2.夜間の決闘、あるいは「バイエルンの伝統行事」
結局、あの「電気ウナギくん」たちに逃げられてからというもの、
ハインリヒ・フォン・シュタイン博士は一人も人間に遭遇していなかった。
「ふむ。バイエルンの過疎化は深刻だな。人口密度が計算上の100分の1以下だ。」
博士はひび割れたメガネをクイッと押し上げ、真っ白な白衣を夜風になびかせた。月明かりに照らされた彼は、暗闇の中でぼんやりと白く浮かび上がり、それ自体が歩く幽霊のような不気味さを放っている。
しばらく街道をあてもなく歩くと、前方の空地で激しい火花と、色鮮やかな光の粒子が舞っているのが見えた。
「おや。あんな深夜に花火か? ……いや、あれは」
博士の視線の先では、武装した一団と、一人の怪しげな女が激突していた。
一団を率いるのは、白銀の鎧に身を包んだ凛々しい女聖騎士、クラリス。彼女は聖騎士団の長として、城塞基地へと運ぶ軍需物資の馬車を護衛していた。
対するは、空中を舞いながら虹色に輝く鱗粉を撒き散らす魔女、ベリンダ。
「おーっほっほ! この『夢幻の鱗粉』を吸って、永遠の眠りにつきなさいな、お堅い騎士様!」
ベリンダが杖を振るたび、蝶の羽のような鱗粉がキラキラと降り注ぎ、それを浴びた騎士たちが次々と膝をついていく。クラリスは剣を構え、聖なる加護で眠りを防ぎながら叫んだ。
「ひるむな! この物資は城塞を守る要だ! 邪悪な魔女に渡すわけにはいかん!」
そんな命がけの死闘を、博士は少し離れた場所から冷静に観察し、一つ頷いた。
「なるほど……。あの光り輝く粉末。あれは蛍のルシフェリン的な発光物質を含んだ、神経を一時的に麻痺させる特殊な催涙ガスか? 随分と手の込んだ演出だ」
博士の脳内では、目の前の凄惨な戦場がすべて「科学的な演出」に変換されていった。
「白銀の鎧に、派手な粉をまく魔女役……。ふむ、これは間違いない。この地域に古くから伝わる、悪霊退散の伝統的な再現行事だな。深夜にこれほどの大掛かりな舞台を用意するとは、ドイツの文化保存会も捨てたものではないな」
博士は、まるで近所の祭りに飛び入り参加するような軽い足取りで、抜き身の剣と猛毒の鱗粉が飛び交う戦場のど真ん中へとズンズン歩み寄っていった。
「失礼。演舞の最中に申し訳ないが、少々伺いたい」
激闘の火花を散らしていたクラリスとベリンダの間に、スッと「白い影」が割り込んだ。
「なっ……!? 誰だ貴様! 下がっていろ、ここは戦場だぞ!」
クラリスが驚愕し、剣を止める。
「あら? 新手の援軍かしら……って、何なのその変な格好? 幽霊?」
ベリンダも空中で動きを止めた。
博士は月明かりの下でメガネをキラーンと光らせ、手帳を広げた。
「いいや、通りすがりの科学者だ。君たちのパフォーマンス、実に素晴らしい。特にそこの宙に浮いている君、その滞空能力……。衣装に強力な超伝導磁石でも仕込んで、地面の磁場と反発させているのかね? リニアモーターカーのような原理だ。実に興味深い。その磁力の制御チップはどこ製だね?」
「リニ……? チップ……? 何を言っているの、これは私の魔力よ!」
「魔力? ほう、まだその設定を貫くのか。徹底した役作りだ、素晴らしい、感服する。」
博士は感心したように頷くと、次にクラリスの鎧に触れようとした。
「それと、そこの銀色の君。君のその鎧、素晴らしい光沢だ。だが深夜の屋外でこれほどの輝きを保つのは大変だろう? 研磨剤に何を使っているか教えてくれたまえ。それと、君の言う城塞……もとい、観光拠点までの地図があれば助かるのだが」
