一件落着です?。。
犯人は見つかった。4人組の柄悪い男たち。
布池はまだ体に痛みがあり、湿布や包帯をしている。
そして今、その4人を前に引きつった顔を抑えられないでいた。。
「 森原君・・、 何の冗談・・?」
会わせられた理由を聞いた。目も合わせられない。
信じられない思いで聞く。
「冗談ではないよ。 今日は顔合わせだけだから。この人達には布池さんに対して奉仕する処罰が出た。勿論他にもあるけれど。 俺も一緒だから。ね?」
ね。と言われても、到底納得できる訳もなく・・。
2人になってから布池は発言した。
「なぁ。・・・、これもイジメ? そうだよな?・・・。 これ以上、止めてほしぃ・・・。」
耐えられない。と訴える。
森原はすまなそうにしながらも言う。
「・・・、ごめんね。 でも、俺がお願いしたんだ。」
「!・・・・・・。 なんでっ・・?」
そんな事をしたのか。
森原は自分も痛みを堪えるように言う。
「俺だって怒ってる。 許せないっ。・・・。 それと同時に、後悔した。。目を離しすぎて、気づけなかったから。。」
「・・・・・・。」
それは治療されてから目を覚ました後、 泣かれたのだ。
ごめんね、ごめんね、と繰り返し。 何で言ってくれなかったのだと、言われた。
「怖い思いもして、痛くて辛いのも分かってる。一緒にいるのも負担になるだろうって。 でも、ずっと外出しない訳にもいかないから。ビクビクするより、目の届くとこで監視して、少しでも緩和させた方が居やすい。 ここで逃げないで欲しいんだ。 一緒に帰る為に、立ち向かって行こう。」
森原は最初から一緒にと言っていた。帰ろうと、頑張ろうと。
一人で背負う事はない。
「・・・・・。 俺、情けないよな・・。 何も出来なくてさ。 ・・役に立たないもんな。。」
確かにここは特殊だから専門過ぎる。でも大学まで通ってて、一体自分は何を学んできたのかと思ってしまうのだ。
弱気にもなる。
すると。
「何も出来なくなんかないっ。 いつも心配してくれてたでしょ? 心から無事を祈って、帰って来ると喜んでくれて。 俺はとても嬉しかったよ。 布池さんがいるから頑張ろうって思える。 布池さんは俺の帰る場所だから。布池さんは必要なの。心を許せる相手は貴重なんだよ。・・・。役に立ってるから。。」
「・・・・・・、おぅ。。」
なんか恥ずかしい。。
でも、、
「・・・・・・・・・・・・。。。 もう少しなら、、 頑張ってみる。。」
「うんっ。守るよっ。 アンフォーンは確かに放っておけない大きな事だし、俺たちもそれに関わった。だから協力はする。 でも、それで布池さんが危険になって守れないなら、俺は布池さんを優先するから。」
「・・・森原君。。」
「俺が能力者として使えると認められれば、布池さんの身もより守られると考えたんだ。勿論、手紙の事もあるけどね。 早く達成した報告をしたくて。。」
森原は森原で自分がなんとかしなければと思っていたのだろう。
「・・・。 森原君も言えよ。 一人で背負う事じゃないだろ? 」
「・・・うん。 分かった。」
お互いに笑みが浮かぶ。
「あ。 おまけですけど、安藤さんも話し相手が出来て楽しいって言ってましたよ。」
「・・・、安藤さんおまけなのか?」
「当たり前ですっ。布池さんを一番必要としているのは俺ですからねっ。」
「なにそれ?」
と笑う。
もう少し・・・、頑張れそうだと思った。。
あの4人の奉仕労働が始まってからの1ヶ月間は、ちょっとした見世物のようだった。 特に買い物に行った時の周りの反応は。
何であの4人が一緒なのか。とか。
え。Sクラスの人達がかばってる、手出すのヤバくない? とか。
目を光らせてと言うか、睨んでわからせている感じだった。
後半は井ノ原たちの護衛組は隠れて見張るようになり、問題有りと思うと直ぐに出る方法になった。
それは、森原がキレた言動をとるのを防ぐためでもあった。
一度力を見せて脅した事があったのだ。正に虎の尾を踏んだ感じで。
それから怒らせてはいけない人に認定されたらしい。
結果。
始めは他の付き添いを見てから態度を変えていたのが、布池を最初に見ても悪い対応にはならなくなった。
つまり。。
布池 = 怒らせてはいけない = あの4人ように肩身が狭くなる = Sクラスに目を付けられる
となった。
良かったとも思うが、そんな事により有名になった事は複雑に思う布池。
4人組からは、心からとはいかないまでも、一応謝ってもらえ、もう手は出さないと言ってもらえた。
一件落着?。。
それからは前のような暮らしに戻った。っと言っても、森原は前の様に忙しく巡回に出る事はなくなった。その代わり感知能力について調べる為に研究に付き合わされるようになったが。比較的にのんびりと過ごしている。
井ノ原たちとも前より親しくなれたようで、たまにふらりと遊びに来る。
「ただ今戻りましたー・・って、三影君来てたのか。」
「お邪魔してる。」
「おう。 安藤さん、ここ置いておきますよ。」
「ほーい。」
「あーっ、三影っちいたぁ~。サボりー?」
「休憩中。」
「え~?それをサボりって言うんでしょー?」
「授業は終わった。サボる要素がない。」
「ん~?」
「一応ここ、休憩所じゃなくて安藤さんの研究部屋なんだけどね?」
「え~?文句ぅー? いいのかなぁー、そんな事言ってぇ。 僕が折角気を遣ってランチの出前に来たってゆーのにぃー?」
「ん?そうなのか? それは悪かった。ありがとう。」
「・・・、別にぃー、ついでだし? まぁ?お礼は当然だけどねぇー。」
「ツンデレ?」
「三影っちぃ?」
「あぁ、やっぱりここでしたか。2人とも、仕事です。1時間後に集合ですよ。」
「えぇ~?僕まだ来たばっかりなんだけどぉ?ちょっとはいたわりとかないのぉ?」
「それは上に言って下さい。では失礼いたしました。」
「・・・。佐端さんは相変わらず事務的だな。。」
「愛想ないんだよねぇ。」
「 それ、食べていいから頑張れ。いつもありがとな。」
ナデナデ。
「むぅ・・・。」
「懐柔だな。」
「ん?」
「三影っちぃ~~?」
「ここも賑やかになったねぇ~。」
ちょっとした日常の一幕がその日もあった。。
普段穏やかな人ほど怒ると怖いって言いますよね。
でもそんな長くは続かないし、後で落ち込んでたりもするんですよ。




