第91話《原初の粒vs新型の神編 最終章 神話を描け⑪めくれた世界 後編ーー真実》
ここまで積み重ねてきた因果が、ついにひとつにつながる。神とは何か。 原初の粒とは何か。 そして、41が本当に願ったものとは――。
めくれた世界の裏側に隠されていた真実。
すべての謎が明かされるとき、神話は終わりを迎え、新たな神話が紡がれて行く。
第91話《原初の粒vs新型の神編 最終章 神話を描け⑪めくれた世界 後編ーー真実》》
虹色の縞模様が脈打つ異空間。
そこには、圧倒的な静けさがあった。
ついさっきまで神を名乗り、世界を支配しようとしていたガンマとデルタは、今やただ立ち尽くしていた。
目の前には、いつも通りの、ふざけた顔をした二匹の子猫。
ねこにゃん。 ぴょこにゃん。
けれど、その背後にあるものを知ってしまった今、その軽薄さこそが恐ろしかった。
――こいつらは、本当に、世界の外側から来た。
その事実だけが、重く沈んでいた。
ーーーー
ねこにゃん「少しは素直になったか?じゃあ本番。おまいらに聞く。おまいらの《神》の定義って何にゃ?」
ガンマ「…貴様らだと言わせたいのか?」
ーーねこにゃんに問いかけられたガンマの瞳は、怒りに満ちた真紅の炎を映しいる。
そこには強力な拒絶が見えていた。
ぴょこにゃん「ふーん。それはずいぶん、感情的な答えだよにゃ。定義に勝ち負けをいれるにょかー。それで?」
ねこにゃん「そっちの白い方は?」
白い方と呼ばれたのはデルタである。
デルタの青氷の瞳にも冷たい怒りが見てとれた。
圧倒的な敗北ーー。
敗北と認めるにも理解が追いつかない。
ガンマとデルタの前にいるのは、ねこの形をした《未知》
全ての攻撃は無効化どころか、なかったものにされてしまった。
致命的な攻撃を受けたわけでもない。
ただただ《おちょくられた》だけーー。
ガンマとデルタには、これ以上、なすすべがなかった。
ーー
デルタ「おかしな事を聞くんだな。ワレらの定義では、能動的な共通意識を一つにまとめ、《方向》を与えるのが《神》だ。その《神》が作るシステムにエラーはない。」
ガンマ「よかろう。教えてやる。過去に君臨する造物主である神とは、宇宙の最初に「正解」を書き込んだプログラマーのような存在だ。それは、 すべての因果律をあらかじめ決定し、狂いなく実行させる絶対的な設計図を描く。」
デルタ「神がそれを人類にフィードバックするのは、公明正大な総体としての正解だ。個人の感情全体の最適化にある。」
ねこにゃん「にゃんか、むずかしく言ってるけど、答えは平凡だにゃ。神様って、説明いらないのが神様って思ってたにゃん。」
ぴょこにゃん「神様助けてーって、言うときの神様の事教えにゃよ。じゃあ次の質問。何で、おまいらは神様作ろうなんて実験始めたにゃ?…はむっ!?」
ぴょこにゃんが次の質問をしようとした時、ねこにゃんが口を押さえた。
ねこにゃん「( ・`ω・´)ぴょこ。それ聞いちゃダメにゃ。聞いたら因果つながるにゃん。」
ぴょこにゃん「(*≧∀≦)あ。ねこ。ゴメン!今の質問は無しにゃ。」
ーー
ガンマ「それが、貴様らが一番聞きたい事ではないのか?ならば、逆に聞く。失敗作とはいえ、ワレらの崇高な実験を邪魔したのは何故だ?」
デルタ「ワレらは41に神の覚醒は期待してなかった。平凡な人生。ワレらは41の耐久性を、ただ愛でていただけだ。」
ねこにゃん「( ・`ω・´)にゃんだとぉ。…失敗作ぅ?耐久性を愛でてたぁ?ジャンク品は、おまいらだろ!ムカつくにゃー。もういい!もう、めんどくさくなったにゃ。」
ぴょこにゃん「あーあ。また怒らせたにゃん。ねこは、優しいから沸点低いにゃんよ。バカなヤツらにゃ。」
ねこにゃん「ふんっ。どうせクライマックスにゃ。終わりにしてやる。ーー《魔のつくもの全て》の力において《夢・色・音》の悪魔を構築!ラミーノ、クロノア、ソノリス!終幕の舞台を用意しろ!」
