終わって、また始まる。
続けてまいりましょう。
今回の話で一気にキャラが出てきたり、異世界編をダイジェストでお送りしたりと、混乱するかもしれませんがご容赦ください。
では、プロローグの最後、どうぞ。
この世界、幻想(イリュージョニア)に来て一年。様々な出会いと戦いを経て、ついに俺は元の世界に帰る手段を見つけた。
こっちの世界でも色々な事があったのだが、全てを語りつくすには時間がかかりすぎるのでいずれ機会があったら話すことにしよう。簡単に言うと、元の世界に帰る手段を探してたら、いろんな陰謀に巻き込まれ、世界を救うために奔走することになり、その中で自分の秘密を知ったりしながら、世界を救ったって感じだ。
「皆、ありがとうな。皆がいなきゃ俺途中で野たれ死んでたぜ」
「お礼なら私たちの方が言うべきですわ。この世界を救う手伝いをしてくれてありがとう。ユーリ」
今話してくれたのは、魔族の長ルーメル。魔族の国を訪れた時、部下に嵌められ地下に幽閉された所を助け、一緒に行動をすることになった。紫髪の紅眼で髪型はショートヘア。ゴスロリの服を着てる。身長は俺の160cmよりちょっと高いくらいだ。俺たちの旅の中で最高クラスの攻撃魔法の使い手で、この魔法に何度も救われた経験がある。自分の地位を鼻にかけない良い奴だ。
「そうだよー。私だってユーリがいなかったら冤罪で殺されてたし」
次がルシエル、俺たちが訪れたエルフの村で、冤罪にかけられて殺されそうになってた所を助けたエルフの少女だ。緑髪の蒼眼で髪型は背中の真ん中位ストレートロング。レザーの鎧とラフなシャツとズボンと動きやすい格好をしてる。身長は俺より少し小さいくらい弓を使ったり、ダガーで接近戦をしたり、回復や補助の魔法を使ってくれたりと主に戦闘ではアシストをよくしてくれた。
「私も」「僕も」
『ユーリ兄ぃがいなきゃ危なかったよ!』
この一緒にしゃべったのが人族の双子姉弟、イリアとティオ。人族と魔族が戦争しそうになり、それを止めようと奔走してた時であった。2人とも銀髪の紫眼、イリアはツインテールで白いローブを着ている、ティオはショートヘアで胸当てとガントレット、レギンスの下に長袖のシャツとズボンといった格好だ身長はルシエルよりちょっと小さい。俺の事を兄ぃと慕ってくれていて、年齢は俺の一個下。イリアは魔法をメインに、ティオは槍をメインに戦ってたが、双子故に連携がすさまじく、2人で放つ合体魔法はピンチを切りぬくカギでもあった。
「気にするんじゃないよ、アタイはやりたいようにやっただけさ」
この豪快ないい方をするのはナナシ、ドワーフの村で出会った鬼族で、鬼族ではまず見ないだろうと言われる鍛冶職人、なんでも鬼族の割に筋力が無く、まともに戦えないから様々な戦闘技術を探しているうちに、鍛冶に興味を持ち、最高の武器を作りたいと思うようになったとか。容姿は紅髪の黒眼髪型は頭のてっぺんで髪を纏めている。褐色肌で道着の様な服を崩しながら着て、胸にサラシを巻いているだけという随分妖艶な格好をしてる。身長は俺の頭一個分くらい上だ、戦いでは氣を織り交ぜた体術で豪快に相手をブッ飛ばすメンバーの特攻隊長だった。
「にゃはは、私だって。過ちに気づかせてくれたお礼がしたかっただけさ♪」
この子はマナモ、獣人族の猫種で元刀剣コレクター。ナナシの作った剣を奪おうと襲ってきたところを俺が返り討ちにして、説教したところなつかれて一緒に来てくれた。容姿はネコミミと2尾のしっぽが生えており茶髪で緑眼肩より下位まで伸びた髪をゆるい三つ編みで束ねている。服装は膝くらいまでの着物の様な格好で、おでこにはヘアバンドをしている。両手で二刀、更に2本の尻尾で二刀という長変則的な四刀流で素早い身のこなしで相手を翻弄し切りつけるという戦い方をしていた。
「お礼、私の台詞、認められた、感謝」
断片的に話すのがイーシェン、翼人族の長の娘だったが、黒い翼という忌みの象徴を持って産まれてしまったため一族から迫害されていた子だ。俺たちが色々やったことで和解できたんだけどな。容姿は黒髪黒眼髪型は肩くらいまでのショートストレートで背中に生えた翼の邪魔にならないように胸にサラシを巻いてその上に布を巻き、それとスカートをはいている。身長はルーメルと同じくらい。戦闘では風の魔法と三叉のブレードのブーメランを上空から投げて奇襲をしかける戦い方をしてた。敵の撹乱なんかを得意としてたな。
