想像と異なる現実に絶句した。
横転したバス内及び周りに転がっていた死体一部を持ち帰り、しばらく食事事に困らない収穫を得た私は、
ユキ「さて、今日は少し離れたところにある家に行ってみよ。」
ユキ「出産ギリギリまで少しでも物資を手に入れなきゃ。」
ベッドから起き上がった私は軽めの食事…昨日手に入れたばかりの彼らの肉を使って、しっかりと焼いた彼らの肉を残さず食べた後、玄関前に置いてあるネコ車と持ってきた護身用と切る用の包丁を入れて松材の家から離れる。
目的の探索する家へと向かうまで私は今いる場所をじっくりと見回し、
ユキ「本当に何もないわ。数件の家と広い田んぼだけ…。」
ユキ「でも静かでいい。この静かな環境なら安心して子育て出来る。」
たった数件の家と少し水が張られた田んぼの一面のみ。
そう見ていた私は自然に目的の探索する家へと到着し、ネコ車に入れていた包丁を手にとって家の中へと踏み入れる。
当然家の中は無人で、私は一つ一つの部屋へと入り片っ端から戸を開けて使えそうな物を手に取り、外に止めていたネコ車へと手に入れた物資を投げ入れる。
ユキ「(調味料のケチャップとソースとマヨネーズ、油も手に入れたわ。これで肉ばかりの食事でも味変出来て飽きない。)」
ユキ「(でも流石に赤ちゃん用のミルク…とかないわね。此処は私の母乳と松材の家にあった砂糖とシンクのお水を混ぜた騙し騙しの哺乳瓶代わりの空の醤油差しを使って授乳させよう。)」
と、家にある物資を次々と手に取り、戸を何度も開けていた時に
ユキ「あら、綺麗な虹色。飴かしら?」
開けた戸の中に大きめの瓶の中に多く入っていた【渦巻き状の虹色の飴】を目にし、私は思わずそのキラキラと虹色に輝く飴入りの瓶を手に持った。
私は一旦瓶の蓋を開け、匂いを嗅ぐようたくさん入っている飴を見て、
ユキ「まぁ。いい香り。糖分凄そうだけどあった方がいいわ。出産後は絶対食べる気しないと思うし。」
私は「ちょっとしたおやつにもなれそうだからラッキー。」と言いつつ虹色の飴がたくさん入った瓶を持って、蓋を一度閉じた私は手に入れたこの家の物資達が載っているネコ車へと入れた。
ユキ「よし。いい収穫。帰ろ。」
私は手に入れた山積みになっている物資達を見て思わず笑顔を浮かべ、ネコ車を押しながら松材の家へと戻って行った。
陽が落ちた頃合いにて、
ユキ「ふう。美味しかった。さて。」
私は昨日作った彼ら肉を使ったソースで味付けした腸詰めを口に入れ、いい感じにお腹が膨れた私は満足と笑顔を浮かべた。
私は手に持ったシンクの水を入れたコップで一口含もうとした所、
ユキ「?ちょっと赤い?」
ほんの少しだけだったが色が赤い所があり、私は少し顔を引き攣ったけど
ユキ「…匂いは水だし、いいかな。というか今の時期にとって貴重な水だしね。しっかり飲も。」
私は構わず少し赤みが掛かった水を飲み干し、お口直しでテーブルに置いた虹色の飴がたくさん入った瓶へと手を伸ばし、一つ手にとって口へと入れた。
その味は、
ユキ「(わぁぁ。不思議。色んな果物の味がいっぱい出てくる。どれも好きなフルーツばかりだし、これいいじゃん。お腹いっぱいになった感じがする。)」
色んな果物の味が飛び出すすごい飴だった。
さらに満腹感がちゃんと出るよう、私は内心親指を上に上げて高評価を推すような素振りをついやった。
ユキ「(持ち帰って正解だった。極力食欲がない時にこれを食べよう。)」
お腹が膨れた私は片付けをし、今日の疲れを取るべく浴場へと足を運んだ。
私は衣服を脱いで浴場内へ入り、夕食中に溜めておいた浴槽内のお湯へと浸かる。
私は温かな湯に浸かりながら大きなお腹へと手で摩って、
ユキ「大丈夫よ。こんな大変な世界でもママが貴方を立派に育てー」
そう言い聞かせた瞬間、
ユキ「はぐ!?」
突如の凄まじい激痛が全身に渡って走り、私は思わず痛みの反動で浴場から勢いよく立ち上がった。
その股からボタボタと流れ落ちるお湯と、白濁と透明が混ざった液がたくさん出て…
ユキ「(嘘!!?破水した!?此処で!?ちょ、ちょっと待っ…)あ、ああああああ!?!!い、痛!?痛いたい痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い!!!!」
私は何度も凄まじい激痛を腹部と股から受けながら急いで浴場から出て、私は裸のまま急いで寝室の大きなダブルベッドへと身を乗り出す勢いで飛び込む。
ユキ「ああああああああああああああ!!痛!!痛痛痛痛痛痛痛痛痛痛いいいいいいい!!!イタタタタタタタタタタタタタタタ!!!!」
凄まじい陣痛で私は一瞬にして死の淵へと追いやられるよう、意識も混濁しながら視界も何度も暗転を繰り返す。
私は何度も過呼吸をし、凄まじい激痛からの叫び声を何度もあげながら、
ユキ「あああああああああああああああああ!!!!痛いいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいい!!!!ああああああああああああああああああああ!!!!」
ユキ「いやああああ!!イヤあああああアアアアア!!!?誰か助…ああああああああああああああああああああああああ!?!!!?」
誰にも届かない叫びを何度も上げるよう、次の朝陽が出るまで孤独の出産をした。
そして、
ユキ「あ…!」
気が遠くなるぐらいの長い陣痛と何度もいきんだ時、お腹に入っていた赤ちゃんが外へ出たような感覚を覚え、私はつい生まれて初めて出産出来た事に思わず苦渋の顔から笑顔へと変わった。
ユキ「や、やった…。やった…!!私……無事に産めたんだ!!」
私は倒れていた身をゆっくりと起こし、ベッド上で出産した我が子を見るべく大きく裂いた感じがする股痛みを堪えながら身を起こした。
ユキ「あはははははは!!ようこそ、私のかわいい赤ちゃん!!無事に来てくれー」
が、身を起こした私の目の前に映った光景は、
「ギュ゛エ゛エ゛エ゛エ゛エ゛エ゛エ゛エ゛エ゛ーーーーー!!!!」
ユキ「え…」
赤子の産声と全く異なる野太い獣の奇声音。
そして私の内部から引き裂くように外へ飛び出した赤ちゃん…ベッドの一部が赤く染まり、その染まった部分に張り付くよう私をじっと飛び出している大きな右片目で覗き見ている…
ユキ「思い描いていた赤ちゃん…。丸くて、プニプニの肌触りした…かわいい…赤ちゃん…。」
ユキ「なのに……。これ…何?」
「ギョ゛オ゛オ゛オ゛オ゛オ゛オ゛オーーーーーン゛ン゛ン゛ン゛ン゛ン゛!!!!」
身体が一部血まみれのベッドに埋もれるよう張り付き、左顔半分が溶けているように内部の柔らかい脳みそが垂れ出たまま私を見つめる醜悪な赤児が唖然としている私へともはや人ではない異形の産声を開けた口から並んだ成人と同等の歯茎を見せながら声を上げた。
続く。




