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№ 86 ケレス、紅蓮の炎を纏った悪魔に遭遇する

※本話は暴力的表現が濃い話となっております。

  苦手な方は御注意ください

ーー

 イェンユエと心が通じ合ったケレスはラニーニャがいるサダクビア城を目指そうとする。

 だが、p?から急に警報音が鳴り響き、アルデバランの怒号が飛ぶ。

 その理由を知ったケレスにp?に映る紅蓮の炎を纏った悪魔が舞い下りて……。

「何だよ、これ……」

 p?に映し出された街の映像を見たケレスは言葉を失い呆然となった。

 何故なら、その街は宝珠の国の軍服を着た者が制圧し、静寂になっていたからである。

「惚けないで!!

 あんた達どうやって剣の国に入り混んだか知んないけど、

最初からアタシ達の国を制圧する気だったんでしょ!!」

 p?越しからアルデバランの怒号が飛ぶ。

「違う!! 俺達は……」

 そして、焦ったケレスの前のp?の映像に映る空は茜色になり、

その空から紅蓮の炎の球体が舞い下りた。

 その紅蓮の炎は風に流され消える。

 すると、そこにある人物がいたがその人物をケレスはよく知っていた。

「えっ……? ヒロ殿下!?」

 そう、その人物はヒロだったのだ。

 だが、そのヒロの顔は恐ろしく、ラニーニャを殺そうとしていた時と同じ顔をしていたのである。

「殿下!? 何をする気だ!!」

 ケレスが叫ぶと冷酷な顔のヒロは拘束されているある二人の傍へと徐に歩みを進める。

「あれって……フェイトと未来ウェイライ!?」

 その二人を見てケレスはまた叫んだ。

 そう、p?の画面に今度はフェイトと未来ウェイライが映し出されたのだ。

 その二人は手足を拘束され身動きを封じられており、

泣きじゃくる未来ウェイライの隣にいるフェイトはあちらこちらに出血を伴う怪我が見えた。

 そんなフェイトは倒れていても笑っていたが、

そのフェイト達に近づいたヒロは冷酷な顔のまま、しゃがんで静かに話を始めた。

「さて……。あいつの居場所、吐いてもらおう」

「はあぁ? 知るか、ボケ!!」

 ヒロの溜息の後、ズドンッ!という音が続く。

「があぁ……」

 それは、ヒロが自身の銃でフェイトの右太ももを打ち抜いた音だった。

 その銃声が薄れた頃、フェイトの苦痛な声が静かに響いた。

「フェイトちゃあぁーーーーーんぅ!!」

 それから未来ウェイライの悲痛な声が響き渡る。

 だが、それでもヒロは眉一つ動かす事なく話を続けた。

「さて……どれだけもつか……」

「……知らねえぇよ……。ペッ!」

 フェイトは笑いながらヒロに唾を飛ばした。

 その唾はヒロの右足に付いたがヒロは無表情でフェイトの頭を自身の銃で殴打した。

 すると、地面に叩き付けられたフェイトの額からドロッと赤い血が流れ、頬を伝わり落ちる。

「フェイトちゃん フェイトちゃん!!

 お願いだから宝珠の皇子様、もうやめて!!」

 その血が地面に滴り落ちると未来ウェイライは狂乱した様に泣き叫んだ。

「……知らねぇってんだろ?