「復讐にとらわれてしまった同胞を止めていただいたどころか、世界を救う協力すらしてくださったのです。こちらかもお礼を言わせてください。ありがとうございます。ユーリ様」
ちょっと堅たい言い方をするこの子は再生の民の巫女、フェリス、かつての王の勘違いのせいで世界を崩壊させる無の民として封印されてしまい、それに復讐すると言う同じ再生の民のある男を止めたいと願い、一緒に行動することになり、最終決戦ではこの子がもたらしてくれた再生の民の技術で作られた武具がなきゃ厳しかっただろう。容姿は金髪の銀眼、フード付きのコートみたいなマントを常に着ている。身長は俺とほぼ同じ。戦いではチャクラムを使った近接と特殊な魔法を使って戦っていた万能型。けど撃たれ弱いのが弱点だったな。
「………」
最後のしゃべらないのがアーシェ…。俺がこっちの世界に迷い込んだ時、初めてであった子、小鬼族の長の娘で、見聞を広げるのと俺を手伝いたいからってついて来てくれた、最初の仲間。褐色肌にこげ茶の髪と紅眼で髪型はショートボブ、民族衣装みたいな服装で、身長は双子とほぼ同じ。戦いではパワーを生かしたハンマーやアックスといった武器での攻撃と、雷、地属性の魔法を用いた戦いをしていた。
「ユーリ、やっぱりこっちに残るって言うのは駄目なの?」
アーシェは俺を見上げながら言う。確かに俺もこっちの世界はいい場所だと思う、あっちに比べて差別もないし。けど…
「悪いな、俺はあっちでやり残したことがあるんだ。父さんと母さんとの約束…。それを果たしたいんだ」
アーシェの頭をなでながら俺はそう言った。
「わかってる…ユーリにとってその約束がどれだけ大事な物かって、旅の中で何度も聞いたから、けど!あっちじゃユーリは苦しい思い一杯したんでしょ!?これからも、苦しい思いずっとするんでしょ!?そんなの…」
「………」
「こっちだったら、ユーリを苦しめる人はいない、皆ユーリを受け入れて「アーシェ」…ユーリ?」
俺はしゃがんでアーシェと目線を合わせる。
「金輪際の別れじゃねぇさ、こっちに住もうっていうのは考えてたからな。けど、そうするにはまだあっちに未練が残ってる。だからこそ、俺はあっちとの未練を断ちにいくんだよ。約束を果たして、こっちに必ず戻ってくるさ。約束だ、だからよ…」
アーシェの目もとを優しく拭いながら俺は続ける。
「待っててくれ、必ず、またここに戻ってくる」
「ぁ…うん、うん!ユーリ!私待つよ!」
アーシェがこっちに笑いかけてくれる。よかった、元気になったみたいだな。
『ユーリぃ…?』
と後ろからなんか恨めしい声が…
「ユーリあなた、アーシェには告白じみた事を言うのに、私達には何もなしですの?」
「酷いよねー、差別だよねー」
「ユーリ兄ぃ!私にもやってよー!」
「にゃはは、さすがにそれは見逃せないなー♪」
「プリーズ、告白」
上からルーメル、ルシエル、イリア、マナモ、イーシェンだ。
…実は俺はこの旅の中で何人かに告白されてしまっている。俺も好意には気が付いていたが…まさかライクじゃ無くてラブの方だとは思わなかった。只、俺自身そう言った事がよくわからないんで今のとこ返答を見送っているのだ…。
「あー、なんだ、その、必ず戻ってくるからさ、待っててくれ」
俺はしどろもどろになりながらそう答えるしかなかった。
ーーーーーーーーーーー
「では転送陣を起動します、向かうのはあちらの世界での2013年8月15日、場所はミスティックサークル。ユーリ様がこちらに訪れてから25日後で、飛ばされた時いた場所ですね」
とりあえず落ちついた後、改めて元の世界に帰るための準備をする。今は戻る時間と座標を調整しているのだ。
「あぁ、頼むぜフィリス」
「お任せください……………コネクト、ゲートオープン準備完了、5秒後ゲートを開きます」
『………』
皆が固唾を飲んでゲートを見る。
「5…4…3…2…1…0。ゲートオープン!現世(リアリド)への道よ開け!」
俺たちの目の前に光の壁が生まれる。ゲートが開いたようだ…っ!?
