3.秘密
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ポケットに入っている鍵でドアを開ける。
「お帰り〜。」
「ただいま!」
リビングにいくと、キッチンにお母さんが立っていた。
「調子はどうだった?大丈夫?」
「今のところ大丈夫だよ!ありがとう!」
「ご飯できたからね。」
「わかった!すぐ来る!」
私は2階へとあがり、自分の部屋に行く。
ベットでは私が寝ている。
私を規定の位置に移動させて同期を切る。
「ふう。」
ゴーグルと脳波を読み取る機械を外し起き上がる。
そう、私は今日私の格好をしたアンドロイドに学校をいかせた。私だって学校に行きたいがとある理由があって、あと半年近く行くことができない。
階段を降りながらそんなことを考える。アンドロイドを脳波で動かす以上、学校に行っている間はずっと寝ていなきゃ行けないので、軽く歩くことすら少し苦痛に感じつつある。
(家で運動できるようにしなきゃな……)
「あ!やっときた。」
「どうだ美桜?ラグとかはなさそうか?」
お父さんも今日はアンドロイドの試運転日なので会社を休んでくれている。最近はMMSグループとしてIT業界に名を馳せつつある。
「ありがとう2人とも!大丈夫そうだよ!」
そう返事して席に座り、食事しながら会話する。
「そういえば、ルイ君はどうだった?」
「そうそう!大きくなったら結婚するんだ〜って言ってたじゃない!」
「そんなんじゃないよ…、けど私が幼なじみってことに気づいてないみたい。」
「そうか……。まあ昔からだいぶ変わったもんなぁ。」
「後で引越しそば渡すためにルイ君家行かなきゃね!」
「ああ…そうだな……。俺が渡しに行こうか?」
「いいわよ〜。私もルイ君見たいしね〜。」
「美桜はどうする〜?」
「私は大丈夫。」
「そう……わかったわ。」
「美味しかった。ご馳走様。」
食器を片付けて2階の自室へと戻る。
「今の私をルイが受け入れてくれたらどんなに楽だろう……。」
ルイの家側の窓に手を当てて話しかける。
(やっと戻ってこれたのに…手を伸ばせば届く距離なのにすごく遠く離れてる感じがする……。)
ベットに寝そべり枕に顔をうずめる。
「早く。ルイに本当の意味で会いたいよ…。」
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インターホンがなり玄関のドアを開けると、綺麗な女性が立っていた。
「どうもこんにちは〜。隣に引っ越してきた桃瀬です。これからよろしくお願いします。」
その女性は愛想の良い笑顔を向けてくる。
「こちらこそよろしくお願いします。」
「こちら引っ越しそばです!ご家族でお食べになってください!」
「すいません。ありがとうございます。」
「ご家族は今どちらに?」
「えっと……しばらく家を留守にしていて、しばらく帰って来ていないんです……。」
「そうなんですか…。」
女性は悲しそうな顔になる。
「僕は大丈夫なので、気にしないで下さい。」
「ならいいんですけど……。」
そこでふっと懐かしい顔が思い浮かんだ。
そうだ。あの夢によく出てくる女の子の母親にものすごく似ている。
「間違ってたら申し訳ないですが、以前会ったことありますか?」
その女性は一瞬悩みと喜びが混じったような顔をしたが、すぐ愛想の良い笑顔に戻る。
「申し訳ありませんが、誰かと勘違いなさってると思います。」
「そうですか……。変なことを聞いてしまってすいません。」
「いえいえ〜、じゃあ私はこれで失礼します!再度になりますが、これからよろしくお願いします!」
そういって帰っていった。
あの夢に出てくる親の人じゃないのか……。
「それにしてもすごい似ていたな。特にあの悲しそうな顔が……。」
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私は美桜ちゃんと違ってあまり変わってないから、勘づかれちゃったのかしら……?それにしても、男の子はすぐ変わっちゃうわね〜。最後に見た時の面影がほぼないじゃない。
「私が話しても良かったけど…、やっぱり美桜ちゃんで気づいて欲しいものね……。」
と空に向かってつぶやき、2人が上手くいくことを願う。




