消えてしまった後_
なんとしても生きて……。
「水輝ー。入るよ…?」
部屋の扉がノックされ母さんの声が聞こえる。
「……うん。」
僕が返事をすると、ガチャっと扉の開く音がして、母さんが中に入ってきた。
「……翼くん、葬式終わったって……。」
「……うん。」
翼が死んで_今日で4日が経った。僕はまだショックが残っていて…翼が死んだあの日から学校に行けていない…。
「……水輝、大丈夫…?急に……びっくりしたよね…。」
「……うん。ごめんね……。こんなに学校休んじゃって………。」
「ううん。…そんなの大丈夫だから………。今は気持ちの整理も大切だから…ね?……。」
そんな母さんは優しく僕を抱きしめる。
「大丈夫…。水輝のせいじゃない…。誰も悪くないよ………。」
その言葉に僕は涙を流した。
「……なんで、まだ…いるの……?」
僕は隣にいる、ツクヨに尋ねる。最初に会った時、ツクヨは僕と行動するのは1週間だけと言った。しかも__
「…しかも、僕が死ねなかったから……僕が助けれなかったから翼が死んだ!ここ1週間の記憶も全部残ってる!!なんで……こんなことになるならいっそ全部忘れたかった……!!」
僕のせいで翼が死んで、翼が死んだ理由は僕を助けるため………その状況の整理がまだついていなかった……。
「私も、1週間経ったら予告していたように水輝さんの記憶を消し、いなくなる予定でした…。ですが、翼さんからのお願いがあったのです。水輝さんが元気になるまで、また前を向いて生きようと思うまで、一緒にいてあげてほしい…と最後に言ったそうです。」
「……っ翼…」
「なので、私はもうあなたが1人でもいいと思うまで隣にいるつもりです。」
僕がこんな状況だから、ツクヨはまだ僕から記憶を消さずにいるということか…。翼の最後のお願いを聞いたのは多分翼をターゲットにしていた死神だ。その子に会ったら、翼の最後が聞けるかもしれない……。
「ツクヨ……翼のところにいた死神にあわせてくれない…?…話がしたいんだ!」
ツクヨは少し驚いた顔をした後、僕に言った。
「彼は……今、学校にいます…。」
時間は12:30、僕は学校に来た。今はちょうどお昼休みに入ったところで、僕は遅刻扱いでの登校となった。久しぶりの制服に学校、クラスメイト。僕は自分のクラスのドアを開けた。
「………っ!月岡………大丈夫か…?」
クラスメイトの1人が大きな声でびっくりしたかのように言って、クラス全員の視線は僕の方へ…。
「……みんなこそ…大丈夫?」
そうして、クラスは僕が来たと言う話題でざわつき始める。僕の周りにもたくさん人が集まってきた。みんなが、心配してくれている…。
「…そういや………月岡………、綾瀬の机の引き出しから、お前宛の手紙が出てきたんだ……。月岡宛に書いてある手紙だったから、まだ先生もクラスのやつらも誰も開けてない…。月岡!読んでくれないだろうか……?」
そうクラスの子からお願いされる。翼から僕への手紙__。翼そんなものを…。
「……うん…。分かった……。」
そうして、引き出しから手紙を取り出し読んできてもいいかなとクラスの子達に言い、僕は屋上へと向かった…。
「君が……翼といた、死神………?」
「うん……。そうッス…。レオンっていうッス…。」
屋上の扉を開け、いたのは10代前半くらいに見える子供だった。その姿は少々チャラく、誰とでも接しやすそうな雰囲気を纏っている。すると_
「水輝くん、ごめんッス……!その…色々と…大丈夫ッスか……?」
そう優しく聞いてきてくれる。
「オレっちを責めたきゃせめてもいいッス…。翼くんをなんであの時止めなかったんだとか……、言いたいこと、聞きたいことたくさんあると思うッス……!オレっちなんでも……」
「僕の方こそ……!ごめん………翼を…救えなくて…、君には怒ってないよ…。ただ話がしたくってここにきたんだ……。」
レオンの話に大きな声で被せて、僕も謝った……。実際のところそうだ。僕が行動していたら翼は死ななくて大丈夫だったんだ。
「水輝くん…………!」
そう言って、レオンの目からは涙が溢れた…。
「オレっちは……死神だから、任務のたびに人が…死ぬッス。でも…!いつもは……任務が終わるたび、疲れたくらいしか思わなかった…ッスけど!……今回は!オレっちもたくさんの……楽しい思い出をもらったッス……!初めて……人間って、、こんなにも…幸せになれるんだな……と、知ったッス………!だから、!翼くん……死んで欲しくなかった……!!でも、もちろん、オレっちは…!水輝くんにも死んで欲しくなかったッス…………!!!」
「……レオン…」
レオンは涙をたくさん流し、僕に話してくれる。あの1週間、楽しかったのは…幸せだったのは僕だけじゃない……そんなことを思うと、翼も幸せな1週間を過ごせたのかな……?