「まさか…!?」
「この気配はっ!?」
「なんでだっ!なんであっちの世界から"裏世界"の気配がするのさ!根源は潰したんじゃないのかい!?」
ゲートの先、現世から感じる気配。それは俺たちが旅の果てに倒した存在が生み出した世界の影、裏世界。その力があっちから漂っている…それも色濃く。
「まさか」「戦いは」
『終わってない?』
「リアリドにも魔法が広まっていると聞いて、もしやと思いましたが…こんな」
皆の言葉を聞いて俺はハッと思い出す、奴の最期の言葉を。
「奴の最後の言葉、こういう意味だったんだ…!!」
「もしかして、"マナの呪縛を生み出しは我が所業、しかし、呪縛はすでに我が手を離れ、世界を喰らう"って言葉?」
「あぁ、不浄のマナと、瘴気、そして裏世界、すでに奴の放った呪いの因果は止めることはできない所まで行っていた、それはつまり、奴すら干渉できない世界…リアリドすらに流れていた。という意味だったんだ!くそっ!ふざけんなっ!!」
このままじゃあっちの世界が呑まれちまう、どうすれば…
「落ちつきなさい、ユーリ。やることは簡単ですわ」
「そうそう!私たちはすでに一回裏世界をぶっ壊してるんだよ?なら出来るはずだよ♪」
ルーメルとマナモがそう言って俺の横に並ぶ。…そうだ。俺たちは。
「早い話、あの旅の焼きまわしをすればいいってことだろう?なら簡単じゃないか」
「そうだね、それにあの時とは違って、私たち大分強くなってスタート出来るし!」
ナナシが、ルシエルが、その横に並ぶ。
「そうだね!」「本当だね!」
『一回やったことだもん!簡単だよ!』
「私たち、全員、余裕」
イリアとティオ、イーシェン。
「再生の民の巫女として、見逃すわけにはいきません。ともに参ります、ユーリ様」
「私たちはこの世界をユーリに救ってもらった、だから今度は、私たちがユーリの故郷を救う番だよ。聞いてる限り、気に食わない奴らばっかだけど、いい人がいるのも事実だろうし!」
フェリス、アーシェ…。
「そうだな…、一度やってるんだ。余裕ってもんだ。俺たち全員そろえば向かうとこ敵なしって奴だ!皆。もう一度俺に力を貸してくれるか?」
俺は全員を見ながら言う。
『もちろん!』
「一度あちらに行けばしばらくは戻れないでしょう。皆さん覚悟は?」
フェリスが皆に問いかける。
「大丈夫ですわ、国もちゃんとやるべきことはやってきてますもの」
「問題なし!元々私は特に重要な役職でもないし!」
「行かない、裏切り、恥」
「あっちの鍛冶技術に興味あったしね、むしろ機会が出来てうれしいくらいさ!」
「にゃはは、モーマンタイ!」
『いつでも行けるよー!』
「装備もちゃんとあるし、それに、まだ見聞を広める旅は続いてるからね!」
「ありがとう…行くぞ、皆!!」
俺たちは、今。全てに決着をつけるため、新たな戦いへの一歩を踏み出したのだった
やっと書き終わりました…、というわけで次回、本編第一話、スタートです。




