表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
12/12

アイス

「ねぇねぇ、コンビニ寄らない?」

「え?なんで?」

「アイス食べたい」

「まあいいよ」

「やった」

嬉しそうな表情でコンビニへ入って行く。

僕も後から着いていって、彼女を探す。するとアイスコーナーの前で難しい顔をしている彼女を見つけた。

「どうしたの?」

理由は分かっていながらもそう聞く。

「いやー何にしようかなってすごい難しい。多分私が食べられるアイスなんて数えられる程しかないからね。ここで失敗したら十一ヶ月後悔するよ」

「なるほどね」

「そんな君は何にするのか決めたの?」

「なんで僕も買う前提なの?」

「結局買うでしょ?」

「まあそうだけど」

いつものやつを探す。

「これかな」

僕はあずき味のアイスを手に取る。

「あはは。君も冗談を言うんだね」

「冗談?これは大真面目だよ」

「えーそうなの?あずきが好きなんてちょっと意外。なんであずきが好きなの?」

「......。これで野菜を食べたことになるから」

「あははは。それこそ冗談でしょ」

「別になんでもいいでしょ。それよりも君はどうするの?」

「んーそうだなー。もうちょっと悩みたいから先に会計しといてくれない?」

「分かった」

僕は先に会計を済ませて外で待つ。

肌寒い風が体を包むのを感じる。

どれぐらいかかるかな、などと考えていたら彼女は思いの外早く出てきた。

「お待たせしました」

「別に」

僕らは再び彼女の家へ向かう。

「ここで問題です。私は何味のアイスを買ったでしょう?」

「わからない」

「私は優しいからね。ヒントをあげるよ」

「その心は?」

「それは君と同じ味」

「......。ヒントになってないじゃん」

「あはは、良かったちゃんとつっこんでくれて」

「なんであずきなんかにしたの?もっと美味しい味あったでしょ」

「私はこれがよかったの!」

何を考えているんだ。

「君が好きな味ってどんなのかなって。ほら食べよ。溶けちゃうよ」

そう言うと彼女は目をキラキラさせながら袋を開ける。

「んー、美味しい!」

僕も一口かじる。


思わず目を瞑ってしまう。


君の声が響く帰り道はやけに心に沁みた。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