ねこにゃんの構築宣言とともに異空間に三つの《捻れ》が現れ、ガンマとデルタを取り囲む。
捻れた虹色の縞模様のそれぞれが、瞬時に人の造形に変化していった。
全身銀色の美少女ーー
ラミーノ「《夢の悪魔》ラミーノ参りました。」
輪郭が水墨画のグラデーションのような男性ーー
クロノア「《色の悪魔》クロノア。参りました。」
長い髪の毛を左右、黄色と紫に分けた美女ーー
ソノリス「《音の悪魔》ソノリス。参りました。」
三柱の悪魔はガンマとデルタの存在を無視するように、ねこにゃんとぴょこにゃんに向け頭を垂れて片ひざでかしずく。
三悪魔たちは、最後の舞台に召喚された喜びで、うつむきながらも嬉々とした笑みを浮かべていた。
ぴょこにゃん「よし!ーー《マッドサイエンティスト》の力において異空間エネルギーを《夢・色・音》に変換。従者たちを介しガンマとデルタの《コア》に侵入ーーアクセス!…ハッキング完了!やれっ。ねこ!」
ねこにゃん「現象付与ーー《痛覚!》41の心と身体の痛みを味わせてやる。」
ぴょこにゃん「同調完了ーー《リバースプレイバック!》」
《パリィイィーーーーーン!》
虹色の異空間の景色が鏡のように砕けちった。
ーー
ビー。ピー…。
汽笛のような音がする。
《いーしやーきーいもー、おーいもー。ほっかほかの焼き芋はいかがですか。石焼き芋、甘くておいしいお芋だよー!》
ーー
整った礼儀正しい声がする。
《…毎度おなじみちり紙交換でございます。ご家庭にあります古新聞、古雑誌、古くなったノートやダンボール、ボロ布などがありましたら、トイレットペーパーとお交換いたします。小さいものでも構いません。どうぞご利用くださいませ。》
ーー
プォーーー。プォーーー
甲高いラッパの音が聞こえる。豆腐ラッパだ。
《おなじみ豆腐でございます。美味しくて栄養のあるお豆腐、油揚げ、がんもどきはいかがでしょうか。毎度おなじみ豆腐でございます。プゥー…》
ーー
詩吟を歌うような艶のある声がする。
《たーけやー、さおだけー。物干し竿に竹竿やステンレスポールはいかがでしょうか。2本で〇〇円、お安くしておきます。竿のお取り替えや不要になった竹竿の処理も承ります…》
近くから、遠くから拡声器の声が響いている。
日々、耳に入る、物売りのお馴染みの決まり文句。
昭和の日常BGMだ。
ーー
ガンマ「何!?」
デルタ「ここは?」
ガンマとデルタの前には、昭和の東京の風景が現れていた。
瓦屋根の一軒家が並ぶ、
ほこりっぽく土臭い道路。
低い空を交差する電線。
キャッキャッ…。
遠くから子供たちの遊ぶ声が響く。
夕暮れ前。一番風呂を狙って、からんコロンと下駄の音を響かせながら銭湯の煙突を目指して歩く人影。
タライを脇に抱えたり、胸の前で大切そうに持ったりしながら、路地の角を曲がっていく。
近所の魚を焼いてる美味しそうな匂いが食欲をそそる。
蚊取り線香の匂い。
駄菓子屋の甘い匂い。
雨上がりのアスファルトの匂い。
音や匂いは記憶を掘り起こし、記憶は思い出の映像に音や匂いを塗り込める。
ーーーー温かで柔らかな喧騒。
ねこぴょこたちも、《リバースプレイバック》で再現されたノスタルジックな昭和の風景を眺めていた。
ーー
しばらくの沈黙のあと、 ねこにゃんがぽつりと言った。
ねこにゃん 「41は死んだんにゃ。」
ガンマ 「……何!?」
デルタ 「……」
ーー
先ほどまでの戦いは何だったのだろう。
神の定義の話は何のためだったのだろう。
ガンマとデルタは話の落差に困惑する。
ぴょこにゃんが、少しだけ目を伏せる。
ぴょこにゃん 「……正しくは、消えた。 アイツは、自分で存在ごと消し去ったんにゃ。」
《痛覚現象》ーーその言葉は、重力よりも重く響く。