 例え知ってたとしても、てめぇみてえなカスに姉さんの居場所、教える訳ねえだろうがよ?」

 その未来ウェイライの横でフェイトは笑みを浮かべる。

「お願い!! 私達、本当に、お姉さんの居場所、知らない!!」

 だが、未来ウェイライが必死に訴えても、ヒロは冷酷な顔を崩さなかった。

「……おい、聞いてるんだろ?」

 そんなヒロは一つ息を吐いて、p?に目を転がした。

「……こいつ等がどうなってもいいのか?」

 それからヒロは不敵に笑ったのだ。

「殿下……まさか、姉ちゃんを誘き出そうと考えてる!?」

 ケレスの血の気が一気に引いていく。

 そう、このヒロのメッセージはラニーニャへ宛てたものだったのである。

「あと、三時間待ってやる。

 それまでに出て来なければ……こいつ等含め、テグミンの奴等、全員順に殺していく!!」

 さらにヒロは血の気が引く言葉を平然と並べた。

「殿下!? 気でも触れたんですか!!」

「……よく、言うね……。あんた達も同じ事を考えてた癖に!!」

 そのヒロにケレスが怒鳴ると怒りにふるえるアルデバランの声が、p?から聞こえる。

「違う!! 俺達はこんな事は知らなかったんだ!!」

「違わない!!あんた達はみんな同じよ!! 最低!!」

 ケレスは必死に訴えたがアルデバランの怒鳴り声が聞こえ、p?の映像は消えた。

「待てアルデバラン!!」

「無駄だ。あいつは人の話を聞かない」

 それから叫んだケレスの耳に静かなイェンユエの声が聞こえた。

「そんな事、言ってる場合じゃないでしょ!!」

 ケレスは眉を顰める。

「だが、宝珠の国の殿下は何を考えているのだ?」

 そんなケレスに全く怯まないイェンユエは首を傾げた。

「多分、ヨルムンガンドに操られてるんだ!! じゃないと、あんな酷い事が出来る訳がない!!」

「その可能性は十分にあるな。

 大いなる災いは一四年前も人の不安を煽り、人が争いを起こしたり、

不安を高める事でその力を増していった。

 そうする事でヘルヘイムを壊滅状態へと導いたんだ」

 そして、ケレスと話していく内にイェンユエの顔は険しいものとなる。

「そう言えば、蛇の夢でも悪夢を見せてその苦しみを喰うって言ってた!」

「何とか、その力を消せれば良いのだが……」

 高杉の話を思い出したケレスの前でイェンユエは一つ息を吐いた。

「出来るよ! 姉ちゃんの力なら!!」

 ケレスは大きく頷く。

「行くぞ、サダクビア城へ!」

 すると、イェンユエも大きく頷いた。

「で、でも、どうやって?」

 そこでケレスに疑問が浮かぶ。

 だが、イェンユエは無言でドアを開けたまま走り去ってしまい、

「待ってください!」

と、言ったケレスは慌ててイェンユエの後を追いかけた。

 ケレスがイェンユエの後を追いかけると誰もいない廊下があり、いくつかのp?が浮遊していた。

 そのp?達は一斉に、ビイイィィーーー!と警報音を鳴らす。

 すると、ケレス達は数台のp?に取り囲まれてしまった。

「うわわわ!? 何か、ヤバい!!」

 そのp?達にケレスは慌てたが、

何処からともなく沸き上がった漆黒の炎がp?達をあっという間に全て焼き焦がしたのだ。

「へっ!? 全部、壊れちゃった……?」

 何が起きたのかがわかっていないケレスはその場で止まり、何度も瞬きする。

「早く行くぞ」

 だが、イェンユエはまた走り出した。

イェンユエさんって……」

 そして、そう呟いたケレスの左口角がピクリと動いたがイェンユエを追いかけた。

 それからイェンユエを追い掛けて廊下を抜けるとそこに小型飛行機があり、

そこでイェンユエが止まったのでケレスは追い着いた。

「……まさかと思いますけど、これ、イェンユエさんのですか?」

 その小型飛行機を見たケレスはチラッとイェンユエを見る。

「そうだ」

 そのケレスを見らずにイェンユエは平然と答えた。

「やっぱ、金持ち……」

「早く乗れ!」

 そして、ぽつりと呟いたケレスを無視したイェンユエは小型飛行機に乗り込んだので、

ケレスも小型飛行機に乗り込んだ。

 すると、その後すぐに小型飛行機のドアは閉まり、動き出したのである。

「うわあ!? いきなり飛んだ!?」

 そう叫んだケレスはバランスを崩したが、飛行機は既に浮かんでいたのだ。

「な、何て乱暴な!?」

 ケレスの左口角はピクピク動いた。

「座れ。あと一時間もせずにサダクビア城に着く」

