どこかも分からなかった。。
&予想外な告白。。
部屋に残ったのは俺たち2人ともう1人。
「さて、気を楽にしてくれていいよ。 僕の名前は江澄 拓実、よろしくね。因みにもう1人いた女性は僕の姉、だから下の名前で呼んで。」
気さくなお兄さんって感じだ。 油断も信用もないけど。
「それで?何か要望はある?すぐじゃなくていいけど。」
すると森原君が俺の方を少し見てから。
「じゃあ、 図書館に。」
「図書館? まぁ、調べたいって言ってたけど。。 君は?」
こっちにも聞かれた。
「え、あぁ・・。」
そうだな。。
「連絡が取れる物が欲しい。 後、・・本当に大学がないのか確かめたい。」
自分で確認したい。
「んんー。 了解。連絡については携帯って事?それだとちょっと日にちを貰いたいけど、確認の連絡なら公衆電話もあるよ。」
「あー、、じゃあそっちでいい。」
「はい。 んん~。つまり2人とも外出したいって事だね。じゃあその方向で調整しよう。今日はもう中途半端だし、かと言って部屋だと退屈だよねぇ。
うん、ちょっと散歩してみる?」
言い方が軽いが、何もする事もないし提案にのった。
街並みはいたって普通であることにほっとした。
「あの、俺のカバンって、返ってくるんですよね?」
「あぁ、そうだね。もう部屋に届いてるんじゃないかな?」
「そっか。。良かった。」
散歩は1時間余りのものだった。土地勘がないだけで特に変な物はなかったし、通る人も普通だった。
ただ、それで居心地がいいかと言うと、そうは思わなかった。
翌日。昨日と同じ感じで来た拓実と言う人によって車で移動する。
何か知っているものはないかと探してしまう。お店・乗り物・服装、知ってる物もあったし自分達と変わらないと見えるのに、何が違うのか。。
「はい、着いたよー。 誰でも利用出来る一般向けだけどね。」
子供からお年寄りまで出入り自由のよくある図書館。
拓実さんは待ってると言うので2人で中へ入った。
「森原君、ここで何を調べるんだ? って言うかここで分かるのか?」
こんな一般的な所で俺たちの謎が解けるのか疑問。
「取りあえず、基本的な確認をしておこうかなって。探すのは地理と歴史、
後 新聞かな?」
「? 分かった。」
この時何でそんなものをと不思議に思った。
その理由は見て読んだら分かったが、、、
分かりたくなかった。。。
だって、ここは日本じゃないのか? 地球じゃないのか? こんな歴史知らないっ!
『アンフォーンによる被害者数 今日240人!
問われるアフェスプの教育!!』
『世界での被害拡大!
今後の国の対策はどうなるのかっ!?』
『新たな未確認生物かっ?
○○○○共和国、地図から消える!!』
って何それっ!?
ここでは自分の知らない事実が当たり前のように報道されていた。
自分は今、何処にいるのだろう??
近未来か? いや日付は同じだ。
じゃあ何?よく似た世界? どっかの小説じゃないんだから。
映画のドッキリ的な? それ酷いと思う。
国家の陰謀・・? 現実的じゃない上に一体ダレ得。
大体、一般大学生にすることじゃない。どんだけ暇なんだ。お金の使い道間違ってるから。
それからお昼を食べたけどよく覚えていない。
大学なんて場所すら自信なくて分からなかった。
電話もかけさせてもらったが、通じないか知らない人が出た。
希望が絶たれていくのが分かった。。。
戻って来ると部屋に閉じこもった。
よく似てるが違う。 ここは知らない世界だ。
こんな現実にどうしろと言うんだ。 俺は何の力もない、勇者なんかでもないのに。。
そうして1人ゴロゴロしていると、ノックの音。
「・・・、誰?」
「あ、森原です。」
ドアを開けると、何か飲み物とかスナック菓子とか枕?を持った森原君がいた。
「ソフトドリンクですけど、一緒に飲みませんか?」
「あー・・・、うん。。」
気を遣って来たらしい。 中に入ってもらって椅子に座る。
「それ何?」
「ピーチ○○太です。お菓子はポッキーと、ポテトチップスの塩味。」
コップにトクトクと注ぐ。 それをお互い持ってカンッと打ち合わせて飲む。
「はぁーー。 何かなぁー・・・。 違うはずなのに こういうのは同じってどうなの。」
と苦笑う。 開発者は同じなの?
「食べ物でホームシックにはならなさそうですね。」
「だな。 ・・・・・・俺、まだショック。 信じられねぇ。。」
「 そうですね。 」
「あー、何?こういうのってさ、なんちゃらトリップってやつになるのか?」
「あぁー、そう なるんだと思います。」
飲み込むためには何か喋ってないとやってられない。
「・・・。 森原君 平気? 俺よりしっかりしてるよね。なんか情けない・・。
俺なんかまだパニック起こしそうだよ。」
ハハハ、と渇いた声で笑う。 すると森原君は。
「そんな事ないです。 布池さんがいるから、しっかりしなくちゃって思ってて、本心は不安でいっぱいです。」
「本当かぁ?」
「ホントですよ。 布池さんは初めてだし、当然の反応だと思います。むしろ声に出せるだけ正常です。」
「そうかな・・・。」
・・・・・・。 ん?
「ん? 俺は初めてって・・・・・・、初めてだよな?」
「あ。・・・いえ、いや・・・。その、ここは初めて、です。」
んん?
