存在もなかった。。
寝て起きたら夢オチ、
だったら良かった。。
「(ねむー・・。)」
外はすごい明るい。まだ疲れが残っている感じがあるが、ここは自分のベッドではない。
むっくり起き上がり、部屋をぼーっと眺めてからフラフラと立って歩く。
クラッ
「っ!」
平衡感覚を失って崩れ倒れる。すぐ眩暈だと分かった。
「ん~~~。」
床に横になって治まるのを待つ。しかし眠気に負けて眠ってしまった。
再び目を覚ますと、ベッドに戻っていた。
「あらおはよう。 気分はどう? ごめんねぇ、ちょっと貧血になってただけだから。」
「・・・・・・、あ?」
知らない声。
「食欲はある?服も用意してあるから、シャワーも使うといいわ。」
「・・・・・・どうも? ・・・・・・、誰?」
何で入って来てんの?
「 私は医者兼研究者よ。麻ちゃんって呼んでね。」
は・・? 医者、は分かる。 研究者、って? いや、この場合は医者として来てるって事?
「・・・はあ。。 俺、 何で医者の世話に・・?」
そこ謎。 いや、眩暈?ベッドで寝てなかったから心配かけた?
そういや貧血って・・・。
「あーー、 ちょっとね、採血させてもらったの。」
ん?さいけつ? 採決? え、採血??
「・・・・・、はあっ?」
ちょっとどういう事だ。何で勝手に?
「しょうがないのよ、あなた達の身の潔白を証明する為だったから。お陰でちゃあんと普通の人間だって証明出来たわよ。」
「は?(は?) ・・・・・・、え? 何の嫌疑がかかってんの?・・・、どう見ても人間だし? って言うか一体何の権限で、了承なくやってんの?」
何か怒りが沸々と生まれる。 そして不信感も。
「まぁまぁ、だからごめんね。私も上の指示だから仕方ないのよ。だから詳しくは直接聞いてね。」
腹立たしい、が、この人に当たるのも筋違いなのだろう。
さっきの白衣の女性が出て行くと、用意された食事を食べて、シャワーでサッパリする。
そこで気付いた。
「・・・っ、カバンはっ?」
部屋中探すがなかった。。
案内されて来た部屋もまたゴージャスだった。ゆったりくつろげそうなソファーとローテーブル。
森原君が先に座っていた。その表情は硬い。
オシャレな食器でお茶とケーキが出されたが、お互い手をつけなかった。
すでに食事は食べているが、何か気に食わない。反抗心ってやつだ。
森原君は、どうか分からないけど。。
そのまま沈黙の時間が過ぎ、15分ほど待って来たのはスーツ姿のおじさんと、秘書らしき女性と、側近っぽい男性。
「やぁ、待たせたな。 おや、まだ食べてなかったのかね?遠慮せず召し上がれ。そのお菓子は美味しいんだよ。」
そう言って自分にも出された菓子を口にする。
休憩時間なのか?
「 ふむ。そんなに警戒しなくてもいいよ。まぁ、機嫌を直してもらおうとは思わないがね。」
反省する気も言い訳するつもりもなしね。
「では自己紹介をしよう。私は<アフェスプ>の東の管轄をしている代表、つまり社長の、吾妻 陵だ。よろしく。」
社長さんだった。 改めて見ると威厳があって抜け目ない感じで怖そう。
くっ。これが権力と言う圧力か?
「君たちの事は不明点がある為調べさせてもらった。 落ち着いて聞いて欲しいのだが。。」
そこで間をとって、真剣な空気の中言った。
「君たち2人は存在していない。」
・・・・・・。
「この国の何処にも、存在を証明するものがなかった。」
???
この時俺は、きっと間抜けな顔をしていたと思う。
「・・・・・・存在が 、 ない って・・・?」
意味不明。 森原君も絶句している。
「ただ戸籍がないと言う話ではない。君たちが出してくれた学生証も、その大学自体が存在していないので証明されないし、失礼だが持ち物から何かないかと調べさせてもらったが、定期に記されている駅名もないものがある。」
「そんなバカな事があるかっ!」
思わず叫んだ。 信じられる訳がない。一体何の説明だ。
「まぁ落ち着きなさい。君たちが噓をついているとは考えていない。こんなすぐにバレるような事をする意味もないし、益もない。そこで君たちがアンフォーンではないかと、血を調べさせてもらったのだよ。」
「・・あ・・・、あんほーん ? って、 なに?」
当然の返しをした。 が、何故か社長さんはその眼光を鋭くさせ、後ろに立つ2人は少し驚いているようだった。
「ん? 君たちもよく知っている存在だろう。君たちを襲ったアレだ。」
「おそ・・・・・・、 はあっ? アレと何で間違われたんだっ?全っ然っ違うだろっ? 目とか頭がおかしいのかっ?」
「 結果としては白だった。疑ってすまなかった。 ただ私の立場上、可能性があればそうするしかない。 結論からすると、君たちは不運だった。それに尽きる。」
・・・・・・、はあ?
そんな話? それで丸く治まる状況だとでも? 何の解決もしてないし、納得も出来ないんだけど? 不運って何よ?それだけで理解出来る領域じゃないって思ってるの俺だけ? そんなんで片付けられても困るんだけど??
「・・・冗談過ぎ・・・。」
笑いも出てこない。
「 あんた達がどこの組織?いや会社?なのか知らないけど、ありえなさ過ぎて信じられない。 なんで昨日まで普通に大学行って、知り合いとご飯たべてカラオケ行っただけなのに、存在ありません? おかしいだろ? どう考えても自然の成り行きじゃないよな?それ信じて納得したら、そっちが頭おかしいってなるだろ? そう思うよな?」
隣りの森原君に同意を求める。 その森原君は真剣な顔で考えていた。そして。
「 そう ですね。 今の状況では、知らない事や分からない事ばかりで、理解が追いつきません。」
そう言って、社長さんを真っ直ぐ見た。
「 情報を下さい。 そちらが俺たちの事を調べたのなら、こちらもあなた達の事が知りたいです。調べる手立てを提供して欲しいです。 家もなく、存在自体が証明されないなんて、この先生活出来ません。自分達がどうしてこうなったかも分からないし、自分なりに納得出来るまで実感しないと、先が考えられないです。 どの道お世話にはなりますが、その上で話し合って、もう一度、この場を設けてもらってもいいですか?」
俺より冷静だった。 1つしか年の差はないが、この差はなんだ。
俺もちょっと冷静になる。
「ーー。良いだろう。好きなだけ調べなさい。何か要望があれば言うといい。あまり無茶な事は困るがね。それで気が済むのなら自由にしなさい。 江澄君、彼らをよろしく。」
と最後に側近っぽい男性に言った。退室するようだ。
「あ、お菓子は食べなさい?勿体ないからな。」
と言いおいて秘書?の女性と出ていった。
甘いの好きなのか? そのギャップはいらないんだけど。。
これはSFも入るんだろうか・・?