「……」
「……え?」
命を奪い合っていた聖騎士と魔女の思考が、同時にフリーズした。目の前に現れた「魔力ゼロの白い男」から放たれる圧倒的な違和感が、戦場の空気を一瞬で凍りつかせたのである。
・・・・
「……貴様、新種のアンデッドか!? それとも魔女の差し金か!」
クラリスが剣先を向けたまま、鋭く睨みつけた。一方、空中を舞っていた魔女ベリンダも、新手の乱入者を警戒して杖を構え直す。しかし、二人は一様に異様な寒気を感じていた。魔道士のような魔力の高まりではない。むしろその逆。博士がそこに立っているだけで、周囲の魔力が「無」へと吸い込まれ、世界の色彩が失われていくような、根源的な恐怖。
しかし、博士はそんな戦慄を余所に、至極感心した様子でクラリスの持つ剣を凝視している。
「ほう、その剣……刀身が青白く発光しているな。蓄光塗料かね? それとも、内部に小型のLEDでも仕込んでいるのか。この暗さでそれほど鮮やかに光るとは、バッテリーの小型化技術が凄じいな」
「だ、黙れ! 我が主より賜りしこの聖剣『アスカロン』の輝きを、その汚らわしい口で語るな! 聖なる光で塵に帰してくれよう!」
クラリスは恐怖を振り払うように叫ぶと、まばゆい光を放つ剣を振り上げた。一個の城塞を消し飛ばすほどの聖魔力が、一筋の閃光となって博士の脳端へと振り下ろされる。
だが、博士は逃げなかった。それどころか、心底呆れたように強い口調でいさめた。
「やめなさいと言っているんだ! 危ないじゃないか!」
博士にとって、それは「高価そうな劇用小道具を乱暴に扱う役者」を叱る、真っ当な指導だった。彼は「魔法などという非論理的なものはこの宇宙に1分子たりとも存在しない」というタングステンのような意志を込め、無造作にその白光する刃を掴もうとした。
その瞬間――。
――パキンッ!
硬質な、しかしどこか虚しい音が夜の街道に響いた。
あらゆる魔を切り裂き、神の加護を宿すとされた聖剣が、博士の指先が触れた箇所から、まるで安物の飴細工のように粉々に砕け散ったのである。
「……え?」
クラリスの手元には、柄だけが残された。
その場にいた騎士団全員に絶望的な戦慄が走った。魔力の感知など習得していない見習い騎士でさえ、博士が「やめなさい」と怒鳴った瞬間に、周囲の空気が絶対的な「無」に塗りつぶされ、存在そのものを消し飛ばされるような圧力を肌で感じたのだ。
「……ふむ。やはりか」
博士は飛び散った剣の破片を一つ拾い上げ、メガネをクイッと上げた。
「君、これはひどいな。見た目ばかり派手だが、素材の強度がまるでお話にならない。炭素含有量の調整を間違えたのか、あるいは焼き入れが不十分だ。こんな脆い合金に無理やり発光ダイオード(LED)なんて仕込むから、構造的な欠陥が生じるんだ。演劇の小道具としても失格だよ。怪我をしたらどうするのかね」
「……あ……ああ……」
クラリスは膝をついた。彼女の目には、博士の指が触れた瞬間に、剣に宿っていた神聖な魔力そのものが「最初から存在しなかったこと」として法則レベルで消滅させられたのが見えた。
「団長! 逃げてください! こいつは人間じゃない!」
一人が叫ぶと、それは堰を切ったようなパニックとなった。最強の聖剣を触れただけで破壊した白装束の男。それは彼らにとって、理解不能な「無」の体現者だった。
「総員退却! 総員退却!」
聖騎士団は、パニックに陥った馬を御し、繋ぎ目を切り離してまで身軽になると、軍需物資を積んだ荷台だけをその場に置き去りにして、夜の闇へと逃げ去っていった。
