秘密基地と全てのきっかけ
では2話、参りましょう
さて、出てけと言われて俺はすぐ荷物を纏めて。家を出る準備をした。いざ家を出る時、なんか視線を感じたが、どうでもいい。正直未練なんて無かったし…。今俺を支えているのは亡くなった両親が言っていたある約束を果たしたい。その一心だ。
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学校は明日から夏休みに入る、金やらは両親が俺と姉のために師匠に預けていた遺産をやりくりすれば何とかなる。とりあえず今取らねばならぬ行動は…
「雨風しのげる場所の確保かな…」
幸いと言うか、俺には当てがあった。いまいる街から3,4駅ほど行くと、昔住んでいた街に着く。街のはずれには山がありその山には幼いころ俺が秘密基地として使っていた小さな山小屋があるのだ。いつから使われてないのか知らないが、あそこは使われてないのに大分整備が整っていた。最近は行ってないからわからないが、とりあえず一週間くらいはしのげるだろう。家を借りれるくらいのお金はあるが、いかんせん両親の遺産だ、なるべく使いたくはない。とりあえず一週間山小屋で過ごし、問題なければそこを拠点として活動することにしよう。
「そんなわけで、到着したわけだが…」
電車に乗り40分、歩いて合計1時間20分。山小屋に到着した。小屋の大きさは小さなコテージ位はある。小屋の前は広場があり、そこには薪を切るための台座だったり、井戸だったりがある。使われなくなってすくなくとも10年は立っているだろう。だが相変わらず誰かが綺麗にしているとしか思えないほど清潔感がある。なのに人が足を踏み入れた気配は一切ない。理由は簡単。俺が幼いころ残していった物がそのまま置いてあるからだ。大分乱雑に置いてたし、目立つ場所に置いてるから、誰か来れば絶対に全部かたずけられてしまっているだろう。けど俺以外の来訪者がいないと言わんばかりにこの場所は俺が最後に訪れた時のままの状態を保っていた。
「不思議なもんだな。6歳の頃、父さん達の墓参りだったり、師匠の訓練の合間に来てた場所だったけど…こうもそのままで残ってるとは」
中に入ると相変わらず物は整ってる、小屋は2階建てで、一階はリビングと出入り口兼台所、それから2つほど部屋があり、2階には4部屋ほど寝室であろう場所がある。ガスやら電気やら水道は通ってないけど、井戸はあるし、釜戸や火種もある、これならそろえるものそろえれば十分生活できるな。
「さて、整ってるとは言え、埃なんかは溜まってるだろうし、掃除しますか」
長い髪を纏め、ポニーテールにし、長い前髪を顔からどかし、ヘアピンで固定する。そしてぶ厚いレンズの伊達眼鏡をはずし、右ポケットにしまった後、ここに来る途中で買った箒やバケツ、雑巾などを準備して、掃除を始めるのだった。
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掃除を始めて30分ほど、俺は一階の掃除の最中部屋にあるものを見つけた。
それは、床に付いている金属の扉。怪しい、露骨に怪しい。
「開けてくださいって言ってるようなもんだよなぁ。嫌な予感するけど」
無駄に厳重に閉められてるこの扉。なんか封印でもされてるのかというくらい厳重だ。しかし、開けてみたい、面倒は嫌いだが、こういった物はつい開けたくなるのが人間の性って奴だ。
「とりあえず、何があってもいいように準備していくか…」
邪神なんかが封印されててもおかしくなさそうな扉だ、俺は荷物の中から師匠に譲り受けた1m20cmほどの鉄の長棒と刃を潰した刀を持ってきて、何か出てきたらすぐ撃退出来るように準備する。
「すぅー…はぁー…よし、空けるぞ」
扉に手をかけ、深呼吸をし、一気に空ける。すると…
バチィ!と音を立てながら扉から放たれた閃光に弾き飛ばされ、そのまま壁に叩きつけられる。
「ガハッ!?不意打ちかよ…!!」
扉の方を見ると完全に扉が開き、中から強烈な光が漏れ出し、部屋中を包み込もうとしている、逃げられない。
(あー、これ完全に終わったな…)
そう思った直後、俺は光に呑まれ、意識を失った。
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ガバッ!
「ハッ!ここは…」
意識を取り戻した俺は、すぐに起き上がり状況を確認する。
辺りは森、そこまで鬱そうとしてるわけじゃないが。むやみやたらに進むと間違いなくやばい。持ち物を確認する。持ってるのは鉄の棒と、腰に差した刀。それからポッケにしまった眼鏡一つ。食料などは無い、どうしたものか…。と、その時
キャァアアアアアアアアアアアア!!と悲鳴が聞こえた。俺はすぐさま声の聞こえた方向に向かって移動する。現場に到着すると、オオカミ5匹に囲まれた褐色肌の小さな少女が肩を押さえ、うずくまっていた。それを確認した俺は、一気に飛躍して近くのオオカミを長棒で殴りつける。頭を狙った一撃は、不意打ちだったこともあり、狙い通り頭を砕く、バギャっと嫌な音を立てながらオオカミはそのまま倒れた。殴った時の嫌な感触に眉をひそめるが、すぐに意識を切り替えて戦闘を続ける、向かってきたオオカミに対し横殴りを浴びせ近くにいたオオカミにぶつけ、固まったところに上から思いっきり叩きつける。残りのオオカミは俺があっという間に3匹も倒したからか、萎縮して逃げ出してしまった。
「ふぅ、大丈夫か?君」
俺は肩を押さえていた少女に話しかける。
「は、はい。危ない所をありがとうございます。」
「いや、気にするな。自己紹介がまだだったな。俺は片桐優璃、君は?」
「あ、申し遅れました!私、アーシェと言います、小鬼族のアーシェです!」
この邂逅から、俺の異世界での物語が始まったのだった。
このまま異世界編に行きそうですが、そうならず一気に異世界編終了まで飛びます。




