あなた達全員、私の彼氏。一体感を持ちなさい
昨日は無事に予定を完遂できた。
2人目に抱いてあげた魚を捕る人も、体格のいい人と同様に完全に魂を抜かれたような状態で果てた。
自分のことだからよくは分からないが、私とした男達は大抵はあのような状態になることが多い。
日本にいた20人の彼氏達も、
『なんというか……人としている感覚じゃない。身体が気持ちよくなるとかそういうんじゃないんだ。ただあんたに見られているだけで世界に肯定されているような気分になるんだ。多分、この世全ての富と権力を手にしてもあんな感覚にはならないと思う』
などと言っていた。
それもほとんどの彼氏がそんな感想を持っていた。
ちなみに、これは私の持つ能力の交際したいる男に対する強者権とは全く関係のないことだ。
私の能力はあくまで物理的に絶対的な有利さを生み出すもの。
心を操ったり誘導したりする類のものではない。
もちろんそういった完全な上下関係がある環境が精神に影響を与えている可能性はあるが、それでもそれほど大きなものではないだろう。
つまり私とした男がああなってしまうのは、私の生まれ持ったどうしようもない性質由来のことなのだろう。
単なる外見の美しさとは異なる、何らかの性質が私にあるということ。
まあ、今はそれはどうでもいい。
昨日今日始まったことではないから別に驚きもないし、そうなってしまった彼氏を見るのはとても微笑ましい。
可愛い。
愛してあげたくなる。
正直に言ってしまえば、彼氏達がああやって喜ぶのなら1日中でも相手をしてあげたい。
それくらい別になんでもない。
だけどダメだ。
ここは孤島で生存という絶対的目的がある以上そんなことをしてては全員共倒れは必至だし、それにあまりに与えすぎても男達がダメになってしまうのだ。
経験からそれは分かっている。
だからこそ、『どう与えるか』が重要になる。
船長の人を呼ぶ。
「船長の人、少し話をしたいのだけどいいかしら?」
「ああ、もちろんだぜ嬢ちゃん。しかし昨日は……なんというか凄かったな。嬢ちゃんに相手をしてもらった2人を見たが、女としてあんな状態になった男は初めてみた。嬢ちゃんがテントの中で変な薬でも投与したのかと疑っちまうくらいだぜ」
「そんなことはしていないわ。ああなってしまうのはしょうがないことなのよ。ちょっと極端な状態にはなるけど、『満足』はしていたでしょう?」
「ああ、満足したなんてもんじゃなかっただろうよ。正直、1日2人相手してどんだけ俺達の欲求が満たされるか不安だったんだが、あの様子なら満足も満足大満足だろうよ」
「そうね、私とした人はそうなるでしょう。それは喜ばしいことだしこれからも与え続けるわ。あなたに聞きたいのは昨日テントの外で聞き耳を立てていた子達の様子と、それと今日はどういう感じになっているかよ」
「……嬢ちゃんが男を抱いてやっている時のテントの外の様子、か……まぁ嬢ちゃんは予想はついてるだろうが、全員目を血走らせて少しでも中の様子を伺おうとしてたよ。嬢ちゃんが一切声を出さないって宣言したのにな。声じゃなくても少しでも音が聞こえないかとか、そういう感じだ」
「しょうがないことよねそれは」
「ああ、しょうがないことだ」
「でも、あまり良い傾向ではないわよね」
「……そう思う」
「30人を1日2人。つまり15日に1度だけ。……保たないわよね」
「ああ、必ず暴走するやつは出ると思う」
「私に対してじゃなくて、あの子達同士での争いが起きるということよね」
「そういうことだな。昨日のあの体格のいいやつへの様子を全員見ているから、嬢ちゃん相手にどうこうしようってやつはいないはずだ。まぁ土下座して頼み込むくらいはするやつは出るだろうが」
「絶対に許さない」
「ああそうだろうよ。土下座して頼み込まれたって不快になるだけだよな」
「そっちじゃないわ。別に土下座だろうが懇願だろうが殴りかかってこようが私があの子達を不快に思うことなんてないわ。問題はあの子達同士の争いよ。それだけは絶対に許せない」
「……ああそっちか。でもそれはなあ……争いが起きれば嬢ちゃんにご褒美をお預けされたり痛い目に合わせれることは分かっていても、そりゃ完全に防止するのは無理だと思うぜ。犬猫相手に、『喧嘩したら怒るぞ』と言っておいても実際にはどうにもならない時だってあるだろ」
「その通りよ」
「男としての欲求の問題だからなあ。この環境、しかも訳のわからない美貌を持つ嬢ちゃんが目の前にいると来た。正直俺だって今辛い」
