60話 ピーター・ファン・デン・ホーヘン
「ど、どなたですか?」
「初めまして。私はピーター・ファン・デン・ホーヘンと申します。美しき人よ」
レネイの前にひざまずいて挨拶してみた。
「わわ私はレレレレネイ。ソシエと申します。い、以後お見知りおきを!!」
レネイは顔が真っ赤になっている。ふふふ!成功転生!
「ぬっ!ハルミチ!顔変えたの?」
「あっ!もう黙ってて下さいよー。何でわかったんですか?」
「フフ。においでわかるよ」
「いぬですか!」
「わんわん!」
カナハがなぜか俺の変装を見破った。
あそうか!俺の心読めるんだったな。
「ハッ!ハッ!ハルミチ氏なんですか?どうしたんですかその顔!」
「変装してヒューズ王国に行くことになったんだ。海賊退治でルシェナ様がヤバいことになるかもしれないからついていくんだ。この姿がハルミチだってのは黙ってろよ」
俺はヒューズ王国まで変装して出向くことになった。
ルシェナが勇者ハルミチとヒューズ王国に来るとなれば、
王への謁見、魔王討伐クエストの受注、さらわれたルシェナの救出など、
もうめんどくさい妄想がはかどって仕方がないので、それなら予防防衛だ。
先んじてルシェナの護衛として同行する事になった。
まぁ変装したからなんだという話だが、用心するに越したことはない。
せっかくなので若くしてイケメンにした。
しかしイケメンにまったく興味ないので、果たしてこれがイケメンかどうかわからんが。
ルシェナから支給された護衛用の制服を着た。
「じゃぁ、行ってきます!師匠、冬の海はさむいですからあまり遠くまで釣りに行かないでくださいね!レネイは引き続き生産のほう頼むよ」
「うい!」
「ハッハイ!」
セレニア城に着いた。ルシェナがちょうど出立の準備をしていた。
「ルシェナ様、遅くなりました」
「?どちらさま?」
「あ!そうか!ハルミチです」
「まぁまぁまぁ!素敵な御人に変身なさったのね!息子みたいだけれども」
「この姿の時はピーター・ファン・デン・ホーヘンでお願いします」
「いいお名前ね」
先日ルシェナには、俺が魔法で変装して護衛としてついていくと話していたが、
まさか若作りしてくるとは思わなかったようだ。
「では出発しましょうか」
俺たちは馬車に乗り込み、ヒューズ王国を目指し旅立った。