静寂が戻った街道で、博士は溜息をつき、手帳に「現地の鋼鉄:炭素バランスに欠陥あり。発光ギミックによる強度不足」と書き加えた。そして、ふと視線を上げる。
そこには、空中で杖を握ったまま、あまりの光景に硬直して逃げ遅れた魔女ベリンダが、幽霊でも見るような目で博士を見下ろしていた。
「おや、そこの君。鱗粉の彼女。まだ残っていたのかね。感心な役者根性だ」
博士はメガネをキラーンと光らせ、今度は彼女の方へと歩み寄った。
・・・・
宙に浮いたまま硬直していたベリンダは、博士がじりじりと近づいてくる圧迫感に喉を鳴らした。彼女の指先は、恐怖で杖を白くなるほど握りしめている。
「……あ、あんた。何者なのよ。まさか、魔王様が新しく差し向けた『無の使い』とでも言うつもり?」
「魔王? ほう、また新しい役名が出てきたな。悪いが私は、劇団の構成員ではない。私はハインリヒ、ただの科学者だ」
博士は、困惑するベリンダを無視して、彼女の衣装(あるいは磁力浮上ギミック)を観察し始めた。ベリンダは、この得体の知れない「無」の怪物を味方に引き込めば、魔王軍での地位は盤石になると直感した。彼女は微笑み、脚を組み替えて、はだけたローブから白い肌を覗かせた。
「ふふ……いいわ、正体なんてどうでも。ねえ、あんた。その力、私のために使わない? 悪いようにはしないわよ。私の『仲間』になれば、極楽のような夜を教えてあげてもいいわ……」
ベリンダが蠱惑的な視線を送り、甘い声を出す。しかし、博士の反応は彼女の予想を真逆に裏切るものだった。
「慎みなさい!! はしたない!!」
夜の街道に、雷鳴のような博士の叱責が響き渡った。
「なっ……!? は、はしたない……!?」
「そうだ! 君、教育というものを受けてこなかったのかね? 公道でそのような誘惑を口にし、肌を露出するなど、道徳的にも公序良俗に反する! そもそも、磁力浮上装置を使いながら、そんな無防備な姿勢をとるなど、安全管理の面でも言語道断だ!」
博士のあまりの剣幕に、ベリンダは思わず空中で背筋を正した。
「そもそも君、なぜこんな夜分遅くまで、このような過酷な現場で働いているのかね? 労働基準法……いや、この地域の就業規則はどうなっているんだ」
「な、なによ……決まってるでしょ! 全ては偉大なる魔王様のために……」
「魔王様? ……ふむ」
博士は腕組みをし、深刻な顔で考え込んだ。
「その『マオー』という人物は、君の夫かね? それとも、父親か? つまり、身内に深夜の危険業務を強いているわけだ。」
「ち、違うわよ! 魔王様はもっと恐ろしくて、強大な支配者で……!」
「恐ろしい? 暴力まで振るっているのか! 重症だな。典型的なDVの構造だ。恐怖で女性を支配し、深夜労働に従事させるとは」
博士はズイと一歩踏み出し、ベリンダに向かって力強く手を差し伸べた。
「いいかね、鱗粉くん。そんな不誠実な男のために身を粉にして働く必要はない。君のような労働意欲のある人材が、そのような劣悪な環境で使い潰されるのは社会的な損失だ」
「え、えっ?」
「私についてきたまえ。私がその『マオー』という男から、君を論理的に解脱させてあげよう。まずは君のその『磁力浮遊ギミック』のメンテナンスと、適切な労働環境の確保からだ」
「……」
ベリンダは、博士の背後に見える「圧倒的な正論(という名の勘違い)」と、魔力を消し去る虚無の力に圧倒され、もはや「はい」と頷く以外の選択肢を奪われていた。こうして、魔王軍の幹部候補であった魔女は、博士の「助手」として同行することになるのである。
