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誰かの命なら、  作者: 成瀬摘希
第一章:君との最後の1週間
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あと3日─

誰の…人生のカウントダウン……?


7月16日  


ポンッ


『明日、体調が良くなっていたら一緒に夏祭り行こう』


そう翼にメッセージを送る。


今日も翼は念の為と言って、学校を休んだ。


あの後、熱がもう一回上がってきたということはなかったらしい。


…一旦安心だ。


昨日、僕が家に帰ってからも翼からはたくさんの感謝のメールが届いた。


僕はただ会いたくて行っただけなのに…。


「…昨日翼のところ行ってきたでしょ?どうだった?」


部活中、そうだったと思い出すようにみおが聞いてくる。


「うん。私も聞こうと思ってた!翼くん大丈夫だった?」


続けて花凛も言う。


みんな心配しているようだ。


「大丈夫だよ。昨日熱高かったけど、引いていったし。今日も、ほぼ大丈夫と連絡が来たしね。」


「そっか、よかった…。」


と、みおが安心する。すると─


「私、早く翼くんと一緒に、部活やりたいよ〜。」


そんな花凛に、次の部活は少し先だもんね。と、みおが言う。


  「翼さんを助ける唯一の方法は─誰かが代わりに、命を捧げることです…。」


あの時のツクヨの言葉を思い出す。


そう、翼を助ける方法は、翼が死ぬ代わりに……僕が死なないといけない、というものだった……。


だけれど………僕の心はもう決まっている。


「……そうだね。」


あの日からこのカウントダウンは、僕のものになったんだ─。


***


 自分の部屋。


翼からはあの後、お祭り一緒に行こう!と返信があった。


明日は、翼と夏祭りか〜想像するだけでも楽しそうだ。


でも、万が一のため、体調がすっかり戻ってから…と、想像だけでニヤけてしまう僕に、落ち着きを入れる。


あ、でも、体調が戻っていなくても、翼の家くらいからなら、花火は見られるかな…?


どっちにしろ明日は楽しくなりそうだ。


そう思い、僕の部屋のクローゼットに掛かっている、浴衣を見る。


…多分、今僕はものすごく浮かれている。


……だけれど、同時に気も引き締めている。


「あと、3日か……」


自分の指を折り、数える。


と、その時、僕のスマホに連絡がきた。


翼からだ。


『すまん。昨日と今日の授業ノートを見せてくれないか?』


『分かった。ちょっと待っててね。』


そう返して自分のノートを送る。


字があまり綺麗ではないし、まとめ方がぐちゃぐちゃ。


そんなダメダメすぎるノートにくすっと笑ってしまう。


返信にありがとうと可愛らしい動物のスタンプが返ってきた。


それに、僕はまた笑ってしまった。


『このまま体調が悪化しなければ、明日の夏祭りは行けそうだ!』


と、スマホ越しでも伝わる、元気なメッセージが届いた。


それは、良かった!と、返信を入れ僕は安心する。


…明日はちゃんと翼と夏祭りを回れそうだ。


だけれど…実際のところ3日後の7月19日、僕は翼の代わりに死ぬ予定だ…。


もう一緒にいられないことは変わらないけれど、僕はいつでも眩しい彼に生きて欲しい。


…だから、僕が助ける。


ツクヨが言うに、翼の代わりに僕が死ぬ場合、翼の死亡時刻18:53よりも前に実行しないといけないらしい。


だから、今、僕が死んでもツクヨにお願いさえすれば、翼の代わりに死んだことになる。


だけれど、僕はわがままだから、最後の日まで翼と一緒にいたい。


…7月19日。


僕はその日の計画を立て始めた─。

改めて作品を見ていただきありがとうございます。最近少しずつですがPV数が増えてきていて嬉しい限りです…!!これを機にコメント等待ってます。次の投稿は約1週間後を予定しております。ありがとうございます!

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