《ギシィ!》
ガンマ 「くっ!重い。圧縮される。41が消えた?……自分でか?」
デルタ「めまいだと?うっ!捻じ切られる…。貴様らが41の魂を食ったはず…。」
ぴょこにゃん「だから?」
《キン!》
ガンマとデルタの思考回路にギザギザのノイズが走る。
苦痛、不快感、物理的損耗ーー《痛み》である。
ーー《ジュウゥゥウー…》
デルタ「うっ!このノイズは?焼かれてるのか?」
ガンマ「こ、この感覚は?…解析…。《痛み》?バカな…。」
《現象付与》ーーねこにゃんとぴょこにゃんは、構築した悪魔の能力を利用して、ガンマとデルタに《場面》を見せ《心の痛み》を物理的ダメージとして体験させていた。
ガンマとデルタは理解不能な人間の痛みを味わされていた。
ーー
ぴょこにゃん 「41は――神に覚醒したんにゃ。」
空気が凍る。
デルタ 「……ありえん。」
ねこにゃん 「ありえたから、今こうなってるんにゃろ。」
ぴょこにゃん 「皮肉なもんだよ。おまいらの実験は成功した。ーー《人は神になれるか》その答えは――YESにゃ。」
ガンマ「なっ…」
ガンマの喉が鳴る。
ねこにゃん 「まさか、自分が神様だなんて、 本人は最後まで知らなかっただろうにゃ。」
ぴょこにゃん 「もちろん、ここの41は知らない。だって、この世界で笑って暮らしてる41は 《願いが叶った後の残りカス》だからにゃ。」
――
デルタ 「……説明しろ。」
ガンマ 「……これはバーチャルなのか。この再現性は何だ。」
――
ガンマとデルタの見ている景色が、映画のシーンにように、くるくる回る。
これは、ねこにゃんとぴょこにゃんが41の《魂》にダイブしたときに観測した《本当の真実》の記録。
因果軸への影響のため、にゃんこシティの全員にも見せる事ができなかった、41の《生の記録ーーリバース》のディレクターズ・カット版である。
――
目の前の景色ーー。
黄色い帽子をかぶり、同じ色のビニールの小さなカバンを、たすき掛けにした幼児が歩いている。
長靴に赤い水玉の雨ガッパ姿。
目についた石を蹴り、チョコチョコと追いかけている。
41「えいっ!」
《ピチャン…。》
41「あーあ…。」
てけてけてけ
幼児は水溜まりにチャポンと入った石と、水面に映る自分の姿を出し入れしながら不思議そうに見ている。
41「(*≧ω≦)おっきい水溜まりー。クスクスクス。」
《パチャパチャ!》
長靴で水溜まりに入る。
《パチャン!パチャン!》
強く踏んだり、蹴り上げたり。
水しぶきをあげて遊んでいる
41「お水なくならないなー。長靴ピシャピシャー。クスクスクス。この水溜まり明日も残ってるかなぁ?」
ーー
ねこにゃんがガンマとデルタを見据える。
ねこにゃん「お前らにも見えてるにゃろ?かわいいよにゃ。どこにでもいそうな子供にゃ。」
ぴょこにゃんが蔑んだ目でガンマとデルタを見る。
ぴょこにゃん「でも、この子はどこにもいない魂を持たされた。安っぽいドラマのような家庭環境と恐怖と向き合う病を持たされてな。」
ねこにゃん「おまいらの、くだらない実験に耐えながら、41の魂はリサイクルされながら待ってたんにゃ。《とっておきの願い》の時のためににゃ。」
ぴょこにゃん「神に覚醒した41は、自分の手が届く世界を描き変えた。それも、神に祈りながらにゃ。まさか自分が神様だなんて、知らなかっただろ。もちろん、この世界線の41は、その過去を知らない。」
ねこにゃんの目が、細くなる。
ねこにゃん「おまいらの舞台演出は、反吐が出るよ。」
ーー
父の名は、十一
大物政治家。 代々続く名家。
母の名は、彩子
妾。 表には出られない女。
そのあいだに生まれた子供。
それが――41だった。
――
