そう想像していた私は
横転した死体と臓物だらけのバスから少し離れた平野の…ほぼど田舎な過疎過ぎる場所で、
ユキ「あ。」
私は目の前の松材でできた少し敷地広めのボロついた家を見つけた。
屋根の一部や壁のあちこちに穴が空いており、窓ガラスの殆どがヒビ割れて壊れていたものの、私の足取りは自然にその家へと向かっていたので、
ユキ「…ここで、いいや。」
ユキ「そんなにもう歩けないし。うん。」
私はそのまま無人の家の中へと入り、ひとまず身を休めれる一室を探す。
するとちょうど入り口から入ってすぐの真っ直ぐの部屋に、
ユキ「あ。ラッキー。ダブルベッドだ。ボロついてるけど、全然問題ない。」
ユキ「うん。此処でいいや。一旦休もう。」
寝室らしい場で広めのベッドを目にした私は思わず安堵し、私はひとまずベッドへと大きな身体を預ける形で仰向けになった。
私は細かな亀裂が入っている天井をじっと見上げながら、
ユキ「(どうせこの身じゃ避難場所に行けないから此処で産んで、私の子供と一緒に過ごそう。)」
ユキ「(少し休んだらこの家の中を探索しよう。今後の為に食糧とかこれから生まれてくるこの子の為になるものを見つけないといけないし。)」
私は少しでも疲弊と打撲の痛みを少しでも癒えるべく束の間の休息を取った。
…数日後
ユキ「…結局長く寝ちゃった。いいや。そのおかげで打撲してた所治ったし。」
ユキ「さぁ。探索探索。」
束の間の休息のハズがそのまま数日が経つぐらいに深寝入りしてしまった私。
私は心の中で苦笑しつつ、ひとまず今いる家の中の探索をし始める。
ユキ「使えるものはなんでも使わないと。」
ユキ「うーん。ガラクタばっかね。これも。これも。これもだ。」
ユキ「せめて何か。うーむ。」
私は一つ一つの部屋に入って、片っ端から戸を開け気になった物を手に入れた私は今後の身を休む・赤ちゃんを育てる場所でもある寝室へと持っていき、手に入れた物をベッドの上へと置いた。
私はこの家の中と外の庭内で手に入れた物を一つ一つ見ながら、
ユキ「まずは食糧。缶詰三つと砂糖入りの袋。カップのインスタント麺二つと塩・胡椒の調味料二つ。」
ユキ「調理用の包丁とフライパンとゴム手袋にやかんか。水と湯は問題なくキッチンのシンクとお風呂場から出るから大丈夫。」
ユキ「タオルは二枚とバスタオルが三枚。庭で見つけた軽めのネコ車があったからこれで外からの物運びは楽ね。」
ユキ「一部綿が出ちゃっているけど可愛いクマの人形もあった。でもやっぱり…」
今後の出産と育児に備えてどうしても不安な所はあった。
それは紛れもなく、
ユキ「(食糧だけは本当に心許無いわ。赤ちゃんが生まれた後は私の母乳でなんとかできても、肝心な栄養は絶対に私も赤ちゃんも含めて満たされないから今のうちに何処かで調達しなきゃ。)」
ユキ「(生まれてくる赤ちゃんの為に十分な栄養を与えないと…。)」
ユキ「(でもどうやって食糧を調達すればいいんだろう?街中からこんな何もない田舎に飛ばされちゃったから…。)」
圧倒的な食糧不足。
今ある食糧では全く足りない。否今の身体にとって悪影響しかないインスタント食品を見て私は…
ユキ「…。」
ふと思いついた私はベッドの上に置いていた包丁を手に取り、そのまま家の外へと出て近くに置いていたネコ車へと手に持った包丁を窪んだ箇所へ置いて、私の足は今いる家からちょっと離れた位置にある横転したバスの下へと向かった。
時間を少しかけ、陽が落ちた頃合いに
ユキ「ああ。美味しい。」
ユキ「肉なんて久しぶりだわ。うん。」
私はじっくりとフライパンで焼き上げた新鮮の肉を食べている。しっかりと調味料の塩と胡椒をつけて。
私は数日前の避難前の時と見違えるぐらい顔色良く笑顔を浮かべていた。そのおかげで、
ユキ「たくさん手に入ったから今後とも問題ないわね。」
ユキ「明日は腸詰めと干し肉を作ってお腹の赤ちゃんの為に栄養を与えないと。」
キッチンの側に置いた大きめの青いポリバケツ。
その中に私を罵ったお爺さんや庇ってくれたさまざまな避難者と兵士さん達を綺麗に裂いた肉がたくさん入っていて、当然明日詰める用の長い腸もいっぱい入っているから当分の食糧には困らない。
ええ、食糧は完全に解決した。これで大丈夫。
しっかりと出産まで栄養をつけて、
ユキ「大丈夫。どんなことがあってもママが貴方の為に努力するから。ね?うふふ。」
私は笑顔を浮かべながら、私を汚く罵ったお爺さんの肉の一部を噛み砕き喉の奥へ押し込むよう胃へ送った。
続く。




