あと6日_
幸せに生きるため、大事なことを思い出して……。
7月13日
ピピピピッ
「……ください!…てください…!」
…誰かが何か言ってる?昨日は…そうだ…あのまま寝てしまったんだ……。って、じゃあ今は、、!
「起きてください!!」
「……っ!」
ツクヨの大きな声で目が覚め、大きく飛び上がるように起きる。
「っ、今何時?!」
「7:50です!8:30から朝のHRでしょう?30分前からアラームも鳴っていて声をかけていたのですが全然起きなくて……。」
しまった…!普通に寝坊だ。
「ごめんツクヨ…!ありがとう!」
僕は急いで支度をし、家を出た。
「はぁ…はぁ……ま、間に合った……。」
「あ、嵐のような…朝ですね…。」
教室までついてくるのか…。まぁ、僕の部屋まで来たんだから教室はもちろんか。そもそもずっとって言ってたし…。そう思い、自分の席に腰を下ろし呼吸を整える。まぁ、早起きが苦手な僕には慣れたことだけど……。
「おはよう!!水輝!!」
「あぁ、翼…。おはよう。」
僕と翼は同じクラスだ。教室に着いたら彼が1番に挨拶してくれる。いつもの日課だ。…でも……なぜだか、今日は彼と…目が合わせれない……本人を前にすると急な心の焦りが出てきてしまったか…?
「今日も遅刻ギリギリだな……。まったく学習しないな…。」
飽きれるように僕を見る。なんだか、僕は少し悲しい気持ちになってしまう。だけれど…そんなことやっていても、彼は、あと6日で死んでしまう。昨日あのまま寝てしまったから、今日から予定を立てて大切な日々にしていかないといけない。そう、心の中で決意すると同時に、先生が入ってきて席につけよーっと呼びかけ始める。
「お、じゃあそろそろ行くな。」
そう言って翼は自分の席に向かいながら他の子たちにも挨拶をする。
「あと6日か_」
僕は、誰にも聞こえない声で、一人呟いた。
「はぁ……ダメだ……。」
時は、部活終わりまで来てしまう。いつも通りすぎる、、最後の日までに2人でやりたいこと、やっておきたいこと、人が死ぬまでにやらなければならないこと…。どれも考えたけど、焦っているのか頭が回らない。そうしているうちに部活終わりまで来てしまったというのだ。今日も何もしないで1日が終わってしまうのか……。死ぬことがわかっているのになんだかそれだけは嫌だ。
「おーい!水輝ー?難しい顔をしているが、また考え事か?」
そう言い僕の顔を覗くように見てくる。
「……っ!」
顔を上げたその時、今日初めて翼と目と目が合う。そして、彼は眩しく見えた…。あと少しで死んでしまうような人には見えない。……その時僕はあることを思い出した。
「あ………。そうだ……」
「ん?何か、解決できたのか……?」
それならよかったな!と言う彼に被せ僕は言った。
「ごめん。翼!ちょっとやらないといけないことができた…。…また明日!」
そう言って僕は部室を飛び出す。
「え…、?え?!」
部室に置き去りにした翼は多分びっくりした顔をしているだろう…。だけど僕は、今すぐにでも今後の予定を立てたかったのだ。
「はぁ…朝走って、帰りまで走るなんて……。」
「あはは…ごめんよ……」
隣で、ツクヨがプンプンと怒っている。だけれど僕はやらなきゃならないことがある。自室にあるノートを開き、昨日翼が送ってくれた、今年の夏行きたいところリストを初めて開く。なんで、この存在を思い出せなかったのか……本当に焦っていたんだと今改めて気づく。
「ええっと……まず一つ目、“夕暮れの海”?………近くの海の海開きは……7月14日!じゃあ海は明日に行こう。」
「今後の予定ですか……?」
そう言ってツクヨが僕のノートを覗いてくる。
「そう。翼今年の夏に行きたいところがあるって言ってたから。」
「そう…ですか…。」
ツクヨは少し悲しそうに返事をする。
「だから、後悔しないように今!予定を立てるんだ!」
これは僕の本当の想い。僕も翼も後悔したくない。そうやって作業の続きに取り掛かる。
「二つ目は…“大きな花火が見れるお祭り”……。なるほど…。」
確か、近所で毎年やっている夏祭りのことだよね。毎年綺麗な花火が見れると評判だ。
「今年は何日にやるんだ……って17日だ!じゃあこの日は夏祭りに行こう!」
ノートにどんどんと文字が埋まっていく。
「最後に……“星が綺麗に見える駅”……?」
これだけはどこのことか分からない…。……じゃあこれは明日翼に聞くか。
「…っふ…」
想像するだけで楽しくなりそうで自然と笑みが出てしまう。さっきまでの焦りはどうしたんだと自分でも思う。
「キモいですよ。」
ツクヨが引いた顔をして僕を見ていた。だけれど、忘れられないいい思い出になりそうな予感がする。…………だから僕は決意していた。
「ねぇ、ツクヨ。……会った時に言っていた翼を唯一救う方法って何?」
ツクヨがびっくりした顔で僕を見る。後戻りはできないと忠告されていたこと。だけれど、これを知っておかないと死を告知されていても僕は見るだけになってしまいそうだから。やれることはやりたかった。
「本当にいいんですね…?」
「うん。僕……翼を救いたいんだ…!」
そしたら、ツクヨは真剣な顔になり説明を始めた。
「分かりました…。では、話しましょう…。翼さんを助ける唯一の方法それは___誰かが代わりに、命を捧げることです…。」
「…え……?」
改めて作品を読んでくださりありがとうございます。連載という形で投稿していこうと思っています。ノベルアップ+の方に作品を通して投稿してあります。ぜひ、そちらもよければ目を通してもらえると嬉しいです。次の投稿は1週間後を予定しております。