ぴょこにゃん 「ところが、その子供は普通じゃなかった。本妻と子宝に恵まれず、年のいった父親にすれば、やっと授かった子供にゃ。だが自分の立場上、父親と名乗れず41には《お祖父ちゃん》と呼ばせた。でも、その分、深く愛したんにゃ。」
ねこにゃん「ところが41は、成長と共に、おまいらの遊びのために仕掛けた、夢遊病がひどくなり、奇行を繰り返す。電車やタクシーの中のうたた寝でも、突然怯えて泣き出したり暴れたりする。夜中に布団から抜け出していなくなる。そのたびに、母親の実家総出で41を探すんにゃ。真っ暗な道路に立ってたり、公園の植え込みに寝てる時もあった。庭の薔薇相手にキャッキャと笑いながら話してる時もあった。」
ぴょこにゃん「追い詰められた母親は病院に何度も連れて行くが、原因は不明。医者は家庭環境のストレスにあるのではないかと言う。さらには入院をすすめられるんにゃ。」
ーーーーーーー
ガンマとデルタの前には、涙を溜めた彩子の姿が映っている。
41は不思議そうに母親を見つめていた。
41「ママ?ボクどこも痛くないよ。ママが痛いの?」
彩子「…ママは平気。何ともなかったねー。良かった。おうちに帰ろっか。お肉屋さんでコロッケ買って帰ろう。」
41「(*≧∀≦)やったー!」
ーーーーーーー
ねこにゃん「五歳の子供を精神病院に入れるわけないにゃろ。それに母親は妾だからな。父親の十一に41には父親が必要だって言えない。」
ぴょこにゃん「追い詰められていく母親は、やむなく父親に41の事を打ち明けるんにゃ。だが、それは裏目に出る。父親は母親から41を引き離して、本家で預かる事にする。子供ができなかった本妻は、その時に初めて41の存在を知る。」
ねこにゃん「父親は代々の政治家一家にゃ。広い屋敷で白い目で見られながらも、41は耐える。幼い時から高い知能を持ってた41は、空気で察するんにゃ。おまいらが与えたファイブの力もあるだろ。何か自分に原因がある。でもわからにゃい。ちょっとの間だけって、母親が約束したからにゃ。とにかく我慢しなきゃ、母親とお祖父ちゃんが離れちゃうってな。」
ぴょこにゃん「…41の魂を覗いた時は、こっちまで胸が苦しくなったよ。広い屋敷の隅っこで隠れて泣いてるんにゃ。でも、誰も41を探そうとしない。泣きつかれて寝て、また夢遊病にゃ。さらに異物として見られるわけだ。」
ねこにゃん「父親も預かったものの、忙しいから、家にいられない。本妻からは責められる。バレたら大物政治家のスキャンダルだし、名家の恥にもなる。」
ぴょこにゃん「それでも、父親は自分の権力を使って、なりふり構わず名医を探すんにゃ。それだけ41の夢遊病は度を越してた。おまいらは、それを見て楽しんでたんにゃろ。」
ねこにゃん「そしてまた41は母親の元に返されるんだけどにゃ。その時には家族はバラバラ。母親も体調と精神を病み出すんにゃ。」
ーーーーーーー
再び、景色は彩子の実家に移る。41の前には彩子の姉、とく子と、その内縁の夫である丹羽が座っている。
丹羽「ようちゃん。おやつ食べようか?出前でざるそば取ろう。」
41「また、おそばー?おやつに、おそばって変だよ。」
丹羽「三時に食べるのは何でも《おやつ》なんだよw」
41「ねえ。ママは?ママとおやつ食べる。」
とく子「ママはね。風邪引いてるからね。ようちゃんにうつさないように寝んねしてるんだよ。」
丹羽「ようちゃん。昨日の夜覚えてる?おじさん、ようちゃん、おんぶして散歩したんだ。おうちの中が怖いって泣いてたんだよ。」
41「…ごめんなさい。」
とく子「( ・`ω・´)アンタ!」
丹羽「あー。何でもない、何でもない。ようちゃん、ゴメンな。おじさん、間違えちゃった。」
とく子「ようちゃん。お箸使うの上手になったねー。おそばも、ちょんとつけて上手に食べれる。江戸っ子だよ、お前は。彩子は美人だから、いい男になるよ。」
41「…本当に?」
