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52話 やっとベルデ村

翌々日、俺たちは今度こそベルデ村の帰路に就く。

街を出るときには、ルシェナや警備隊、街の人々まで、大勢が見送りに来てくれていた。


「もっとあの街にいたかったなぁ」

「ごめんな。ずっと引っ張りまわしちゃって」

「ううん、ドレスももらったし!昔をちょっと思い出して懐かしくなった」


アルマのドレス姿が忘れられなくて、ルシェナにねだったらもらえた。


「海の見える家ももらったし、アルマもあの街に来た時は遠慮なく使ってくれ」


ルシェナに、研究の為の拠点が欲しいと相談したら、

「私の別荘あげる」と言われて、早速お言葉に甘えてしまった。


もらった黒いカードで不動産屋に行けば買えるのだろうが、

後でルシェナに請求がいくと思うとちょっと使いにくい。

結果的に、いい物件をもらえたので、相談して正解だった。


「いい場所だったね。レネイちゃんに住んでもらってるから安心だね」

「あいつ、家の掃除とかしなさそうじゃね?お掃除ゴーレムも役に立ってなかったし」

「うーん……うんw。でも家って人が住んでないとすぐ傷むんだよ。誰もいないよりはいいと思うよ」

「はは、アルマもわりとひどいな」


――――――


「ヘッブシ!ヘェェエッブシ!ヘェァアッブシ!」

絶対ハルミチ氏が私の悪口言ってる。


「お前、俺の家に住め」


現在、私は彼がヒューズナセルで研究室として与えられた家に住まわせてもらっている。

日銭で生きていた私にとっては、またとない機会だった。

目の前は海。眺めは最高だ。研究も執筆も、はかどる。


ハルミチ氏からは、巡視船に搭載するギミックの開発を依頼された。

前回の動力の改良、舵、砲弾、砲弾の装填にまでゴーレムを入れ込みたいというオーダーだ。


これが領主に認められれば、定期的な整備や砲弾の受注で安定した収入が見込める。

騙されていたらどうしようかという一抹の不安もあるが、もう後戻りできない。


私の魔法が戦いの技術に使われてしまうが、

私自身が直接戦いに巻き込まれなければ、あまり問題にならないし、

そもそも港の防衛として役に立てるなら大歓迎だ。


――――――


「マグヌス、ただいま!!」

「かぁちゃん!おかえり!ハルミチもおかえり!」


マグヌスが駆け寄ってきた。


「ただいま。カナハの面倒見てくれてありがとな」

「ううん。カナハはなかなかの働き者やったばい!」


「どうせ食べてばっかりだっただろ?」

「失礼だねキミ。おかえり!」


カナハが牛に乗って現れた。


「ただいま……師匠……太りましたね」

「え……まじで?」


その夜、村長の家にてバーベキューパーティーになった。


海賊退治記念と、

アルマがヒューズナセルの領主と友達になった記念と、

誰でもお土産をもらえる記念。


「おいハルミチ!ここ座れ!」

「あ、はい」


カナハは、お土産のお酒アソートで早々に出来上がっている。


「ヒュージナセックスだいいじょ楽しかごたったばいね」

「ヒューズナセルです!そうでもないですよ。海賊と戦かったり海賊と戦かったり」


「ふぅ〜ん?アルマとたいぃぃいぎゃ仲良おなっとうごたあばってんが」

「そうですね。アルマには色々助けてもらいました。だいぶ仲良くなりましたよ」


「フフ・・子作りしたつか?」

「してませんよ。なにいってんすか。はい!かんぱーい!」

「ういーかんぱーい!」


ここのおっさんたちから、いらんことばっかり吹き込まれたのだろう。


「カナハ様にはよう働いてもらいましたバイ!すぐサボりなすばってん」

「カナハすごかとよ!料理バリ上手になったけんね。すぐつまみ食いするばってん」

「カナハ様すごかとですよ。うちの犬より牛を集めるの上手かとですよ!」

「わんわん!・・ボクにまかせろ!かんぱーい!」

「かんぱーい!」


そのまま男衆とカナハの飲み比べ大会が始まった。

神様が吐くまで『飲酒欲』をむさぼっている。


「ヒューズナセル、楽しかったね!」


入れ替わるように、アルマが隣に座った。


「ああ、今回アルマがいてくれたおかげでいろいろ助かったよ」

「……またすぐヒューズナセル行くの?」


「うん。一旦家に戻って、すぐ行くつもりだ」

「そっか。ここにもちゃんと戻ってきてね」


「アルマも顔出しに来いよ。ルシェナ様とも友達になったんだし」

「うん!行くからね!ちゃんと歓迎してよ!」

「もちろん。いつでも大歓迎だ」


その日はベルデ村に泊まり、

翌日、農業インターンを終えたカナハと一緒に家へ戻ることにした。


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