「ええ、男の子がそこらへん大変なのは重々理解しているの」
「じゃあどうするってんだよ。まさか嬢ちゃんが毎日30人全員を満足するまで抱いてやるわけにいかないだろ」
「それでも構わないのだけど、別の問題が出てそっちが致命傷になる可能性がある……だから考えがあるわ」
「なんだよ考えって」
私が昨日から考えていた彼氏達の処理方法。
島での労働の活力を残しつつ、欲望の発散も同時にさせる方法。
「あなた達、自分で処理しなさい」
「……嬢ちゃん、意外とアホなのか?」
「アホではないと思うけど、理由を教えてちょうだい」
「あのな、自分でって、そんなのは当たり前にしてるに決まってるだろ。昨日テントの前で聞き耳立ててた連中があの後に自分のテントに戻って大人しく何もせずにスヤスヤ眠ったって思ってるのか?それで満足して欲求は溜まっていかないと思ってるのか?経験だけは凄そうだがやっぱり嬢ちゃんの若い女だな。想像力ってもんがない」
「ああ、そういうこと。違うわそういう意味じゃないの。ごめんなさい言葉が足りなかったわね」
「じゃあどういう意味だってんだよ」
「毎日15分、30人全体の前に私が姿を見せるわ。決まった時間にね。その時には、私は気分次第で少しあられもない格好をしてあげるかもしれない。あなた達はそれを見て自分で出しなさい」
「……は?」
「これね、大人数の彼氏を管理するには意外といい方法なのよ。一人ひとりだと必ずその時相手をしてもらえない男に嫉妬とかそういう感情が生まれるでしょう。けどこれだと、彼氏達は私の前で完全に平等。そして同じ行為を私の前でしている。仲良くなるのよね彼氏達同士が。なんというのかしら……共同作業?による一体感?多分そういうのね」
「すまん嬢ちゃん、ちょっと待ってくれ理解が追いつかん」
「なにか難しいことを言っているかしら私?今のままではあの子達が欲求不満でなにかやらかすかもしれないでしょう。そのために私を見て自分で出しなさいと言っているの」
「いや言葉の意味が分からないってことじゃない。そうじゃなく……」
「正直言って私は多分世界一美しい女よ。テレビやモニター越しじゃなくて眼の前でその女が少しばかりサービスのある格好をしてあげるの。あなた達はそれを使ってすればいい。テントの前で聞き耳を立てて妄想力が暴走して悶々としているよりよっぽどいいわよ」
「それだと、いっそのこと嬢ちゃんのテントを開けておいて1日2人の相手をしているのを公開するんでもよくないか?同じことだろう」
「それはダメ。刺激が強すぎて暴走する子が現れる。もちろんそうなっても私が制圧するけど、別にリスクを犯す必要はないでしょう。痛くするのは可哀想だしね。それに、本当の楽しみは15日に1回、それが丁度いいのよ」
「そういうもんか?」
「そういうものよ。複数人一緒に相手をする時は、次やその次が自分の番だと分かっているから我慢できるの。だけど他人がしているのを見ているだけで自分の順番が来ないという状況は男にとって辛いのよ」
「よくよく理解しているんだな男を」
「多分男よりも理解しているわよ?」
男は自分が男だからといって、その素性を詳しく理解しているわけではない。
どうしても自分の価値観に引っ張られるし、そこが基準になる。
だけど私は違う。
数えるのも馬鹿らしくなるほどの経験から、男がどういう生き物なのかどういう行動をするのかよくよく分かっている。
特に女絡みの時の行動についてはほぼ未来予知の如く当たる。
だから、きちんと管理してあげればどこまでなら暴発しないかをきちんと把握、予想できる。
とっても可愛い生き物。
別に自分が男好きの淫乱だとは思っていない。
だけど可愛くて可愛くてしょうがないのだ自分の彼氏達のことを。
だから、傷つかないようきちんと私が管理してあげないといけない。
私自身は強者権によって傷つけられる可能性が皆無なのだから、気にすべきなのは男達の安全なのだ。
「まあ最初は完全に服を着ているくらいがいいでしょう。明日は少し肩のところの肌でも見せてあげましょうか。そして明後日はまた完全な着衣にしましょう」
「普通は段々とエスカレートして薄着になっていくもんなんじゃないのか?多分男はそう期待するぞ」
「だからよ。期待しようが何をしようがそこの塩梅は全部私次第。そこを最初のうちに躾けないとダメよ。肩のところの肌を見せてくれたんだから次の日はもう少し見せてくれるはずだ、いずれは胸元も見せてくれるはずだ、次は……となっていいことがないのよエスカレートしていくと」
