5.人生終了?
何気なく日常を送っていたら2月になっていた。そして今日は来週の球技大会のメンバー決めがある。
この学校は1学期に1回に球技大会がある。
因みにこの学校は3学期制で今は3学期だ。つまりもう2回やっているということで、その2回でクラスの傾向は掴めた。
このクラスにはガチ勢がいなくエンジョイ勢がほとんどで、しかも俺を含めた男子の半数は球技大会というより、スマ〇ラやマリ〇パーティをやりに来ているゲーム勢なのだ。そして女子もずっとお喋りをしながらお菓子を食べている。
だからこのクラスでは、球技大会は球技をする日ではなく、体育で合法的にサボりが許される日と認識されている。
そしてみんなゲームがメインとなっているので、球技大会のメンバーの全てがじゃんけんで負けたヤツが担当することになっている。
ゲーム勢の俺がいうのもなんだが球技大会って一応体育の時間判定なのにこんなゲームしてていいのかという疑問が湧いてくる。しかしそれもクラスでゲームをやっているうちに忘れ去られる。
そして本日の授業が終わり球技大会のメンバー決めの時間となる。
「来週に球技大会があるため、メンバー決めをしたいとおもいます。」
クラスがわっと一気に盛り上がる。ちなみにこれは、球技大会に盛り上がっている訳ではなく、なんのゲームをするかと、どのお菓子を買っていくかで盛り上がっている。
「それでは早速、男子でサッカーをしたい人はいますか?」
当然の事ながら誰の手も挙がらない。
「じゃ……じゃあ、バレーをやりたい人はいませんか。」
この調子でドッヂボールのメンバーも聞くが誰も清々しい程に手を挙げない。
「それでは、今回もじゃん負けでいきたいと思います。」
毎回学級委員が司会進行するが、球技大会のメンバーに誰もエントリーしないので不憫に思える。
男子たちは教室の一角に集まる。そして学級委員の掛け声でじゃんけんが始まる。普段なら何回もあいこになってグループ分けするが今回は一発で決まる。俺とリョウマほか数人はグーを出していて、残りの人達はパーをだしている。
「「「よっしゃぁぁぁぁ!!」」」
大学に合格したんかと言わんばかりの声をあげてパーを出した人たちは喜んでいる。
一方でグーを出して負けた組はみんな虚ろな目をしている。脳が理解を拒んでいるようだ。
いつも明るく振舞っているリョウマさえ顔面蒼白になり人生が終わったかのような顔をしている。
そこまで悲観することはないだろうに……。
そこでふっと俺の手を見てみる。
拳を握りしめている。
(ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛!!)
客観的に他人を見ていたせいでジャンケンに負けたこと気づかなかった!!!何をしているんだ!俺!!
まるでバカみたいじゃないか!!
手がどんどんと白くなっていく。血の気が引いているみたいだ。(すまん、リョウマ……お前の反応は妥当だわ。)
「もー!どうしたの?2人とも!死んだ魚みたいになっちゃって。」
あっけらかんとした声が後ろから聞こえる。
リンは運動神経抜群だからこのイベントは参加するだろう。でも俺らは違う!!
「どうしたもこうしたもねえよ!ジャンケン負けちまったんだ。ガチでやらかした。」
「マジで人生詰んだわ……どうしよう……。」
「球技大会出ることが決まっただけで人生終わってたらもう何回死んでるんだよ〜w」
「「笑うなよ!!」」
「どうする?燃やすか?」
「ああ……そうするしかない……。」
「燃やすって一体何を?」
「「学校」」
「エッッグゥ……こいつらやばすぎるわ……。救いようがないわ。」
もうどうとでも言いやがれ。
もう終わったんだ、全てが……。
「けどさ〜。2人が嫌なのって団体競技で足引っ張るからでしょ?」
「そうだけど……?」
「じゃあ、足引っ張んないように努力すればいいんじゃない?」
「「その手があったか!!」」
「揃いも揃って馬鹿すぎるわ、こいつら。なんでこいつらとつるんじゃったんだろ、私。」
「じゃあ早速今日の放課後練習な!」
「おお!!」
希望が見えてきた気がした。