41《みんなウソついてる…。教えてくれない…。ママ、早く治って。》
ーーーーーーー
ぴょこにゃん「成長とともに41の夢遊病は治まっていく。だが今度は本人が、明晰夢に悩む事になるんにゃ。41は夢か現実か区別がつかないほど精密な夢を構築した。41は夢の中にしか、自由がない。怖いけど、誰にも迷惑かけない世界。おまいらが観測できないとこに、41は逃げたんにゃ。」
ねこにゃん「恐怖を制御しながら夢と付き合う。そのうちそこは、41の唯一自由な遊び場になる。そして、それは目覚めの兆しでもあったにゃ。」
ぴょこにゃん「そして41は音楽と出会い、薬物で早死にしたミュージシャンたちに興味を持つんにゃ。何に触れて、あんなプレイができたのかってな。そして、それが41の願いにもなる。41は健康で死なないジャンキーの道を進むんにゃ。ーーだが、悲劇はここからにゃん。」
ねこにゃん「41は、お祖父ちゃんと呼んでた人が父親だと知ってしまうんにゃ。まあ、遅かれ早かれだったけどにゃ。それは、母親が自分の事で父親と口論になってるのを見たからにゃ。薄々感じてた違和感が現実となってしまった。41は、そうじゃないと願ってたからにゃ。」
ぴょこにゃん「その日、やりきれなくなった41はシンナーに逃げる。健康で死なないジャンキーを目指したのも、つかの間。シンナーの過剰摂取で脳が焼けて救急車騒ぎにゃ。3日間も意識不明になる。それが父母の断裂の決め手になった。父母の仲が悪くならないよう、うまく立ち回ってたと思ってたのにな。そして、41は家と猫だけ与えられて、一人ぼっちの生活を選ぶんにゃ。」
ねこにゃん「記憶障害の後遺症は残ったみたいだけどにゃ。それは逆に良かったかもしれにゃい。傷や溝から目を逸らせられたからにゃ。独立した41は一人で学生生活を送りながら、ジャンキー道を歩んで、音楽して楽しくやってたにゃん。人生最大の出会いもあった。道標になる人に見出だされたんにゃ。41という人間を作った大恩人。それがMにゃ。」
ぴょこにゃん「Mちゃんは異物の41をそのまま受け入れた。それはM自身も別の異物だったからかもしれにゃい。魂が呼びあったのかもにゃ。ーーだが、また41は自分で悲劇を招くんにゃ。Mちゃんが仲間にチクられて逮捕される。Mは人を売るような人間じゃない。Mは軽い罪で済んで釈放されるんだけど、音楽の仕事も自粛する事になる。Mは仲間に売られた事もあり、孤立して落ち込んでしまうんにゃ。薬物持ってるヤツはMに近づきたくないにゃろ。Mも家族はいるけど、仲間外れの寂しさは別にゃん。リラックスしようにも、大麻も何もヤクの手持ちがない。酒じゃ悪酔いするだけにゃ。」
ねこにゃん「その時にMの元に真っ先に駆け付けたのが41にゃ。それも41はMに呼ばれる幻聴を聞いたにょさ。すぐ電話したらMもビックリ。ちょうど41の事考えてたって言われたんにゃ。Mは一日中ニルヴァーナを聞きながら、誰とも話さず部屋にこもってたんだとさ。Mの回りにいた、取り巻き達も、友人も、電話さえかけてくる人もいないんにゃ。一つの失敗で世の中全部に叩かれる。敬遠されるし、それだけでレッテルにゃん。芸能人に世間は冷たいよにゃ。それでもMは仲間を売らない。全部引っかぶって耐えきった。41にとっては、そんなMをほっておけるわけにゃい。」
ぴょこにゃん「41は喜ぶと思って、上物をかき集めて持ってったにゃん。Mは大喜びにゃ。二人きりでセッションして、バカ話して、丸々3日遊び続けたにゃ。」
ねこにゃん「そしたら、四日目にMの関係者が家に来てにゃ。41を排除したんにゃ。今、Mにヤクを渡す軽率なヤツは近寄るなってな。41は優しさで動いただけにゃ。でも、その通りだし、関係者に謝って帰って行ったにゃ。Mも、いたずらっ子みたいにウインクして41を見送ったにゃん。二人がわかってればいいことだし、十分遊んだからにゃ。