「そりゃそうだろうが、それが普通じゃないのか?」
「勘違いして欲しくないのだけど、私は別に自分が恥ずかしいからとかもったいぶってそうしようとしているわけじゃないの。別に初日から全部見せてあげたって構わないのよ減るものじゃなし。でもそれだとね、管理にならないの。私だけに決定権があって、彼氏達はそれを受け取る立場。そういうのは早めにきちんと理解させないといけないのよ」
「なんというか、言葉が出ないわ。見せる自体は別にいいのかよ」
「……?そこに何の問題があるわけ?」
「いや、なんでもない。そうだな嬢ちゃんの言う通りだわ。なんとなく嬢ちゃんの価値観ってのが少しずつ分かってきたわ」
「15日に1回は必ずどこでも見せてあげるわけだから、そこまでは我慢しなさい、あなたも含めてね」
「そうだなそうすることにするわ。というか嬢ちゃんが決めたんなら逆らえないしな」
「ふふ、いい子ね。じゃあ今日は日没より少し前、暗くて見えないと可哀想だから明るいうちから始めるわ。今の話を私の彼氏達に伝えておきなさい」
「了解だ」
簡単な作業だ。
ただ私は座っているだけでもいい。
それだけで男達は放心したように私を見続ける。
ただ、少しコツがあるのだこのやり方には。
日没前になり、私の彼氏達が集まってくる。
船長の人から話を聞いているのだろう、少しだけソワソワしているようだ。
「集まったわね。船長の人から話は聞いているでしょう。つまりね、15日に1回だとあなた達は溜まってしまってそれで私の彼氏同士で暴力沙汰になる可能性がある、それを防止するための施策よ」
魚を捕る人が挙手してから発言する。
「えーっと、聞いた話じゃ……つまりお嬢は別に服を脱ぐでもなんでもなく、そこで座っているだけってことか?それを見て俺達が自分で出すと」
「そういうことよ。テントの中で1人でするよりも臨場感があっていいでしょう」
「すまんお嬢、そういう経験がないからなんと言ったらいいのか分からんわ……俺達30人が一斉にその……そうするってことだろう?お嬢を見ながら。端的に言うと、異常だぜ」
「慣れるわよ」
「ええ……」
「あなた達全員、私の彼氏。一体感を持ちなさい。チームとしての自覚を持ちなさい。横で処理をしている男がいようが、別にそれが普通だと思いなさい。みんなが私を見ながらするの。それは当たり前のことなのよこれからは」
「でもよ……流石になんのサービスショットもなしってのは……あ、怒らないでくれよ。不満ってわけじゃないんだ。ちょっと男としては……もうちょっと期待しちまうというか……」
魚を捕る人がそう言った瞬間、私は彼の目を真っ直ぐ見ながら
「好きよ、あなた。私の愛しい人」
そう言って微笑みかける。
魚を捕る人は、何秒か放心してから腰を抜かしてしまった。
「船長の人、好きよ。私の可愛い可愛い彼氏さん」
同じように微笑みかける。
20歳前後の若者というわけでもない彼も、そうしてあげると魚を捕る人同様に腰を抜かす。
そう、これがコツなのだ。
服を脱ぐとか肌を見せるとか、別にそんなのはどうでもいいのだ、否、必要ないのだ。
この時間、私は30人一人ひとりを見渡しながら1人ずつ声をかける、微笑みかける。
世界がバグを作ったとしか思えない私の美貌。
私が微笑みかけて目を見つめ、声をかける。
これだけで並の女が服を全部脱ぎ捨てるのとは比較にならない衝撃を男は受ける。
「さ、みんな。何をしているの?始めなさい」
私がそう言うと、男達ははっと気付いたようにすぐに作業を始める。
うん素早いいい行動ね。可愛いわ。
誰か1人にだけ愛を強調するような言葉になってはいけない。
それだけはいけない。
それに愛しているとかあまりに強い言葉を使うと、慣れていない男だと気を失ってしまう可能性があるので、声をかける内容はちゃんと吟味する必要があるのだ。
気を失ってしまっては自分でできなくなるから。
並行して、彼氏達がどのくらい飛ばすか観察する。
健康状態やどれくらい溜め込んでいるかなど、分かることはたくさんある。
とんでもなく馬鹿らしいと思われるだろうが、これが結構大切なのだ。
「さあ、これが終わったら次は今日抱いてあげる2人を発表するわ。安心なさい。今いくら出したとしても私相手ならそんなの関係なくきちんと満足させてあげるから」
夜は別に……長くはならないだろう。




