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レスバの無双者 -ネットの匿名、全て見破ります!-  作者: シンザン34


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130/131

130. 一ノ谷雅彦は、どこに消えた!?

 東京都二鷲(フタワシ)市、帝国大学近辺のマンション。その一室にスマホの呼び出し音が鳴り響く。


 …………登録されていない電話番号。疲れ切った表情で、一ノ谷英磨はスマホの電源ボタンを押して通話を切る。


 銃で撃たれたように英磨は、力なくソファーに倒れこむ……。

 Black(ブラック) Mask(マスク)とのレスバ以降、英磨を取り巻く環境は激変した。

 誰かがチクったのだろう……マスコミが取材攻勢をかけてきた。次は見知らぬ番号からの通知……出れば、「レイプ犯だろ!」と罵詈雑言…………。

 かつての仲間達は今までと変わらず接してくれるが、それは面の皮一枚…………その皮の向こうで軽蔑し、嘲り笑ってるのが感じとれた。



 ポオオオ~~~ン♪


 スマホから鳴り響くは、ゼータの通知。



「……ったくもう!」


 乱暴にスマホを手に取り、通知を確認する……。



 ペケゾー@wizard34 2月13日

 英麿さん、魔法使いのペケゾーです

 電話出てもらえませんか?

 あなたのお父さん、一ノ谷雅彦さんについてです



 ぺ、ペケゾー……!? あいつか…………。


 再び鳴る、スマホの着信音……。今度は出た。



「も、もしもし……」


「あ、えっと…………ひ、英磨さん? ペケゾーです……可憐さんの件でレスバした…………」



 受話口(ジュワグチ)より聞こえる、男の子の声……。


 こ、子供……? いや…………声変わりはしてるか……。

 こいつが魔法使いペケゾーか…………。


「……ペケゾーさん、俺のパパ……一ノ谷雅彦が見つかったのか?」



 神楽坂カケルは緊張した面持ちでスマホを耳に当て、通話をしている。相手は数日前にコテンパンにやっつけた、一ノ谷家の跡取り息子、一ノ谷英磨。


「えっと…………まだです……ごめんなさい、捜してる最中です」


 カケルにとって英磨は、完膚なきまでに叩きのめした相手である……。しかし、ようやく外に出れた引きこもりの性(サガ)か……初めて話す相手には、自信のない態度で接してしまう。



 東京都二鷲市

 英麿はソファーに、もたれかかりながら、ヒキ板の魔法使いと通話していた。

 スマホから聞こえてくる弱弱しい声に拍子抜けしながらも返答をする。


「そうか……。

 え~~と、じゃあなんの用だ?」


「……雅彦さんが、失踪した当時のことを知りたいんです。その時のこと、詳しく教えてくれませんか?」


「いいけど……それは警察にも話したし、そもそも俺は東京で独り暮らしをしてたから、そんな詳しくは話せないぞ……」


「それでもいいです……状況を教えて下さい」


「……わかった」



 そう言って英磨は自身の父親……一ノ谷雅彦が行方不明となった日のことを語り始めるが…………それはカケルが数時間前、ベルに聞いた内容とほぼ一緒だった。



 神奈川県蒼町


 う~~~ん…………新たな情報は無しか……。



 ガッカリした表情を浮かべるカケル……しかし諦めきれず、更に問う。



「なんか……いつもと違うこととかって、なかったですか?」


「これも、ママやお姉ちゃんが警察に話したんだけど……行方不明になる一ヶ月か、二ヵ月前くらい、パパの知り合いが一ノ谷邸を何度か訪れてたらしいんだ」


「……………………!?」


「一ノ谷邸に訪ねて来る客の大半は、ジイジ目当てだ。ジイジは隠居してはいるが、まだまだ政界や財界に顔が利くからな……。だから、パパ相手に客が来訪してパパの書斎に案内されたから、ママやお姉ちゃんは、よく覚えていたらしい……」


