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第十二話

お待たせして申し訳ございません・・・

 クランに加入すると言ってから数日間、俺たちは湿地帯の攻略に励んでいた。

 俺とカザキとフェルル、Dizzyとオボロのコンビで手分けしてボスやそれにつながる何かを探している状態である。

 1日前、この不気味な湿地帯の終わり、つまり結界が張られていてこれから先には進めないというところまで来たのだが、肝心のボスが見つからず、途方に暮れている状態である。

 「私たち、何かを見逃しているような気がしますよね」

 「ここまで探索して何もないんだから、やっぱり見逃しているんだろうな」

 1日ごとに探索の結果をDizzy達と交換しているが、この湿地帯は探索し尽くしている気がする。

 そして、ミ=ゴやショゴスたちのポップ率も下がり始めているので、何か違和感がある。

 まぁ、あいつらは体も心も受け付けないほどに拒否しているので出てこなくなってホッとしているが。

 「今日もここまでくらいにしようか」

 「そうでうね・・・」

 気がつけば日が暮れてきている。

 Dizzyとメッセージを取り合い、今回も収穫が無いことを伝えると、あちらも何も無いようだった。

 


 その日の街は、いつもよりも慌ただしかった。

 前にも、プレイヤーとNPCが喧嘩をすると言うことがあったが、今回は完全に違った。

 鍛冶屋や雑貨屋などはいつもよりも早く店をたたみ、他NPCなどは急いで家の中に駆け込んでいる。

 まるで、何かを恐れるように・・・

 俺たちの知り合いのスキル屋のおじさんも例外では無く、店をたたんでいる途中だった。

 「おじさん、一体何があったんですか!?」

 「あったんじゃない!今からあるんだ!」

 「だから何が!」

 「今日、この街の占い師が言ったんじゃ。この街に蛇の化け物が襲ってくるとな!」

 何だと!?

 「これ、プレイヤーの方々に伝えた方が良いですよね?」

 「頼む!」

 カザキは掲示板に書き込まないタイプだったはずだがさすがに緊急事態だと思ったのか掲示板に書き込みを入れている。

 その間、俺はこの襲撃が本当なのかを考えていた。

 このゲームの街は誰からのダメージも受けることは無いはず・・・

 だが、NPCがこれだけ慌てているのは正直言って異常としか言い様が無い。

 すなわち、これがイベントの1つだとして街中でもダメージが入るような設定になるとしたら・・・

 急いでDizzyにメッセージを送ろうとするがちょうどあっちからメッセージが届いた。

 『ボス、発見したで』

 


 「カザキ、ポーション大丈夫だよな?」

 「もちろんですよ。今回はクレンさんの他にメンバーもいますから結晶も持ってきました」

 「準備万端だな」

 俺たちはそれぞれ連絡を入れ、Dizzy達と合流を図ろうとしていた。

 すっかり周りが暗くなった頃、俺たちは大きく垂れたツルや、人1人飲み込めそうな沼をなんとか回避しつつ湿地帯の奥へと進む。

 俺たちがイベントのフラグを立てたからか、ちょうどこれくらいの時間帯に設定されていたかはわからないが、湿地帯に今まで無かったようなエリアが追加されボスが出現したらしい。

 ただボスだけでは無く、見たことの無いようなモンスターも出現していた。

 「クソ、何だ!さっきからこの蛇たちは!」

 あまり強くはない。ただ単に現実にいるような蛇であったが、それでも数が異常なほど多かった。

 俺は走りながら鎌を振るう。刃に振れただけで蛇たちは一瞬でポリゴンになるのだが、数は一向に減らない。

 カザキは今は弓では無く、魔法で蛇を対処している。

 氷の領域魔法が使えるようになったので体長50センチほどの小柄な蛇たちなら、凍らせることが出来るのだろう。

 さらにフェルルもいるので、領域魔法で仕留めきれなかった個体もすぐに片付けられていった。

 俺も領域魔法を使いながら進もうと考えていたとき、あることに気がつく。

 蛇に向かって鎌を振るい、ポリゴンに変えることを何度もやっているが先ほどから違和感は存在した。

 数が多いこと、一撃で倒せること、現実の蛇と体格が似ていることなど様々な疑問が存在したが1番の疑問の正体はモンスターネームが存在しないことであった。

 そこまで考えたときある結論に達してしまう。

 もしかしたら、こいつのモンスターネームが無いのは現実から連れてこられたからではないのか、という結論である。

 考えてしまった俺は、行動が少し鈍ってしまった。

 「ぐっ・・・」

 蛇たちのかみつきを喰らい、やっと正気に戻る。

 今はそんなことを考えている暇は無い・・・!

 早くボスを倒して、先に進むことだけを考えろ・・・!