・・・・
博士は逃げ去った騎士団が残していった荷台に歩み寄り、その積載物を改め始めた。
「しかし、荷車まで置いていくとは。よほど慌てていたのか、あるいはこれも演出の一環……おや?」
博士が「布」だと思っていた荷台のカバーをめくると、そこには木箱に詰められた本物の食料や、重厚な金属製の武具、そして丁寧に巻かれた羊皮紙の束があった。手に取ると、安っぽい劇用小道具の感触ではない。本物の鉄の重みと、歴史を感じさせる羊皮紙の質感が指に伝わる。
「おや、これは小道具ではないな。この羊皮紙の繊維、それにこの測量技術……。ふむ、古地図か」
博士は荷台の上で地図を広げ、メガネを押し上げた。月明かりの下、記載された地名を一つずつ読み上げていく。
「……王都ルーンフェル。魔霧の森。カスピエル連峰……。なんだねこれは。バイエルン州の地図にしては、地名の法則性が完全に狂っている。それどころか、大陸の形状そのものが私の知る地球と一切合致しない」
博士の顔から余裕が消え、冷や汗が一筋流れた。
「なんてことだ……。そうだ星空は、この星の配置……。ここはバイエルンではない!? それどころか、地球ですらないというのか!?」
博士はハッとして、爆発の瞬間のデータを脳内で再構築した。
「なるほど、合点がいった。あの爆発エネルギーによって時空構造が歪み、私はワームホール(時空のトンネル)を通過してしまったのだな。ここは別次元、あるいは全く別の惑星か……。いずれにせよ、私の研究所から物理的に数億光年単位で離れている可能性がある」
博士は深刻な顔で手帳に『非地球圏への不時着:時空転移理論の立証』と書き込んだ。
「鱗粉くん、事態は緊急を要する。地図を見る限り、城塞、宿場町にも距離がある。今の私の疲労度と、夜間の視界不良による事故のリスクを計算すると……」
博士はビシッと人差し指を立て、暗い夜空を指差した。
「鱗粉くん! 夜道は暗く、野生動物による物理的な攻撃も危惧される! 故に、今夜はここをキャンプ地とする!!」
「は、はいぃっ!?」
「幸い、この荷台には物資が豊富にある。君のその鱗粉の発光現象を照明代わりに使いなさい。さあ、まずは火を起こし、適切なカロリー摂取の準備だ。野営こそ、科学的生存戦略の基本である!」
「……もう、なんなのよこの人……」
魔王軍の冷酷な魔女ベリンダは、いつの間にか博士のペースに完全に巻き込まれ、荷台の横で火の番をさせられる羽目になった。
こうして、異世界の夜に、怪しく白衣が揺れるシュールなキャンプサイトが出来上がったのである。
・・・・
博士が野営を強行していたころ。
そこから数マイル離れた宿場町「リフレイン」の酒場では、喧騒の中で勇者アルスがエールを煽っていた。
「……で、そいつに追いかけ回されたってのか?」
アルスは、テーブルに突っ伏してガタガタ震えている魔導師エレナと、顔面蒼白で盾を抱え込んでいる重戦士ガストンを、半ば呆れた目で見下ろした。
「そうよ! あれは人間じゃないわ! 魔力がゼロ、いえ、存在そのものが『無』なのよ! 私たちの魔法も、世界の理も通用しない……あんなおぞましい呪術師、死霊の王に決まってるわ!」
エレナが泣きそうな声で訴え、ガストンも重々しく頷く。
「ああ、思い出しただけでも背筋が凍るぜ。白い装束に身を包んで、聞いたこともねえ禍々しい呪詛をブツブツと……『シツリョウ』だの『カンセイ』だの、耳にするだけで脳を直接かき乱されるような感覚だった」
「……白装束で、ブツブツと……?」