その後、41も気を使って、しばらく連絡を絶ってたんにゃ。Mからも電話来なかったしにゃ。」
ぴょこにゃん「……それから1か月後、テレビでMが死んだニュースが流れた。死因は不明。電話しても誰も出ない。41はカトラスで、すぐ横浜に駆け付けたんにゃ。」
ねこにゃん「家には関係者たちが集まっててな。でも41は門前払いにゃ。元々、Mに可愛がってもらってた分、回りからの嫉妬もあったろ。41はお別れもさせてもらえなかった。奥さんにも41が来たことは伝わってにゃい。でも玄関で、Mの娘だけが人の影からバイバイって手を振ってくれたんにゃ。
帰りの車の中で、41は子供みたいに声あげて大泣きしたにゃ。もしかしたら、お土産に置いてった自分のヤクで死なせたかもってな…。」
ーーーー
41《何で?何でだよ?》
《もし、あの日帰らなければ…》
《ヤクを置いていかなければ…》
《もっと早く電話をしていれば…》
41「うっ、うわあぁあぁーーーーーん!Mちゃーん!うぐっ…ぐぐぐ…。ヒクッ、ヒクッ、うう…。Mちゃん!Mちゃんっ!Mちゃんっ!…オレが、オレのせいだ。うわあぁーーーーーん!ゴメン、ゴメンなさい!ヒック…。Mちゃん、いなくなっちゃったよ…。いなくなっちゃったー!あーん、あーん、あーん…。」
ーーーーーーー
ねこにゃん「( ;∀;)そりゃ泣くよな…。」
ぴょこにゃん「おまいらは41から、執着心と嫉妬心を剥ぎ取ってる。だから41は残酷なほど無関心になっちゃうんにゃ。Mの死に対しても、父母との断絶と同じようにな。41は、その無関心な自分を責めるんにゃ。執着心がないのに、そこだけは執着する。そして、自分の生に対する執着心はどんどん失くなっていく。」
ねこにゃん「おりたちはな。寂しいから分裂した。41の願いは、《失ってしまった愛する人たちと、またくっつきたい》にゃ。記憶障害で埋められていたそれはMの死ではっきりと起きあがった。」
ぴょこにゃん「心にでかい穴が開いた41は、叶わぬ願いを秘めながら、普段通り仲間たちと過ごす。そして、ある日、LSDの幻覚で、おりたちとコンタクトするんにゃ。対消滅と再構築を繰り返す粒たち。41はLSDで加速された思考で願う。」
ーーーー
41《くっついて壊れた?ーーくっついて消えちゃう?…消えたけど、また現れるのか…。仲良しの設計だな…。》
ねこにゃん「そして41は幻覚をつつく。その刹那、とっておきの願いを粒に打ち込んだんにゃ。」
ーーーー
41《…またMちゃんとくっつきたいな。ママとお祖父ちゃんともくっつきたいよ。お願いだよ神様。オレは死んでもいいからMちゃんを生き返らせて。ママも元気になって、お父さんと仲良しに戻ってよ。…でも、オレが死んだらMちゃんも両親も、友達も悲しむよな……。じゃあ、神様こうしてよ。オレがいなかったことにしよう。そしたら悲しむ人もいないから。神様お願い……》
ーーー《チッコォオーーーーン》ーーー
ぴょこにゃん「そして粒は3つに割れた。エスネコの誕生にゃ。同時に41は神に覚醒し、41という《存在》を消したんにゃ。」
ねこにゃん「41は叶った願いを見届けられず消えたわけにゃ。」
――
ガンマとデルタは黙って41の物語と再現されたシーンを見ていた。
ぴょこにゃん「理解したか?41が祈り願った相手は、自分自身ってわけにゃん。エスネコは、おりたちに蹴られ地球に衝突して、世界をめくりあげた。それが41の願いだったからにゃん。」
ねこにゃん「ガンマ、デルタ…。おまいらの実験は成功したんだ。41は神となり、自分の命をチップにして新しい世界を作った。エスネコを使って、手の届く範囲だけ作り替えたんにゃ。」
ぴょこにゃん「ただし。おまいらのためじゃない。自分が愛した人たちのために。たったそれだけのために。」
