出ることも逃げることも許さない、
出産から5日目経過、
ユキ「(あ。ついまた朝まで寝ちゃった…。)」
ユキ「(結構疲れているんだね。私。)」
長くて短いような眠りから目覚めた時、私は次の日の朝まで長く寝てしまっていた事に一瞬目が点になった。
…仕方ないよね。だってまだまだ産後の疲労と全身の痛みが、まだまだ続いているんだから。
ユキ「ちょっと覗きに行こ。…。」
ソファーで横になっていた身体をゆっくりと起こし、視線を下へ向ける。
と、
ユキ「…?」
ソファー側面の綿とボロボロに痛んでいた松材の床に赤い染みが数滴不着していて、私はふと鼻下へと小指で軽く横へ摩ると既に乾いた赤い…鼻血らしい痕が摩った指に付いた。
これを見た私は、
ユキ「やだ。いつのまに鼻血出てたの?気持ち悪い。」
ユキ「後で水で洗お。」
私は軽く嫌な表情を浮かべつつソファーから立ち上がって、ゴロゴロと唸り声かお腹の音なのかよくわからない轟音が大きく聞こえる寝ている我が子でいっぱいな長方形の肉塊そのものの寝室前へと静かに進む。
私はまたしても横に倒れている空っぽのポリバケツを見て、
ユキ「…相変わらずの暴食ぶりね。」
ユキ「うるさく騒ぐ前に用意しなきゃ。」
私は倒れていたポリバケツを起こし、音を立てないよう空っぽのポリバケツを回収した私はキッチンへと向かい、同じくシンクの蛇口から出る肉を包丁で切って空っぽのポリバケツへといっぱいになるぐらいまで投げ入れ、まだ寝ている我が子の寝室前の開けていた扉近くへ切り立ての肉がいっぱい入ったポリバケツを置いた。
設置から数分後、
『ガアアアア!!グ!ググ!!』
『シャ!シャ!!ウウウウウウ!!!!』
ユキ「(あ。今起きたわね。くちゃくちゃと食べる音も聞こえるし。)」
ユキ「(今のうちに私もご飯食べよう。)」
ちょうど我が子が目を覚まし設置した食事へと貪り食べる大きな咀嚼音を聞きながら、私はテーブルへ今日食べる分の3回分けて食べる缶詰めと3回分けて飲むお水入りのコップを置く。
かつ追加で、
ユキ「やっとできた私だけの干し肉。」
此処へ始めて踏み入れた2日目から日光が入る窓際で干すように作った…横転したバス周りで死んでいた彼らの死体の肉を切って干した一部の肉。
これだけはずっと食べたかったもの。これに塩と胡椒が染み込むように味付けしてるからきっと美味しいはず。
なので、
ユキ「さぁいただきましょう。」
私は手を合わせて今日の少しずつ摂る食事をし、まず3回分けて食べる缶詰めを1回分食べた後
ユキ「お待ちかねの干し肉。どうかなー。」
次は干した味付き肉を口へ入れ、歯でしっかりと味わうように数回噛んだ。
その瞬間、痛みもなくズルッと閉じた口内で数本抜ける感覚を覚えて、
ユキ「?……え??」
私は思わず口を開けて、次に来る口内いっぱいに溢れるような血の味に不快感を覚えた。
私は咄嗟に椅子から立ち上がって、水入りのコップを持ちシンクの流し台へと口内に入れた噛み途中だった干し肉と一緒に吐き出した。
そこに、
ユキ「う、嘘…。これ…私の、歯?」
吐いた口内の血と一緒に出た私の数本の歯。
いつのまにか抜けてしまった私の数本の歯を見た私は衝動的に、
ユキ「…そういえば歯磨き…ずっとしてなかったや。」
ユキ「ちょっと鏡をー」
洗面所へ向けて私は駆け足で向かい、今の自分の口内の状態を確認するべく鏡がある洗面台へ向かった。
しかし、
ユキ「え!?嘘!!」
ユキ「此処も…侵食されてる。てかうんこ臭い…。」
洗面所がいつのまにか赤い肉と血管みたいな蠢く肉触手・何度も膨張する水疱みたいな肉と浮かび出た目と口で変化するよう覆い尽くされていた。
更に壊れた隣の寝室の壁の穴からボトボトと横から勢いよく排泄した凄まじい排便と排尿がいっぱい浴場内へ滑り落ちるように出てきて、そこから凄まじい激臭が侵食した洗面所まで臭ってきたで、私は急いで逃げるようにキッチンへと避難した。
同時に吐き気も襲ってきたから、
ユキ「う!!ゲ!!お、オエエエエエエ!!」
私は床へ吐く直前にシンクの流し場へと口から吐瀉物をいっぱい吐き、口内が瞬く間に歯が抜けた血の味と混ざった酸っぱい消化中の胃液臭い味に嫌悪感を覚えながら、さっき吐き出した噛み途中の干し肉と抜けた血と歯数本と一緒にシンクの下水道へ繋ぐ奥底へ流れ去っていく光景を目にした。
ある程度落ち着くまで待った私は、
ユキ「ーーーーッッッッ!!さ、最悪っ!!」
3回分の水入りのコップを手に取って口内へと全て入れ、まだ出ている抜けた歯の部分からの血と吐き残った吐瀉物の僅かな残骸?みたいな物も、含めた水で何度も口内を右往左往へと濯がせた。
後、私は酸っぱい吐瀉物の臭いと血の臭いが残るシンクの流し場へ、何度も口内に濯いだ吐瀉物と抜けた血の粘り気全てを下水道へ続く奥底まで吐き捨てた。
ユキ「…。」
少しの息を乱した後、
ユキ「気分が悪い…。一旦横になろう…。」
ユキ「まずは飴を舐めて…。………。」
項垂れた私はキッチンから離れて、テーブルに置いていた飴入りの瓶へと手を伸ばし口へと放り込む。
それでも少し残る酸っぱい気持ち悪さを少しでも軽減…ううん、今舐めてるこの飴が口内の気持ち悪さをあっという間に解消するよう、たくさん出てくる果物の甘い味で置き換わって不快感が一気に取れた。
私は思わず笑みを浮かべて、
ユキ「ああ。落ち着く…。落ち着く…。」
ユキ「もう、飴さえあればいいや。うん。」
私はそのまま眠りに落ち、解消された解放感を味わうようしばし眠りに落ちた。
その間、私が吐き捨てたシンクの奥底と閉まっているはずの蛇口の穴から這うように現れた…
ゲン「あーあーー。来ちゃったーーーー。」
ゲン「もうすぐかなーーー?そのあとかなーーー?ヒヒヒヒヒヒヒヒ!!」
聞くはずもないゲンの偽物の声と共に出てくる肉の触手数本、蛇口の穴から赤い液体と一緒に滑り出てきた何度も切った小腸・大腸みたいな肉が流し場へズルズルと出てきて、かついろんな肉の部位から大きく開けた目や綺麗に並んだ歯茎の口がいっぱい出るよう、キッチンを外から侵入してきた蠢く肉へ変化させていった。
続く。




