」

「わかったわ」




「着替え終わったね」


結構疲れた。このドレスの構造があんなにも不可解だったなんて。


「そうだ、イリスちゃん。このお茶一緒に飲みましょう?」


差し出されたのは桃の香りのする紅茶だった。いつの間に用意してたのか。

香りに釣られ、一緒に椅子に座る。


「おいしい」

「そうでしょう?この紅茶、イリスちゃんの好みに合わせたの」


へえ、そうなんだ。話を流す。

あれ?でも、私この人に好きなものとか話たっけ?


突如、眠気が襲ってきた。抗えないほどの眠気が。

ベシャ・・・

テーブルに突っ伏す。



「ごめんなさいね。イリスちゃん。でも、あなたといるためにはこうするしかなかったの」


イリスの寝顔を見て言った。



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