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ブラック転生~神からもらった杖の性能が最強でした~  作者: 弓藤千人
第1章 ギルド入会編

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第1話 魔界で勘弁して?

 「魔界で勘弁してくれんか」


 俺の名前は田中正志(たなかまさし)

 35歳、平凡なサラリーマン。

 散らかった書類まみれの一室で作業をする毎日だった。

 ......が、突然死を遂げてしまった。


 自己紹介や死因について長々と語りたいのは、山々だがそんな時間はない。

 何せ、今俺は究極の選択を迫られてるのだから。


 まず、状況を整理してみると、俺の前には名前も顔も知らない老人が立っている。

 立っているというか浮いてんだけど、まぁおそらく人間ではないわな。神ってところだろうな。

 神らしき爺さんに提示された選択肢は二つ。


 1.魔界に転生する

 2.魂を消滅させる


 普通なら迷わず1を選ぶところだが、条件が笑えないほど()()()()だった。


 条件その一。

 俺には魔力がほとんどないから魔法が使えないということ。

 これはちと厳しすぎやしないか。

 魔界なんて言うくらいだから魔力があってなんぼの世界じゃないの?

 絶対いじめられちゃうって。

 メンタルそんなに自信ないですって。


 そもそも、なんで魔界なのか。

 爺さん曰く、魂は輪廻転生して同じ世界をぐるぐる回るらしいのだが、今ちょうどこの世界の「空き」がないんだとか。

 ……賃貸物件じゃないんだからさ。こっちが勘弁してほしいんですけど。


「空きができるまで待つとかできないんですか?」

「無理じゃ!君がここに居られるのもあと3分くらいなのじゃ」


 なんだよそれ。俺はウルトラマンじゃないですよ?

 3分で決めろって無茶いうな。このじじい。



 条件その二。

 そもそも魔界の生命体ではない俺は、正規ルートで転生することができない。

 つまり、転生を選んだ場合、赤子として生まれ変わるのではなく、このままの姿で放り出されるらしい。

 転生というより転移だと思うが、一度死んでるから転生になるのか。

 そんなことはどうでもいいか。


「異世界に行ったら、どうなるんです?俺の面倒を見てくれる人は?」

「いないわそんなの。自分の力で生きていくんじゃ!」


 腹立つわ、この爺さん。

 日本育ちの俺が、急に海外に飛ばされても詰む自信がある。ましてや異世界、絶対またすぐ死ぬじゃん。


「いや、それあまりにも待遇悪くないですか...。なんで俺ばっかり」

「こればかりは、ワシに言われてもどうしよもないんじゃ」


 どうしようもないってなんだよそれ。

 多分神なんだろ?全知全能であれよ。


「ほれほれ、時間じゃ。選べ」

「はい。わかりました。じゃあ、俺の魂消滅させちゃってくださいな」

「......!?」


 あまりの条件の悪さに俺は自身の消滅を選んだ。

 だが、爺さんはどうやらそれではバツが悪いらしい。

 明らかに顔がひきつっている。


「なにか?」

「いや、本当にいいのか?存在自体がなくなっちゃうのだぞ?」

「だってあまりにも条件がブラックすぎるし、だったらもういいです」

「いや、もうちょっと考えてみたらどうじゃ?」


 やはり、なにかおかしい。

 魂の消滅は、消滅させた神にペナルティがあるのか?

 そう仮定すると面白い。

 この爺さんを少し揺さぶってみよう。


「神様ですよね?」

「いかにもじゃ」

「神様なら、少しは融通利きますよね? 魔力を使わない特殊能力をくれるとか……」

「う~ん。できんこともないが、それでは違反に...」


 俺の読みはあらかた間違っていなかったらしい。

 神とは言え、我々と同じでルールに縛られているようだ。


「何か、授けてくれるなら『転生』を選んでもいいかもな~」

「なんじゃ!神を脅す気か!」

「まぁ。無理ならいいんです。こっちのボタンでいいんでしたっけ?」

「待て!待つのじゃ!」


 俺の目の前には、『転生』『消滅』の二つのボタンがあった。




 ———ピーピーピー




 アラームのような警戒音が鳴り始めた。


「まずい!制限時間がきてしまう!」

「時間が来ると?」

「強制的に消滅じゃ!」


 神の姿とは思えんほどに慌てふためいている。

 心無しか顔もテカリ始めたか?


「なにもくれないならいいや!」

「わかった!やる!やるから転生を選ぶのじゃ!」

「それは能力次第だな」




 ———ピピピピピピ




 さらに大きくなる早くなる音。

 どうやら制限時間はもう残っていないようだ。


「わかった!わかった!」


 神はそういうと何やらポケットの中をガサゴソと漁り始めた。

 するとポケットから出てきた仰々しい杖をこちらに投げ渡してきた。


「ほれッ!」


 どこぞの猫型ロボットか。

 だが、もう突っ込んでいる暇はない。

 あと数秒経ったら俺自身消滅してしまいそうだ。

 この杖の説明を受けている暇はない。


「信じるぞ!爺さん!」


 俺は、その杖にすべてを託し『転生』を押した。

 ……これで一安心、かと思いきや。

 神の爺さんがものすごい形相でこちらに迫ってくる。


「間違えた!その杖はいかん!!!」


 その言葉を残し神の爺さんは消えた。

 いや、俺が消えたのだろう。

 おそらく次目覚めた時には俺は魔界とやらに転生済みだ。


 着いたらまず、何から始めようか......。


 


 




 

お読みいただきありがとうございます!

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