プロローグ編020/【MVWA/マルチバース・ワールド・アーカイブ/多元宇宙書庫】と【MVWA】の【指定存在(していそんざい)132496】/【栞(しおり)】
【池原親娘】と別れた【丑与果】は、旅の目的を整理する事にした。
【丑与果】の【宇宙世界】を舞台にした【一生】では何をするべきなのか?
1つ、【新たな宇宙世界】を【創成】する。
2つ、【宇宙世界】を【創成】してくれる【異性のパートナー】を作る。
3つ、【宇宙世界】での生を終え、【世界他外】を舞台とする新たな生(【狐狸 寅狼】)へ転生する。
以上だ。
それ以外の目的は生きていく上で追加でしかない。
この3つの目的を果たすために、何をするべきか?
それを考える事にした。
【宇宙】を1つ作るには、【急膨張/インフレーション】や【ビッグバン】などが必要だ。
だが、それはあくまでも【宇宙】単体の話だ。
複数の【宇宙】である【多元宇宙/マルチバース】と同じ意味の【宇宙世界】誕生にはそれだけでは足りない。
それを知る必要がある。
それを調べるにはどうしたら良いのか?
【MVWA/マルチバース・ワールド・アーカイブ/多元宇宙書庫】と呼ばれる場所には、この【宇宙世界】全ての【知】が記されているとされている。
つまり、そこへ行けば、【宇宙世界】を作る方法もわかるかも知れない。
そう言う結論になった。
目指すは、【MVWA】。
そこへ行くにはどうしたら良いのか?
それを調べるために近くの図書館を目指すことにした。
【丑与果】は、
「図書館か・・・
(48周目の人生では)初めて行くことになる。
どうすれば良いのか・・・
それは行ってみてから考えるとするか?
子供でも入れてもらえるのだろうか?」
と言った。
図書館に行ったことが無いので勝手がわからないのだ。
【丑与果】は導き手を求めてまた【ギフトシャボン】を使った。
しばらく待つと、【シャボン玉】の中で【丑与果】より2、3歳年上っぽい眼鏡を掛けた1人の少女が運ばれて来た。
【シャボン玉】から出された眼鏡の少女は、
「ここは・・・
どこ?」
と尋ねた。
【丑与果】は、
「済まない。
わりっちのせいだ。
この先、どうすれば良いのか皆目見当も付かない状態だったので、道しるべを求めて【ギフトシャボン】と言う【異能】を使った。
それで運ばれて来たのが君だ。
【異能の力】を信じれば、君はわりっちの導き手になるはずなのだが・・・
何か心当たりとかあるだろうか?
困っている君に対して、こんな質問は迷惑なのかも知れないが」
と言った。
眼鏡の少女は、
「そうね・・・
とりあえず、私が、【MVWA】の鍵って言われている【存在】の1人って事かしらね?」
と言った。
【丑与果】は、
「なんと、そうか。
わりっちは【MVWA】を探しているのだ。
とりあえず、【図書館】とやらで【MVWA】のヒントを探そうと思っていたのだが、それならば渡りに船だ。
【MVWA】にはどうすれば行けるのだ?
教えて欲しい。
わりっちに出来る事なら出来る限りの事をする。
あぁ、申し遅れた。
わりっちの名前は、【寿絶 丑与果】と申す。
君の名前は何というのだ?
教えていただけないだろうか?」
と言った。
眼鏡の少女は、
「私の名前は、【MVWA】の【指定存在132496】よ」
と言った。
【丑与果】は、
「ん?
し、してい・・・存在?」
と聞くと、
「そう。
人間としての名前は無いわ。
【MVWA】に行く方法は、いくつかあるけど、【指定存在】はその中の1つ、【MVWAの入り口階段】を指定する事が出来る存在よ。
分かり易く言えば、私が指定した階段は一時的に【MVWA】の入り口の【階段】になるの。
指定を解除すれば、それはただの【階段】に戻る。
こうやって【MVWA】は、不法侵入者を出さない様に管理しているの」
と言った。
「すると、君にお願いすれば、【MVWA】に行けると言う事か?」
「そうね。
ただし、私が貴方は不法侵入者では無いと認め無ければ入り口は作らない。
指定して欲しければ、私に貴方の正当性を示しなさい。
でなければ入り口は作らない。
脅迫しても無駄よ。
私は脅しには屈しない。
私はいつでも存在を消す事が出来る。
つまり、貴方が私を脅しにかかったら私はそのまま、消える。
それでおしまいよ。
さぁ、どうするの?
私に何を証明するの?
貴方の判断を表現なさい」
と言う話になり、【丑与果】は、
「なるほど。
わかった。
君に正しさを証明すれば良いのだな。
ではわりっちの事をわかる範囲で洗いざらい話そう。
それで信じて貰うしかない。
ウソは付かないと誓う。
もし、ウソを付いていると君が感じれば、わりっちは君に正当性を示せなかったと言う事になる。
だが、わりっちの話を信じて貰えるのなら、それは正当性を示した事になると思う。
それが、わりっちの証明の仕方だ。
話して理解してもらう。
それが今のわりっちに出来る最大の方法だ」
と言って、可能な限り、今まであった(48回目の人生の)事を話したのだった。
それを聞いた【MVWA】の【指定存在132496】は、
「話を聞いて正しさを証明する事にはならないが、貴方は自分に不利な事も包み隠さず、正直に話していた。
会話や文章を見れば、その者が正直者か嘘つきかはわかる。
貴方は馬鹿正直な人間の様だ。
良いだろう。
【MVWA】の【入り口階段】を指定する。
好きな階段を選ぶと良い。
そこが、【MVWA】の【入り口】に変わる」
と言った。
【丑与果】は、
「ありがとう。
改めて君に感謝する。
ではそこの階段でもかまわないか?」
と聞いた。
【MVWA】の【指定存在132496】は、
「かまわない。
どこであろうと指定は出来る」
と言った。
「そうか。
では最後に・・・君に呼び名を付けさせてもらってかまわないだろうか?
【MVWA】の【指定存在132496】では味気ない。
【本】には、読んだ所までをわかるように、【栞】と言う物があると聞いたことがある。
だから、君のことは【栞殿】と呼ばせて貰って良いだろうか?
今後、また、お世話になるかも知れないし」
「かまわない。
それより・・・たらしだな・・・
貴方は。
よりによって私の名付け親になるとはな。
【栞】・・・良い名だ。
その名前、大切にさせてもらう。
ありがとう」
「こちらこそだ」
「さぁ、出来たぞ。
階段を上がると良い。
上がった先は、【MVWA】の【エントランス】の1つとつながっている」
と言う話になった。
【丑与果】は、
「そうか。
では・・・」
と言って階段を上がって行ったのだった。