「……その客のこと、詳しく教えてくれるます!?」


「いや、だから……俺は東京に居てその場には居なかったから、詳しくは話せないけどさ……ママと姉の話だと、タケダミノルって、名前らしい」



 タケダミノル……誰だ、それ。


「男性ですよね? えっと……どんな漢字を書くんです?」


「男だよ、30歳前後……って言ってたかな。お姉ちゃんが言うには、いい男だったってさ……。

 漢字は知らない。パパがそう呼んでるのを聞いただけみたいだから」


「そう……職業とかは?」


「わからない。ママが一度、パパに聞いたらしいけど、仕事の関係者……って、はぐらかされたらしい。

 つうか、お前……失礼、ペケゾーさん、あんた俺や可憐の情報をホイホイ持ってこれたじゃないか。そのタケダって奴の情報、魔法とやらで調べられないのか?」


「……ほんとは魔法じゃないです。在在センにアクセスし、情報を見てるだけです。タケダって名前だけじゃあ、一人に絞れない……」


「…………そうか。いろいろ難しいんだな」



「……他になにか、ないですか? 些細なことでもいいんで」


「いや、だからさ……俺は一ノ谷邸に居たわけじゃないんだって。些細なことって言われてもなあ…………。

 あ、そういえば……」


「な、なんでしょう!?」


「……いや、関係あるかは知らないけど…………

 正月に帰省した時、パパの部屋で10台以上のスマートフォンを見たな」


「え……? それって、どういう…………」


「中古のスマホみたいだったけど、20台近くあったかな…………ああ、充電ケーブルも同じ数くらいあった。

 不思議に思って「何これ?」って聞いたんだけど、「仕事で使うんだ」って言われて……具体的にどう使うかは、企業秘密とか言って教えてくれなかったよ」



 …………中古のスマホ……。


 そう聞いてカケルが真っ先に思い浮かべたのが以前、■Lich(リッチ)こと、大林美月に掴まされた赤いスマホ……盗聴器だった。



 ……あの時、美月さんはおれが住んでる場所を特定するために、三台のスマホを蒼町に住む" カグラザカカケル "に配った…………そう言ったけど……一ノ谷雅彦も同じようなことを?


 …………わからない。

 ほんとに仕事で使うだけだったのか、それとも…………。



 ■コジロウ @blackmask99z 2月13日

 おい、ペケゾーちゃん

 まだ電話、終わんねえのかよ




 おっと、コジロウパイセンから催促だ……って。



「おい、ペケゾーさんよ。そろそろ切ってもいいか?

 悪いがこっちも、いろいろあってな……いつまでも長話してられない」


 英麿のほうも、切り上げたいって感じだな……。



「あ、ああああ……ごめんなさい。

 情報、ありがとうございました!」


「いや、お礼言われるほどのことは言ってないけど…………。

 なんかわかったら、教えてくれ」


「わかりました……えっと、さようなら」



 ……一ノ谷英磨との通話は終わった。




 ペケゾー@wizard34 2月13日

 ああ、先輩さ~せん!

 今、通話終わりました!



 ■コジロウ @blackmask99z 2月13日

 そっか

 で、どうだった?




 [いや、緊張したっす! 外に出れたけど、やっぱ普段話さない人との会話って緊張しますね!]


 [おめえの感想なんて聞いてねえよ! 英磨と話して、なんか情報なかったのかって聞いてんだ、ゴラァあ!!]



 [ひどい!! おれ、一所懸命頑張って電話したのにぃい~~!]


 [電話したぐれえで、頑張ったとか言ってんじゃねえ!!]


 [……おれは引きこもりです! ヒッキーが頑張って電話したんです!!]


 [だからなんだ、ボケ!! おれ様はヒッキーを甘やかさないニートだ、そこんトコ憶えとけ!]


 [ぶう~~~! 外出れんなら、とっとと学校池、クソニート!]


 [てめえ! 誰をクソ呼ばわりしてんだ、このクソヒキ!!

 最低限の単位くらい、とってるわ!]



 ニートとヒッキーの、まったくどうでもいい罵り合いが始まるが………………

 二人の不登校児は5分で喧嘩に飽き、とっとと仲直りした。




 ■コジロウ @blackmask99z 2月13日

 ま、とにかくだ……!

 おれ達は一ノ谷雅彦を捜さなきゃなんねえ




 別に一ノ谷雅彦を見つけなくても、おれは問題ないけどな……。でも、まあ…………コジロウ先輩、一ノ谷雅彦の行方が気になってるみたいだし……捜すかあ~~!


 ……って、そういや、タヒ子の兄……岩田良平は、なにか掴めたんだろうか……。

 電話してみるか…………雅彦さんについて、なにか分かったら教えて……とも伝えたしな。



 [パイセン、ちょっと待って下さいねえ~~

 エイト06を持つ、もう一人の人……岩田良平に電話かけますんで]

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