その言葉を聞いた瞬間、アルスのグラスを持つ手が止まった。
彼の脳裏に、かつて過ごした「別の世界」の光景が、強烈なノイズと共に蘇る。無機質な実験室。黒板を埋め尽くす数式の羅列。そして、白衣の裾を翻しながら、冷徹な論理で周囲を沈黙させていた、あの「絶対的な知」の化身。
(……いや、そんなまさかな。あり得ない)
アルスは頭を振り、込み上げてきた奇妙な予感を無理やり抑え込んだ。ここは奇跡と魔法の世界だ。あの「科学そのもの」のような男が、このファンタジーの真っ只中に現れるはずがない。もしそうだとしたら、この世界の前提が根底から崩壊してしまう。
「はははっ! お前ら、薬草採取で疲れすぎて幻覚でも見たんだろ?」
アルスは豪快に笑い飛ばし、残りのエールを飲み干した。
「魔力ゼロ? 存在が虚無? 笑わせるな。そいつはただの、魔力感知に引っかからないほど実力のない、しがない浮浪者か何かだろ。それを見間違いか、あるいは自分たちの力量を見誤ったのを棚に上げて、おぞましい怪物だと思い込んでるだけじゃないのか?」
「そんなことないわよ! 本当に怖かったんだから!」
「まあ落ち着け。もしそんな『呪術師』が本当にいるなら、この俺が『火炎斬り』で一刀両断にしてやるよ。いいか? 魔法が効かない存在なんて、この世界の理が許さないんだ」
アルスは仲間たちをあざ笑いながら、内心では自分に言い聞かせていた。
あいつが、この世界に来ているはずがない。
あんなマッドサイエンティストが。
そんな一抹の不安をエールで流し込み、勇者は次の遠征の計画を立て始めた。
すぐ近くの街道で、その「マッドサイエンティスト」が、魔女を相手にキャンプ飯の火加減と熱伝導率について烈火のごとく説教していることなど、夢にも思わずに。
城塞城主は地図を前に、補給部隊の進路を指でなぞっていた。そこへ、顔面蒼白の将校が割って入る。
「閣下……。報告によりますと、城塞手前数マイル地点にて、輸送部隊が魔女ベリンダと会敵。戦闘となりました」
城主は落ち着いた口調で答えた。
「……魔女か。だが案ずるな。クラリス率いる聖騎士団が、聖剣の輝きと共に魔女を塵に変えてくれる。物資の到着は、わずかに遅れるだけだ」
しかし、将校たちは顔を見合わせ、声を震わせる。
「……閣下。」
「聖騎士団は……敗走。」
「……聖剣は、破壊されました。突如現れた白装束の不審者に、説教のような言動でパキンと砕かれ……物資もすべて遺棄。撤退しました」
城塞に、静寂が流れた。城主の右手が、激しくプルプルと震え始める。彼はゆっくりと、メガネを外して机に置いた。
「……親衛隊長、副官。そして騎士団の幹部以外は、部屋から出なさい」
バタン。扉が閉まる。
「お前ら全員、給料泥棒かぁぁぁ!!」
城主の怒号が城塞全体に響き渡った。
「聖剣が砕けた!? 説教された挙句にパキンだと!? そんなふざけた報告書が書けると思っているのか! 相手は魔王軍ですらない、ただの白装束の不審者だろうが! なぜ囲んで叩かなかった! 」
城主は机の上の地図を、払い飛ばした。
「聖騎士の誇りはどこへ行った! 信仰心はどうした! 私はこんな騎士団を育てた覚えはない!」
「……閣下、それはあまりにも……」
あまりの言い様に口を開いた副官の言葉を遮るように、城主は立ち上がり、ありったけの声を張り上げた。
「前線城塞勤務なんて、だいっきらいだばーか!!」
「お●●●、●●●●!●●●●!」
ひとしきり暴れ回った後、城主はがっくりと椅子に座り込み、天井を仰いだ。
「……もういい。勝手にしろ。私はもう知らん」