 だが、やはり動じていないイェンユエに教えられ、それに従いケレスは座る事にした。

 そのイェンユエの小型飛行機は六人程が乗れる広さで座席の後ろ側は荷物置きとなっている様だった。

 そんな小型飛行機の一番前の横に二席並んだ席にイェンユエは座り、

ケレスはイェンユエが座っている席のすぐ後ろに座った。

 それから少し落ち着いたケレスは、ふとある事を思い出し、座席越しにイェンユエと話す事にした。

「あの、イェンユエさん……。ちょっと、聞いてもいいですか?」

「ああ」

「俺の他に、捕まってた人っていましたか?」

「アルト殿と眼鏡をかけた男性、それに、朱雀の霊獣が一頭だ」

「そうでしたか……」

「彼等は俺が責任を持って解放させる」

「お願いします」

 その会話でイェンユエが振り返る事はなかったが、

アルト達の無事がわかったケレスは胸を撫で下ろした。

 そんなケレスは、ふと窓の外を眺める。

 すると、窓の外は晴れており、雲一つない天気で地上の様子が良くわかった。

(これが、今の剣の国なんだ……。こんなに綺麗な世界……)

 だが、その景色を見たケレスは言葉を失った。

 何故なら、ケレスの下に広がる剣の国は何処までも広がる美しい白銀の世界で、

その地の上で太陽の光が楽しそうに舞い踊り、生き生きとしていたからである。

 そう、剣の国とケレスが見てきた国々との違いにケレスは愕然となったのだ。

(何で剣の国はヨルムンガンドの力を受けてないんだ?)

 ケレスの答が出ないまま白い霧が辺りに漂り、先程の景色は全く見えなくなった。

「凄い霧だ……」

「もう、ここはヘルヘイムだからな」

 驚いたケレスの耳にイェンユエの静かな声が聞こえる。

 そのヘルヘイムは一段と白い霧が濃く、周りがほとんど見えなかった。

 そして、その霧に不安になったケレスはまた座席越しにイェンユエと話す事にした。

「あのぉ、イェンユエさん……。こんな所で、無事に下りれるんですか?」

「大丈夫だ。p?の奴が自動で感知して着陸する」

「はぁ……。この国は何でも、p?が出来るんだな」

 その会話で少しだけケレスの不安は晴れた。

「そろそろ着陸する。座っててくれ」

 それからイェンユエがそう言うと小型飛行機は無事に着陸し、ケレス達はヘルヘイムに到着した。

 ケレス達がヘルヘイムに降り立つとそこは空の上から見た時よりも白い霧が濃く、

周りが全く見えなかった。

「サダクビア城は、どっちですか?」

「こっちだ」

 そんな霧の中でケレスの問いにイェンユエが答えた声が聞こえ、走り出した音も聞こえたので、

ケレスはその音に続いた。

(凄い毛嵐!? まるで俺達をサダクビア城に近づけない様にしているみたいだ……)

 ケレスはイェンユエを見失わない様に走り続けた。

 だが、ヴィー ヴィー ヴィー!と大音量で警報音が鳴り響き、ケレスの足は止まる。

「こ、これって、p?か!?」

 そして、耳を押さえているケレスの前に人影が近づいて来るのがわかった。

「やっぱり来たんだ……。懲りない人だね」

 すると、聞き覚えのある声の持ち主が姿を現す。

 ケ、ケレス君!? 記念すべき100回目の話で大変な事になっちゃったね!

 まあ、本編が100話ではないんだけど……。

 どうしよう?

 どうにかヒロの暴走を停めなきゃ!!

 その為にもいざ、サダクビア城へ向かうんだ!

 あっ……でも、そこにはあの人とかがいて……!? 

 とりあえずだね、次の話では結構アクションっぽくなってるんだ♪

 どんな風なアクションかと言うと、それは次話、

【ケレス、白き霧の中で漆黒の龍の静かなる戦いを目撃する】をご覧あれ!

 ……イェンユエさん、格好いいな♡

ー・☆・ー

 ここからちょいとお知らせ!

 えぇ……何とか100話を投稿するに至りました!

 これも全てお付き合いしてくださっている方々のおかげです。感謝♡

 これからも『嘘と秘密だらけの世界のかたすみで』をどうぞよろしくお願いいたします!

 あと、『番外編 龍宮 アルトの憂鬱』もよろしくお願いいたします。

 こちらは本編で投稿した話を改稿した話が暫く続きます。

 でも、所々秘密を入れたり暴露したりしています♪

 まだまだ先になりますが全くの別視点からの話も続々入れていくつもりでございます!

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