表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ごんぶとエルフ転生~人間に搾取された異世界で魔王になった~  作者: 白咲犬矢
ごんぶとエルフ魔王誕生編
11/14

Part11 (閑話) ごんぶとエルフとご祝儀 ~宰相の暗躍~

第一章はここまでです(´・ω・`)

 魔力測定爆発事件の翌日、ハーゼルはフットル将軍の家に招かれていた。


「あなたがエリーちゃんの旦那様なのねっ? まぁっなんて素敵なエルフなのっ、エリーちゃんが惚れちゃうのもわかるわぁ~」


 ハーゼルの目の前にいるのは、フットル将軍の妻であり、国王デプルの妹、

ベリー・ハランデール・オナラブル(140歳)

 見た目はまだギリギリ30代だと思うのだが、体形はエリーゼやデプルに

よく似ていてる。

 椅子に座った瞬間にドレスが若干裂けたような音が聞こえたのだが、

フットル将軍が絶妙なタイミングで咳ばらいをしたので聞こえないふりをした。


「お母様に置かれましてはご機嫌麗しく、こうしてお目にかかれる機会を頂きましたことを、大変うれしく思います。

エリーゼさんも大変美しいお嬢様ですが、奥様も大変美しくていらっしゃる。

お嬢様は奥様に似たのですね」


「まぁっ! あなたっ! 聞きましてっ? この素敵な息子に最高級のワインを持ってきてっ!」


「落ち着きなさい、ベリー、まだ"ハーゼル君の意思"を聞いておらぬのだろう?」

(やばい……完全に外堀を埋められてるよね、でも俺はエリーゼの事が…好きだ)

「あらためてお父様、お母様…… 娘さんを俺にくださいっ!」


「よし、祝杯だっ! セバスチャン、息子に一番良いワインを持ってこい!」


「かしこまりました、旦那様」


 この日ハーゼルは、エリーゼの夫として正式に認められたのだが、

爵位も領地も持たないただの"ハーゼル"だったため、

オナラブル家のハーゼルさんになった。


「今日からは、ハーゼル・ハランデール・オナラブルを名乗るのだぞ!」


「素敵な息子ができてうれしいわぁ~早くエリーちゃんも退院できるといいわね」

「そうですね……まだ集中治療室から出られないって聞いてます。

早くエリーゼに会いたいな……」


 あの日、エリーゼは無理をおして気丈にふるまったものの、

受けたダメージは相当ひどく、体中に破片が突き刺さっていたらしい。

 幸いにも彼女自身の脂肪が殆どの破片を食い止めたらしく、

内臓へのダメージはほとんどなかったそうだ。

 破片を周囲の肉ごとそぎ落とす話を聞いた時、

ハーゼルが一瞬"ケバブ"をイメージしてしまったのは内緒の話だ。

 この世界は回復魔法があり、破片摘出後は傷跡を残さずに、

綺麗に回復できることを聞き、ハーゼルは一安心した。


 その後、セバスチャンがワインを持ってきたのでおいしくいただいたのだが、

酔った勢いでフットルが放った一言に、ハーゼルが凍り付いた。


「ところで"ハーゼル君"……"ご祝儀"はどうするのかね?」


「……えっと、この国のご祝儀の相場はいかほどでしょうか?」


「あなたっ! よいではありませんかっ! 気にしなくていいのよ?ハーゼル」


「いえ、俺に用意できるものでしたら頑張ります!」


「よくぞいった! "我が息子"よ! 私がベリーを娶ったときは、

ブラックナイトドラゴンの魔力結晶とその素材を献上したのだ!

あとは貯めておいた魔石をすべて"前魔王"に渡したぞっ!」


「ドラゴンですかっ!?」


「うむ、婚儀にはいろいろと出費がかさむのだ、ベリーが王家の血筋だからな」


「もう、あなたったら、突然ドラゴンに一騎打ちを挑むから肝をひやしたわよ」


「懐かしいなっ! はっはっはっはっ!」


 この国では、一般的な通貨というものが存在しておらず、

基本的に魔石を通貨として代用しているらしい。

 一般家庭では、ご祝儀を賄うために、婿の家族総出で魔石採掘場に行き、

ひと月ほどかけて荷車いっぱいの魔石を持っていくそうだ。

 嫁の家族はその魔石を使い、ドワーフの国でウェディングドレスを買い、

会場を用意したりする資金にするらしい。

 これが王族ともなると、規模が数十倍から数百倍になるため、

魔石以外の特別なものをご祝儀として用意するというのだ。


「なぁに、無理をすることはないさ! まだひと月もふた月先の話だ、

それに、君はすでに我が家の息子だ、いざとなったら私がすべて負担しよう」


「いえ、俺も男です! 可能な限り用意して見せますよ!」


「あらまぁ! とても頼もしい息子ねっ! そうだわ、今晩は泊まっていって!

よろしいわよね? あなた?」


「あぁ、もちろんだともっ! セバスチャン!」


「はい旦那様、すでにハーゼル様のお部屋はご用意させていただいております」


「だ、そうだ、息子よ! よいな?」


「あっ、はぃ、お世話になります……」


 ハーゼルを歓迎する宴は深夜まで続き、途中でデプルまでなぜか参加してきた。 そして、偶然通りかかったという宰相の提案により、

ご祝儀相当の魔石をかけた謎のテーブルゲームが開催された。

 当然ルールを知らないハーゼルが負けたのだが……

 なぜか掛け金として出した"魔剣グラム"と魔石を交換する流れとなり、

酔っていたハーゼルは、ここぞとばかりに了承して魔石を手に入れていた。


 実はこの流れもすべて宰相の考えだした作戦であり、

ハーゼルとエリーゼの婚姻をスムーズに進めるためのものだった。

 王国としては、新魔王ハーゼルに恩をうる形となり、楔となるエリーゼを、

確実にハーゼルに嫁がせることで安全の確保を行うことができた。

 さらに、オナラブル家に名を連ねたことで、デプルの妹ベリーを通して、

タルンドル王家とのつながりもひそかに確保している。

 この万全の体制を築き上げた宰相の快進撃はこれだけにとどまらず、

アドリブで提案したゲームにより、"魔剣グラム"の回収をも成功させた。


 国王デプルは、素晴らしい功績を収めた宰相に対し"侯爵"の爵位と、

"特級功労勲章"を授与した。

 それにより、宰相の長年の恋が実り、100歳も年下の美しい女性と

結婚することになるのだが、それはもう少し先の話である。

次回から第二章始まります(´・ω・`)

ブックマークも評価も、ポチってくれたらとっても嬉しいです。

本当にありがとうございます。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