 先ほどまで考えていたことはどこかに忘れ、俺は氷結の領域魔法を展開し、一気に駆け抜けていた。



 やっとのことでボスがいると思われるエリアにたどり着いたのだが、そこにはDizzyやオボロの姿は無かった。

 もしや・・・と思い、恐る恐る耳を澄ませると戦闘しているような音がかすかに聞こえる。

 急いでメッセージを確認してみると、『オボロが我慢できひん。先に戦っとる』とDizzyから送られてきていた。

 「カザキ、この先でボスとあいつらが戦ってる。準備は良いな!」

 「はい!」

 俺がやや早口で尋ねると、気合いの入った声で返事が返ってきた。

 俺たちは駆け出し、音の方に向かう。

 進んでいくと、少し霧がかっている中にボスのシルエットが浮かび上がっていく。

 「アイススピア!」

 「アイススピア!」

 カザキと共に魔法を放ちつつ、前進しそこでやっとボスの全体像を見る。

 全体的に白くところどころに鱗があり、血を思わせるような紅い目には鋭い縦線が入っている。

 そして頭には特徴的な三日月の印がついていて、とぐろを巻いている。

 それは全長10メートルほどの巨大な蛇であった。

____________________


Igu's Sacred Snake ???#&&%’

____________________


 表記がバグっているのか・・・!?

 この湿地帯はおかしいことが多いと思っていたが、ボスまでおかしいとなるとこれは・・・

 考え込もうとしている俺に、白蛇は容赦なく尻尾で薙ぎ払いをしてくる。

 俺はその攻撃を避けたが、素早く追撃の薙ぎ払いを行ってきたので結果的に吹き飛ばされてしまった。

 寸前に鎌での相殺を狙ってみたものの、1撃目を飛んでの回避にしてしまったため空中で踏ん張りのきかない俺は相当なダメージを受けた。

 HPのゲージを見ると1発で黄色のゲージまで落ちている。

 なおも俺を狙って体を使った叩き付けを行ってきたが、そこはオボロとDizzyに防がれた。

 「俺たちが相手をしておく。回復しつつパターンを見ろ」

 オボロは俺にそう言うと大太刀を1太刀、1太刀丁寧に、相手の鱗の無いところへ入れていく。

 ヘイトがオボロの方に向く直前にDizzyが跳躍し、蛇の顔を盾で殴ることでヘイトを稼ぐ。

 二人のヘイト分担を見つつ俺は回復していた。

 カザキは二人の行動の邪魔にならないよう、そして自分がヘイトを稼がないように注意しつつ属性矢を放っている。

 フェルルもカザキと同じように光の球を生成し飛ばしている。

 見た感じ射程が長いような攻撃を白蛇が持っていないので1人と一匹は固定砲台というような感じであった。

 回復の終わった俺は、オボロと同じポジションにつき少し距離をとりながらも同じ側面から攻撃することにした。

 オボロより手数は少ないが、遠心力を使い鎌を思いっきり振ることで瞬間火力は俺が一番出ていた。

 この体制が決まってからは順調で、白蛇のゲージは半分の寸前まで来ていた。

 最初に戦ったボス、グランドウルフは最後のゲージの瀕死のときに行動を変えてきた。

 なら、こいつもいずれ変えるときがあるかも知れない。

 「ゲージの変わり目、特に半分切った後と、ラストゲージの時に気をつけろ!行動を変えてくるかも知れない!」

 俺がそう叫ぶと3秒後には白蛇のゲージは半分を切っていた。

 白蛇は1度動きを止め、再びとぐろをまき直す。

 俺たちは攻撃よりも、警戒をしていた。ゲージの変わり目でこの行動は嫌な予感しかしない。

 その予想は的中し、カザキとフェルルに向かって電撃を帯びたブレスが放たれる。

 俺たちは斜線の端にいたので横っ飛びでおのおの避け切れたがなかなかの広範囲であるためカザキたちは避けきれなかった。

 「うっ・・・」

 「ギャッ・・・」

 倒れたカザキのHpはレッドゾーンまで削られ、なかなか立ち上がろうとしない。

 同じく倒れたフェルルが主を守ろうと体を精一杯動かそうとしている。

 「何やってる!早く立ち上がれ!」

 そう言うと俺たちはカザキの方にヘイトが行かないように防御を捨て蛇に総攻撃を開始していた。

 だが、蛇は俺たちに目を向けず一直線にカザキにむかって突進を始める。

 俺は急いでカザキの方に視線をやるが、彼女とフェルルはまだ立ち上がれてはいない様子だった。

 いや、立ち上がることが出来なかったのだ。

 「麻痺・・・?」

 俺は急いで蛇を追いかけ、尻尾に向かい斬撃を繰り返すが全くと言って良いほど相手にされず、オボロ達も片膝で回復をしている。

 白蛇はカザキの目の前まで行くと大きな口を開き、舌をカザキに絡みつかせた。

 「グル・・・」

 フェルルも威嚇をしているが体は横たわっていて効果は全くと言って良いほど無い。

 嘘だろ・・・

 俺はカザキを守れないのか・・・

 こんなところで冒険は終わってしまうのか・・・

 嫌だ・・・絶対に嫌だ・・・ 

 「カザキィィィィィィ!!!!!」

 彼女が蛇の口に入る直前、蛇が突如として悲鳴を上げながら後退する。

 「全く良かったよ、間に合って」

 蛇が先ほどまでいたところには、銀髪の少女、カザキが倒れている他に紫髪の女性が立っていた。

 俺は、カザキが助かった安堵と、謎の懐かしさから乾いた声が出てしまった。

 「Faker・・・?」

 「おい。泣くなよ、男の子だろぉ~?」

 紫髪の彼女は艶のある髪の毛をたなびかせ、自分の両腕に装備している鉤爪を構えこう言った。

 「さぁ、反撃の時間だ!」

 

戦闘シーンが下手なのと会話シーンが少ないのどうにかしたいです・・・

精進します。

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