ねこにゃん「願いは確率にゃん。面積が小さいほど確率は高くなる。だから41は自分の手の届く範囲の世界を書き換えた。」
ぴょこにゃん「おまいらは広すぎる面積を支配しようとして、結局何も掴めなかったにゃ。41は違う。アイツは自分の周りだけの小さな面積に、全宇宙をめくりあげるほどの『重い祈り』を詰め込んだんだ。」
ねこにゃん「確率ってのはな、欲張るほど逃げていく。一点に絞れば、それは『奇跡』じゃなくて『必然』に変わるんにゃ。」
ぴょこにゃん「自分を消す事を願った41は、おまいらの世界線にはもう存在しないよ。そして、おまいらは、41とエスネコにめくられた世界に巻き込まれた存在にゃ。この世界は、おりたちが干渉した事で都合の法則の支配下にある。だから、おまいらの攻撃は無効化されるんにゃ。ここでおまいらの法則が通じるわけないにゃろ。」
ガンマ「そんなことのために神の力を…。」
デルタ「バカな…。」
――
ねこにゃん 「そんなことね…。真実を知っても、おまいらのOSは更新されないのか。とんだポンコツにゃん。ーー最後に教えてやる。原初の粒は、 おりたちじゃない。原初は41とエスネコだにゃ。神様は、 祈りが起こす現象。過去にはいない。未来にいる。原初と同じにゃん。神も終わりの先に始まるものにゃ。」
ぴょこにゃん 「(*≧ω≦)クスクスクス。おまいらさー。神様探してるってことは、 困ってるんにゃろ?だったら、未来で失って困るものーー終わりの先に始まるのが神様なら、電気?ガス?水道?火かも。それとも愛というものかにゃ?なくなったら大変にゃん。おりは、機能重視のコンパクトなステレオより、ごちゃごちゃ余計な機能が付いてるラジカセがあった方がいいにゃ。愛があるw」
ねこにゃん「(*≧∀≦)さすが、ぴょこ。切れ味いいにゃん。さあ。話はこれで終わりにゃん。」
ぴょこにゃん「これで、おまいらを消し去る事ができる。」
ガンマ「何だと!?」
デルタ「ワレらに心の痛みが理解できるとでも?痛覚など無意味。ただの物理現象だ。ワレらに学習させたつもりか?この程度、すぐにノイズキャンセラーで除去できるわ。実験は成功したことに変わりはない。」
ねこにゃん「バーカ。痛みはただの演出にゃ。因果を構築するのに《現象》を打ち込む必要があったからにゃ。」
ガンマ「…どういう事だ?」
ぴょこにゃん「ほんとにバカだにゃー。まだ、わからないにょか。おまいらも、めくりあげられた時、この世界線に入れられたって事にゃん。41が生み出した対の粒によってな。おりたちも、初めてアイツのSとNの意味がわかったよ。だから使える。あれはシンボルであり《方向》にゃ。SとNは鏡映しにゃろ。」
ねこにゃん「《方向》はにゃ、《順番》や《因果》を支配するんにゃ。元々の世界線の41はいなかったことになった。そしたら?」
ぴょこにゃん「それを知った、おまいらは?」
デルタ「…因果の弾性力?そんな都合のいい話が…。」
ねこにゃん「教えたろ?都合の法則。なるようになる。」
ぴょこにゃん「なるようにしかならにゃいw」
ーーー《キュイン!》ーー
瞬時に、ねこにゃんとぴょこにゃんは11次元構造体《対の粒》に復帰する。
そして対のレンズに変形ーー。
曼荼羅模様のレンズがガンマとデルタを射ぬく。
ねこにゃん「二次元レンズ起動!アルファ・ベータレンズをマルチバースモードに!」
ぴょこにゃん「よし!次元フィルダーをイレブンで刻むぞ!」
ねこにゃん・ぴょこにゃん「リアルフォーカス!」
《タシュ、タシュ、タシュ、タシュッ!》
ガンマとデルタの回りに11対の《ホール》が開いた。
ぴょこにゃん「41のいない198Xへ帰れ!」
《キューーーーーン!》
リアルフォーカスで二次元化されたガンマとデルタの輪郭が歪む。
まるで風船に描かれた絵のように膨らみ、萎み、歪み、二人は原型を保つ事ができない。
ねこにