プロローグ編012/女性師匠【佐伯 舞夢(さえき まいむ)】1
48周目の【寿絶 丑与果】は7歳となった。
この時点での彼は【天涯孤独】の身となっている。
家族とは生き別れという事になっている。
その【丑与果】を引き取ったのが、彼の女性師匠となる【佐伯 舞夢】と言う女性だ。
彼女は、【永遠の17歳】となっている。
【17歳】で時を止められているため、【肉体】は17歳のままなのである。
【肉体年齢】を考えなければ彼女は、20年間【17歳】の身体を維持しているので、37歳という事になる。
彼女は未亡人である。
愛する夫が、高名な魔法使いであり、彼女の肉体を【17歳】のまま維持できる様に【肉体を魔術保存】した。
ただし、この【魔術保存】は、【婚姻関係】にある魔法使い以外の異性との不貞行為があると解けてしまう。
そして、魔法使いは【舞夢】と初夜を迎える前に死亡してしまった。
そのため、当時、【処女】のまま魔法使いと【17歳の肉体】がずっと維持できると言う事だけで、結婚していた彼女は、【処女】で居ることを強要される。
不貞行為がどこまでを指すのか彼女には不明だったため、他の者との【キス】も出来ない状態だった。
性欲はあっても性行為はもちろん、キスも出来ないため、欲求不満は募るばかりだった。
その欲求のはけ口として、彼女は修行に励んだ。
何時しか、達人と言われるまでになっていたのだった。
そんな彼女の口癖は、
「あ~・・・
男欲しい・・・
男、男、男、男、男、男、男、男、男、男、男、男、男、男、男、男、男、男、男、男、男、男、男、男、
男欲しい・・・」
だった。
【丑与果】は、
「では、パートナーを見つければ良いではないですか?」
と言った。
【舞夢】は、
「バカね、それが出来りゃ、苦労は無いのよ。
言ったでしょ。
死んだ旦那との婚姻契約が生きている限り、このピチピチの肉体を保つには不貞行為は禁止なの。
それがわかったら結婚なんかしなかったわよ。
今まで、どれだけのイケメンが私に声を掛けたと思っているの?
4桁よ4桁。
1000人以上が私に声を掛けたの。
でも、1人も相手に出来なかった。
何故か?
それは年取っちゃうから。
今、年取ったらいきなり37歳よ、37歳。
子供生むのも難しくなる年齢になっちゃうのよ。
そんなの嫌よ。
何としても、この状態を維持したまま、男を作る方法を探しているの。
それが見つかるまで男はお預けなのよ。
あぁぁぁぁ・・・
男が欲しい。
もちろんいい男が・・・」
と言った。
「師匠にはわりっちを引き取っていただき感謝の念が絶えないが、それだけはよくわからん。
そんなに良いものか?
男に依存するという行為が」
「ガキンチョにはわかんないわよ。
年を重ねるとね、独り寝が寂しくなるのよ。
そんな時、男が近くに居ると安心するの。
もちろん、クズは嫌よ、私は。
駄目男が好きって女も居るけど、私は駄目ね。
やっぱり、ちやほやされたいし。
私って可愛いじゃない?
だから相応しい男って居ると思うのよねぇ~」
「そんな、ものなのか?」
「そうよ。
あんたも大きくなって私とお似合いになったら彼氏にして上げても良いわよ。
あんた、女に対して免疫は無いけど、約束はちゃんと守るし、その辺だけはちゃんと信用してるわ。
それなりに良い顔してるし、きっと成長したら良い男になるなって感じがするわ。
だから、あんたを引き取ったのよ。
だから、私に恩返しするつもりで、いつか良い男を連れて来なさいよね。
居なかったらあんた自身でも良いから」
「済まない。
約束は出来ない。
どうやら、わりっちが求めている者と師匠は異なる様だ。
わりっちの勘がそう言っている」
「わかってるわよ。
私の見立てでは、あんたは私なんかよりいい女を見つけるだけの超英雄性を持っているわね。
きっとあんたと結ばれる女はとびっきりのいい女なんでしょうね?
でもね、あんたを育てたのは私。
それだけでは忘れないでよね」
「それはこれから育てていただけるという事か?」
「そうよ。
いい男とは何か。
私がみっちりと教えてあげるから。
ちゃんと私に感謝するのよ」
「わかった感謝しよう」
「それよそれ。
そのガキンチョらしくない格式張ったしゃべり方、何とかならないの?
もうちょっと子供らしくしなさいよ。
愛嬌が無いとモテないわよ」
「そう、言われてもわりっちはこれが普通だ。
不器用かも知れないが自分の信じた道は曲げたくない」
「はぁ・・・
わかったわよ。
じゃあ、とりあえずお使いにでも行ってきて」
「わかった。
何を買えばよい?」
と言う様な会話をしていた。
その後、【丑与果】は【舞夢】の元で過ごす事になる。