「・・・。 トリップは、 2回目・・・。」
は?・・・・・・。
「・・・・・・、マジ で?」
「 はい。 」
ええええええーーー・・・。
なにその 告白。
「え?ここはって、他にも地球みたいな所があるってこと?」
予想外なカミングアウトにちょっと鬱な感情がどっかいった。
「いえっ、そこは、ファンタジーって感じで、丸っきり別の世界でした。」
「どんな感じで?」
「んー。 ゲームをもっとシビアに現実にしたような感じで。 陸や乗り物が空にあったり、自分が小人に感じるくらい巨大な木が生えてる所があったりで、虫も大きかったです。 後は竜がいて、おしゃべりしました。」
「おおー。めっちゃファンタジーじゃん。 いっそ清々しいな。それだけはっきり別って分かった方が納得できるかもな。」
中途半端に同じより、モヤモヤしないかもしれない。そんな風に思う。が。
「それはどうだろう。。」
「違うのか?」
「だって全部知らないものだらけなんだよ。言葉は通じたけれど、文字は読めない、お金も違う、住むどころか泊まる事も出来ないから、働ける所探して、・・・それだけで生活するのにさえいっぱいいっぱいだったなぁ。。」
とその時の事を思い出してるようだ。
「・・・、そうか。 それも大変なんだな。 でも帰って来られたんだな。」
「はい。 実は他にもトリップした方々がいて、それに原因も分かったので大丈夫でした。」
「 原因かぁ・・。 俺たちの場合は・・・アレか?・・」
あんまり思い出したくない。
「そうですね、アンフォーンとか言うやつだと思います。」
「うぅ~~。 アレはもう出会いたくない。。」
「避けられないと思いますけど・・。」
「無理っ。」
絶対にムリっ!
「んん~~。 前例はなさそうな感じでしたけど、もし帰れたとして、今回と同じ事がこの先もあったら怖いですよね。」
なんて怖い未来の可能性を言った。
「やめてくれっ、トラウマ過ぎるっ。もうあの道通れないっ。夜も外出れねぇよっ。」
「そうなると問題だなぁ。 どのタイミングでこっちに来たんだろう?」
・・・・・・。 どういう事??
「タイミング??」
「俺、布池さんとあのアンフォーンを最初に見た時、助けを求めてコールしたんです。つまりその時はまだ電波は繋がっていたんです。」
ふむふむ。
「布池さんが見聞きした悲鳴をあげた人も、こちら側では発見されなかった。
つまりその時はまだ向こうだったって事です。」
「! そうかっ。 え。 じゃあ向こうでも事件じゃないか。」
「・・・、そうですね。」
それはそれでマズイよな?
「ヤバいだろ。どうすんの?俺たちの世界もこっちと同じようになるかもって事だよな。その可能性あるよな?」
帰ってもヤバいとかどうしよう。家族は?友人は?
「・・・、いえ、ここまでにはならないと思います。」
「そうなのか?何でだ?」
「 向こうにも、守っている人がいますから。それに続けて起きるようなら必ず調査が入るでしょう。俺たちも行方不明者として捜索されているはずですから。きっと大丈夫です。」
それは願望だろうと分かる。保証なんてないし、確信も出来ない。
連絡も出来ないし、帰り方も分からない自分たちには、その未来をどうこうなんて関わることすら出来ない。
「はぁー。 別の世界にいます、なんて分かるはずないよなぁ。分かった所でどうにもならないし、危険だ。」
「そうだね。 何にしても、協力してもらわない事には難しいですね。」
「そうそう。」
「・・・。 何か俺たちに出来る事を見つけないと、ポイ捨てされてしまうかもしれません。」
うんうん。
え?
「は?」
何のお話?
「今はこうしてここに居させてもらってますが、そもそもお互いが予想外の事で、取りあえず怪しいから調査されたんでしょう。向こうにとっては前例のない手に余る者です。害がないと分かっても野放しにはされないと思いますが、どう扱うかは向こうが決めてしまえる事です。正直、このまま消されても誰も騒がないし、問題にもならない。」
「いやいやっ、それは流石に考え過ぎだろっ。いくらなんでも人道的にさ。」
背筋が寒くなりそう。
「それでも、 存在なんて始めからなかったのだから、こっちには関係ないしって切られる可能性はあります。ポイっと放り出されて、好きに生活して下さいっていうのがまだ優しいかもしれません。」
「んん~。 それは、・・・、ダメなのか?まぁ、それも困るけど。・・・、そこまでやるかなぁ。 」
人類を守る側だよね?
「さぁ、分かりません。 印象としては、心中はともかく覚悟のある方だと思います。多くの人の命を預かる立場です、厳しい判断もしなくてはいけないでしょう。
責任が重いからこそ、俺たちに構っている余裕なんてないと思う。」
「じゃあ、こっちで生活していけるようにお願いするしかないんじゃね?」
「まぁ、それはそうなんだけど。帰るつもりなら待ってるだけではダメだと思う。一般人として生活してても進展しない。」
「でも俺たち一般人じゃん?何も出来ないぞ。」
「でもそれで諦めるのはまだ早いよ。俺は帰りたい。必ず帰る。 布池さんも一緒に。 一緒に帰ろう?」
「・・・・・・。 あぁ。 」
経験の差なんだろうか。 何か励まされたように感じた。
森原君が一緒で良かった。
「今夜は一緒に寝ましょう。」
「あぁ。 ・・・・・・・・・・・・は?」
その枕はその為かっ!
読んで下さり ありがとうございます。
2人が今後活躍・・・?はしないかもしれないですが、
シリアスをベースにコメディが入ってる感じで続きます。




