69話 母と合流
「只今戻りました」
「ハルミチさん!おかえりなさい!……グリーゼ? なぜハルミチさんと一緒にいるの?」
「お母様、お久しぶりです。御神木の調査に出ておりましたところ、魔神に遭遇したんです・・はるみちさんとは?」
ルシェナが慌てて俺の本名を口にしたが、強引にスルーした。
「ま、魔神の声、こちらにも聞こえていたわ。よく倒せたわね」
「今回は本当にやばかったです。紙一重でした」
「遠目に拝見しておりましたが、すさまじい戦いでした。」
「グリーゼ。彼は私の護衛よ。ここでは“ピーター”と呼んでね」
「承知しました。……お母様はもうこちらに着いていらしてたんですね」
「ええ。彼のおかげで速くついていたのよ」
グリーゼの視線が俺に向く。
「ピーターさんは、他にも何か特別なお力を?」
「い、いえ……魔法ですよ」
「とにかく座って休んで頂戴。カティア、お茶を」
「かしこまりました」
正直、俺は少し凹んでいた。
神から授かった力はある。生命以外ならなんでも発生させられるとてつもない力だ。
だが今回の戦いで、あまり使いこなせていないことを思い知らされた。
他の誰かなら、もっと楽に終わらせられたのではないか――窮地に想像力を発揮するということって難しい。
俺たちは、ルシェナに御神木の調査から魔神討伐までの経緯を説明した。
「魔神を召喚した人間が、この地にいる……魔神はそういってたわね」
ルシェナが呟く。
「ベルデ村の御神木もそうでしたが、魔神は“今この時”の出現を望んでいないようでした」
「……ベルデ村の大樹を復活させたのも、やはりピーターさんなのですね」
あ、ベルデ村の話をしてしまった。しかし、もう隠す意味もない。
「と、とにかく、召喚者を探す手立てを考えましょう」
「そうね。もう隠れている場合ではないわね。明
明日レオナルトに会いに行きましょう」
「私も同行します」
「とにかく今日はゆっくり休んで頂戴。お食事にしましょう。グリーゼ、あなたも食べていきなさい」
「はい」
ルシェナの長男、城塞防衛騎士団長『レオナルト』
明日、彼に会いに行く。




