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生きている
「それにしてもさーもう桜散っちゃったな。もうこの世で見れることがないのか。悲しい」
「君がネガティブな事を言うなんて珍しいね。でも大丈だよ。きっとあの世でたくさん見れる」
「あははっ、君のほうこそ珍しいこと言うじゃん。あの世なんてあるかも分からないって今までの君なら言いそうなのに」
確かにそうだ。前まではあんなに理屈的で合理性を求めていたにもかかわらず、今となってはそんなものを無視して素直に自分の思っていることを喋っている気がする。いつからこんなに変わったのだろうか。なんとも言えない複雑な気持ちになる。
「山崎」
「到着―!ここだよー私の家。ちょっとだけお茶していかない?」
「いや、悪いよ。時間も時間だし、家族にも迷惑がかかるでしょ」
「大丈夫だって、今日は親が帰ってくるのが遅いの。だからちょっとだけ、ね?」
「それのどこが大丈夫なんだよ」
「一生のお願いだから」
「一生......」
一生、一生か。
「分かったよ」
「やった。どうぞどうぞ」
玄関で靴を脱ぐ彼女を見ながら思った。
君は今、本音で話せているのだろうか。取り繕ってはいないだろうか。
「もー早くー」
「分かった、ごめんごめん」
生きているな......。
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