「まずは………その手紙、読んでみて欲しいッス……。」
手で涙を拭いながら言ったレオンの言葉に頷き、バクバク鳴る心臓を落ち着かせて、手紙を開いた_
『水輝へ
水輝が今この手紙を読んでいると言うことは、俺はもう死んだということだろう。そして、お前は酷く悲しんでいるだろう…!だが、俺はとても幸せだった!お前と出会えて、仲間ができてたくさん遊びに行ったし、いろんな景色を共に見た。俺はとても嬉しかったし、楽しくもあった!!人生辛いこともあったけれど、自分の人生捨てたもんじゃないってここ1週間で気づいたんだ。だから、水輝!お前はそう悲しむな!!まだまだ、お前の未来は明るい!いろんな人と出会い、また忘れられない思い出が増える!!!笑顔で生きろ!!!俺の分まで生きてくれ!!!そしていつか、心から幸せだと…そう思える日が来ることを俺は願っている…!いつまでも、見守っているぞ……!! 綾瀬翼』
「……っ…、…翼っ……………!うっ…あ……」
気づいたら僕の涙が、手紙を濡らしてしまっている……。
「っ翼………、!…あ、……あぁあ………っ!」
僕は手紙を抱きしめ、立てなくなってくる…。
「っ…、うぁああああああっ…!!!」
僕は大きな声で涙を流した………。死なせたくなかった……!!僕の大切な人って、初めて会った時ツクヨが言ってくれたじゃないか…!!また、翼の明るくて眩しい笑顔が…見たい……!
「……僕は、これで…いいのかなぁ……まだっ…………生きててっ…いいのかな…」
思っていた…。翼が死んだところで、これからの僕の人生は楽しいのか……。僕が犠牲になることで、救えた命を死なせてしまったこと……僕はそんなんでも、生きていていいのか…!!涙が溢れて、そんな本音が出てしまっていた。
「………っ!…いいに決まっているじゃないですか…!!!」
ツクヨが大きな声を出し僕を見ている…。
「じゃあ、あなたが今ここで死んでっ……そんなことで…、翼さんは…喜ぶんですか…?!それでっ、……翼さんの願いは………叶ったんですか…?!翼さんは…………何のために…死んだんですか…!!」
「……っ!」
……っ、ダメじゃないか……本当に僕は、、いつまで経っても自分を責めるばかりで……
「……翼くんは、…最後に水輝くんの…話をしたッス……。何があっても生きろ…!!そう水輝くんに言ってたッス…!……だから、オレっちも…!水輝くんには……!生きてほしいッス……いやっ…生きないとダメッス………!!」
と、3人で涙を流す…そして僕は2人に言った。
「…っあの……!っお願いがある……!この翼と過ごしたっ、1週間の記憶……、っ消さないで…ほしい………!!僕のっ……大切な…!思い出だから……!!!」
涙を流しながらお願いする。2人は顔を見あって僕に言った。
「…………っいいですよ…。ですが……私達の…記憶はどうしても……消さないといけないので……」
「……水輝くんの中で…っみんなの思い出は……必ず残すッス……!!」
そう言って、2人は立ち上がる。
「もう…水輝くん、大丈夫そうッスね……!」
「…短い間ではありましたが………たくさんの思い出をありがとうございます…!水輝さん…!さようなら…!!!」
「っ!、!…僕も……!!ありがとう…!!本当にすごい体験で…忘れられない日々になったよ…!!!」
2人は優しく笑い、僕の前から消えた__。
「……っ!いた…!…………っ水輝!起きて……!!」
うぅ……誰かに揺らされている………?そう思い目を開ける_。
「あ……起きた…。大丈夫…?水輝?」
そう言って、僕の顔を覗いていたのはみおだった。
「あんたが学校に来たって聞いて…。大丈夫か探していたの……」
「あぁ……みお、起こしてくれてありがとうね。」
まさか、学校の屋上で寝てしまうとは……僕は体を起こす。
「はぁ……もう心配かけないでよね…っ…!…翼が死んでから、学校に来なくなってっ……本当に……!」
…え……、…今、なんて……………
「……っどういうこと!……?翼が…死んだって………?」
「……え、……は?」
改めて作品を読んで頂きありがとうございます。
日々増えるPV数、リアクション、コメントをニヤニヤしながら見ております笑!
ここで、言うのもあれですが、もっと伸びて欲しいです!!(欲)
次の更新予定は11日土曜日です。なんと次で最終話です……。悲しい…。
ありがとうございました!




