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願い星ー宇宙を駆ける王位継承レース  作者: ネコ雲


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6/25

レーススタート



アステラを離れて三時間。


こうきたちを乗せた宇宙船は、王位継承レースのスタート地点である惑星オルディアへ向かっていた。


「もうすぐオルディアに着くわ」


操縦席に座るサクラが告げる。


「ここがレースのスタート地点なんだよな?」


こうきが窓の外を眺めながら尋ねた。


「そうよ。惑星連合王国が正式に定めた場所なの」


やがて、前方に惑星オルディアが見えてきた。


その周囲には、数え切れないほどの宇宙船が集まっている。形も大きさもさまざまで、見たことのない宇宙船も多かった。


「すげえ……! あんなに宇宙船がいるのか!」


こうきは窓に顔を近づけ、目を輝かせた。


「今回の参加者って、どれくらいいるんだ?」


「数万人はいると思うわ」


サクラの答えに、こうきは驚いた。


「数万人!? そんなにいるのかよ!」


「それだけ王様になりたい人がいるってことね」


「強いやつもたくさんいそうだな!」


「だからこそ、まずは生き残ることを考えないとね」


サクラの言葉に、こうきたちはうなずいた。


「食料と水は十分に積んであるし、宇宙船の整備も問題ないわ。準備はできているわよ」


「よし! それじゃあ、行こうぜ!」


こうきの声とともに、宇宙船はオルディアの発着場へと向かった。


     ◇


宇宙船を降りると、そこには大勢の参加者たちが集まっていた。


人間に似た姿の者もいれば、全身が毛に覆われた者や、見たこともない姿をした者もいる。


「本当にいろんな宇宙人がいるんだな……」


こうきは周囲を見回した。


「ここにいる全員が、王様を目指しているのよ」


サクラが説明する。


こうきは服の下に隠したネックレスに触れた。そこには、自分たちが手に入れた星の雫石がある。


「こうき、星の雫石はちゃんと隠しておいてね。見つかったら、奪おうとしてくる人もいるかもしれないから」


ゆきが心配そうに声をかけた。


「分かってるって」


こうきはそう答え、周囲に視線を走らせた。


そのとき、近くにいた参加者たちの会話が耳に入ってきた。


「今年は参加者が多いぞ!」


「数万人はいるらしいぞ!」


「誰が最後まで残るんだ?」


「一つ星も何人か来ているらしいぞ!」


その言葉に、こうきたちは顔を見合わせた。


やがて、巨大な鐘の音が鳴り響いた。


集まっていた参加者たちが一斉にそちらを向く。


空中に巨大なホログラムが映し出され、そこに一人の老人の姿が現れた。


『これより、第百代目惑星連合王国王位継承レースを開始する!』


老人の声が、会場全体に響き渡った。


『ルールは簡単だ。宇宙に散らばった星の雫石を集め、王の城がある星へ最初にたどり着いた者が、新たな王となる!』


参加者たちの間から、歓声が上がる。


『レースの進め方に制限はない。星の雫石を奪い、相手を欺き、立ちはだかる者を倒すことも自由だ!』


老人は言葉を続けた。


『ただし、無関係な一般人を無意味に巻き込むこと、惑星を破壊することは禁じる!』


会場の熱気が、さらに高まっていく。


『そして、優勝者には願い星によって、どんな願いでも一つだけ叶える権利が与えられる!』


「うおおおおおっ!」


参加者たちの歓声が響き渡った。


こうきも拳を握りしめる。


「いよいよ始まるんだな……!」


「気を引き締めていこうね」


ゆきが声をかける。


「うん。まずは最初の目的地を目指そう」


みずきも落ち着いた様子でうなずいた。


そのとき、こうきの服の下にある星の雫石が光り始めた。


「ん? 光ってる……」


こうきが取り出すと、星の雫石はある方向を指し示していた。


周囲を見れば、ほかの参加者たちが持つ星の雫石も、それぞれ異なる方向を指している。


「みんな、向いている方向が違うわね」


サクラが気づいた。


「ってことは、最初に向かう場所はみんな違うってことか!」


こうきは星の雫石を見つめた。


「なるほどな。最初から全員が同じ場所に向かうわけじゃないんだ」


参加者たちは、それぞれの星の雫石が示す方向へ動き始めた。


その直後、少し離れた場所で爆発音が響いた。


「な、何だ!?」


こうきたちが振り向くと、参加者同士が戦闘を始めていた。


星の雫石を巡る争いは、レースが始まった直後から起きていたのだ。


「もう戦ってるのか……!」


こうきは驚いたものの、すぐに前を向いた。


「でも、俺たちはまだ戦わない。知らないことも多いし、まずは星の雫石が示す場所へ行こうぜ!」


「そうね。今は無理をする必要はないわ」


サクラも同意した。


こうきたちは宇宙船へ戻り、それぞれの準備を整えると、最初の目的地へ向けて出発した。


こうして、五人の長い旅が正式に始まったのだった。

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