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85. 反撃の狼煙は上がる!

 2X26/02/10 23:08 ■red tree

 それで、このあとはどうする?

 その動画を持って、英磨のところに行くの?



 2X26/02/10 23:08 ■コジロウ

 直接だと、おれはいけねえぞ

 関東住みじゃねえから


 2X26/02/10 23:09 ■酒井カレン

 ネット上でケリをつける

 予定が決まったら、ゼータのPMで知らせるよ

 もう11時だし、今日のところは解散しよう



 [了解]

 [乙でした~]


 大輔、カケルとスレッドから抜けていくのを見ながら、美月は立ち上がろうとするが……



 2X26/02/10 23:10 ■コジロウ

 ピロシキうぜえええええええ!!



 [どした、コジロウ

 夜中にピロシキなんて食ってるのか?

 太るぞ]


 なんだよ……陸が待ってるんだから、そろそろ終わりにさせろよ



 [ちげえよ、カトウだよ! TAPAドライブの!! 

 リンク踏ませるのに、ちょいと煽ったら延々と煽り返してきやがる]



 ピロシキ @shingenmochi22 2月10日

 おい、お前ひきこもりだろ!

 お前のゼータのポストみたら、昼間にも書き込んでんじゃねえか!

 お外にも出れねえクズが!!

 俺に謝れよ!




 岐阜県

 うっぜええええええ!! マジうぜええええ!

 おれ、そろそろゲームしてえんだけどよお~~!



 ■コジロウ @blackmask99z 2月10日

 オレ様は引きこもりじゃねえよ!

 これ以上、オレのことをバカにするなら

 お前がロリコンの変態野郎だって、みんなにばらすぞ!!



 ピロシキ @shingenmochi22 2月10日

 やってみろ、Дура-а-а-а(  バーーーーーカ)-ак!



 ……じゃ、お言葉にあまえて。

 いや、もうやってんけどな……!




 [おい、コジロウ

 わたし、もう落ちるけど、結局カトウはどうなったんだ]


 [どうもしない

 向こうのお望みのままに、してやった

 カトウのオンラインストレージ、全世界に公開したまま]


 [ロシアって、児童ポルノの配布は違法って言ってたけど、捕まったらどうなるんだ?]



 [ム所に最長で10年かな]


 [そうか 

 ちょっとかわいそうな気もするが]


 [いや、全然かわいそうじゃねえから!]




 ピロシキ @shingenmochi22 2月10日

 クソガキが!!

 いいか! ガキは大人の言うことだけ聞いてりゃいいんだよ!

 逆らうな! 逆らったら殴るぞ!!

 あと、ピーピー泣くな! うるせえから!!



 …………こいつ、子供殴ったことあるよな……。

 クズヤローが!


 さあ~~て…………おれ様はとても親切な人間だからよ……。

 ダークウェブのネギバナにいるロリコン野郎どもに、児童ポルノが配布されてる場所でも教えてやっかな!

 カトウが共有設定の変更に気づくのが先か、ロシア当局が気づくのが先か……てめえが生き残るチャンスは与えてやんよ!



 コジロウがネギバナの児ポスレに書き込みをしてる時にも、カトウはコジロウを煽っていた。相手が自分よりも弱いとわかったら、徹底的に叩く! それがカトウという人間だった。

 それから半月後……カトウのTAPAドライブのアカウントは消えることになるが、なぜ消えたかはコジロウの知るところではなかった…………。




 2月11日 金曜日

 ネギバナでのBlackブラック Maskマスクの会議の次の日

 美月は東京の自宅に戻る為、若緑駅のホームにいた。長い足を組んで椅子に座り、ハート型のリングストラップがついたスマホからどこかに電話をかける。



 東京都二鷲(フタワシ)市 午前11時21分


 一ノ谷英磨は、数人の仲間とともにポルシェの販売店にいた。

 祖父である一ノ谷十三(イチノタニジュウゾウ)からポルシェをプレゼントされ、仲間とともに納車式に来たのだ。



「すげえな、英磨! 10代でポルシェかよ!」


「マロくぅ~~ん! わたし助手席に乗せてよお~♪

 わたし、ポルシェ乗ってみた~~い!」


「落ち着けって、お前らよ~!

 まずは写真撮ろうぜ、写真!」


 銀縁のオシャレな眼鏡をかけ、無造作のマッシュヘアの男……一ノ谷英磨。見てるだけで香水のきつい匂いが漂ってきそうな、その男は上機嫌で仲間達に呼びかける。


「オッケー! 早くベール取れよ。

 それとも、オレ取っちゃっていい?」


 髪を金髪に染め、ホストのような容貌の男がポルシェにかかったベールに手をかけ言う。


「いいわけねえだろ♪ 店員さん、カメラカメラ!

 俺がベール取るとこ、ちゃんと撮ってよ~~♪」


 英麿は笑いながらホスト風の男友達を押しのけ、ベールに手を取るとカメラを構えた店員の方を向く。

 ……と、スマホのコール音が納車ルームに鳴り響く…………。英磨のジャケットからだ。


「おいおい、誰だよ~こんな時に……」


 文句を言いながらも、英磨は笑顔である。

 2000万はするポルシェの納車式だ。ちょっとやそっとのことで不機嫌にはならないだろう……。


 しかし…………



 スマホの画面を見た瞬間、英磨の表情が固まる。そこに表示された発信者の名前は…………。




 酒井可憐



 英麿が高校時代に付き合っていた彼女であり、初体験の相手であり……強姦した女性だった。

 そして……その年に死んだ同級生でもあった。



 な、なんで……可憐が…………!


 上機嫌だった英磨の顔から笑顔が消え、ポルシェセンターの納車ルームにスマホのコール音が鳴り響いていた……。

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