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ブラック転生~神からもらった杖の性能が最強でした~  作者: 弓藤千人
第1章 ギルド入会編

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第2話 冒険者ギルドに入会

 目を開くと知らない景色が広がっていた。

 結局あの爺さん、何にもこの世界の説明してくんなかったな。

 最低限どこに転生されて最初は何をしろとかアドバイスしてくれたっていいじゃないか。

 まぁ、そんなこと言ったって何も始まらない。

 やるべきことを考えよう。


 まず最優先事項は2つ。1つ目、杖の使い道を見つけること。2つ目、生活基盤を整えること。

 なんせ、こんな得体の知れない杖しか持たずに魔界に来てしまった。

 このままでは、今日を生きることすらできないだろう。

 見渡す限り、木々が色めく自然ばかりだが、遠くに城壁に囲まれた街が見える。あそこに行こうかな。


 と思ったところだが。

 その前に杖の使い道を探ることにしよう。

 もしこいつにとんでもない魔力が秘められていて、市街地で暴発した場合、俺はこの世界で追われながら生きていくことになるだろう。


 まあ、杖を観察してみた感じ、どこからどう見ても魔法の杖と言ったところだ。

 魔力のない俺でも魔法を使える万能な杖だろうか。試してみよう。

 てか、魔法ってどうやって使うの?

 この世界で俺を導く者などはいない。トライアンドエラーの精神でなんでも試してみるしかないだろう。

 一応、神と名乗る爺さんから渡されたものだ。それなりに使い物になるだろう。


 「いでよ...魔法」


 小声で呟きながら、杖を一振り。

 何も起こらない。

 恥じらいのせいかな?もっと大きな声で言ってみよ。


 「いでよ!魔法よ!」


——— シーーン


 はっず。

 あかんはこの杖。最悪売って金にしよう。


 「おじさん、なにやってんの?」


 そこにいたのは年が俺より二回りくらい違いそうなマセガキだった。


 「なにって、、、まぁまだ君にはわからないさ!」

 「ごまかせてないよ...」


 少年にいたいおじさん認定を受けたところだが、ここで会ったのも何かの運命かもしれない。

 まずは、情けないが少年を頼ってみよう。


 「おじさんね。今困ってるんだ」


 家族がいないこと。

 衣食住なにも持ち合わせていないこと。

 何より無職ということ。

 こんなこと少年に言ってもしょうがないだろう。

 完全に不審者だ。


 「そーなんだ...」

 「信じてくれるのかい?」

 「おじさん、記憶喪失かもよ」

 「......!?」


 少年の純粋な(まなこ)には不審者ではなく、可哀想な記憶喪失者に映ったらしい。

 

 「記憶は無くなってないと思うけどな〜」

 「だっておかしいよ。おじさんなのに、家族も家も仕事もないなんて!」


 痛いとこついてくるなぁ。

 

 「少年さ、なんか仕事ない?」

 「それ僕に聞くかな?普通」

 「そうだよなぁ...」

 「心当たりならあるよ!」

 「まじか!」


 俺は少年の一言に希望を抱き、先ほど目指すと決めた街へと誘われた。

 街の名前は【ベネフィカ】という。

 城門をくぐると石畳の通りに沿って民家や商店が立ち並び、大勢の人で賑わっていた。

 街並みは前世で見てき街々と比べてもトップレベルで美しく、思い描いていた異世界そのものだった。

 

 また、そこに住む人々にも特徴がある。耳だ。

 少年は俺と同じ丸い耳をしているが、中には耳の尖った人種もいるようだ。

 元を辿れば全く違う種族だったのかな?

 とはいえ、見た目が違えど争う事なく共生していることに感銘を受けた。治安は安定してそうだな。


 「ところで少年。どこへ行くんだ?」

 「冒険者ギルドって知ってる?」

 「聞いたことはあるけど、何かは知らないなぁ......」

 「おじさんほんとに何もかも忘れちゃったんだね」


 少年によると、冒険者ギルドとは、冒険者たちが登録している組織のことだ。

 魔法や剣術を駆使して魔獣を討伐したり、素材を採取したりして、依頼人から依頼をもらい、任務を遂行することで対価を得る……異世界にありがちな職業だな。


 「着いたよ!この街の冒険者ギルド『ベネフィカ・デンジャラズ』!」

 「立派な建物だな〜......」


 ん?デンジャラズ?

 【ベネフィカ】は地名だからいいとして、【デンジャラズ】はまずくないかな?

 前世で得た知識をもとに考察すると、直訳すれば「危険」だ。

 このギルドの運営はどうなっているんだ?


 「少年もここの一員なのか?」

 「違うよ。ギルドには15歳以上じゃないと登録できないんだ」

 「そうなんだ...」

 「仕事についてはここの人に聞いてみてよ。じゃあね!」


 少年が役目を終えたかのように去っていく。

 この世界には連絡手段があるのかな?

 あるのであれば、ぜひ電話番号を聞いておきたかった。



———ガチャ、バタンッ




 中に入ってみるとそこは古風な酒場のような雰囲気だった。おしゃれで綺麗な空間とは言えないが、大勢の人たちで賑わっていて、雰囲気は嫌いじゃない。

 わかりやすく、受付と思われるカウンターがある。まずはそこで話を聞いてみることにするか。


 「あの〜、すみません」

 「はい!どうされましたか?」

 「ここで、仕事をもらえると聞いてきたんですが...」

 「はい!ここで間違いないです。受付担当の『ララ』と申します!よろしくお願いいたします」

 「タナカと申します。よろしくお願いします」


 受付には感じの良さそうな美人巨乳受付嬢のララさんが常駐しているようだ。ちなみに彼女は、猫耳で、おまけに尻尾まで生えている。初めて見る種族だ。かわいい。


 「では、まず初めに放浪者の方でお間違い無いですか?」

 「...え?」


 放浪者?なんだそれ。

 転生者って言ったらどんな反応をされるのだろう。

 ララさんを困らせたい気持ちもあるが、変質者扱いされては困るので、我慢しよう。

 ただ、この世界のことを知らないことはどう説明つけようか。

 すまない少年。あの仮説を使わせてもらうよ。


 「放浪者?......実は私、記憶を喪失してしまったみたいで、何も知らないんです」

 「あら!そうなんですねぇ。それは災難でしたね。でしたら説明いたしますね」


 ララさんは驚くほど受け入れが早かった。少年もそうだが、もしかしてここでは記憶喪失はよくあることなのかな?

 そんな不幸な俺に、ララさんがこの世界のことを教えてくれた。

 どうやらこの世界は明確に職業が決まっているらしい。商人、農民など『一般職』、俺が今から就職しようとしている冒険者は『特別職』に当たるようだ。。

 それらの固定職につかない人のことを放浪者と言うらしい。まぁ、無職って意味だな。あなたは無職ですか?って聞いてこないあたり、この世界は優しく作られている。

 

 「では、タナカさん。これからこの冒険者ギルドに登録するということでよろしいですか?」

 「これって所属したら、もうずっとこのギルドに?」

 「いえ、いつでも脱退可能です。ただし、脱退予定日の1ヶ月前までに申請が必要になります」

 「なるほど、承知しました」


 大した制約ではない。今の俺は、とにかく生活能力がないから仕事を選んではいられない。

 というわけで、冒険者ギルド『ベネフィカ・デンジャラズ』に入会することを決めました。


 

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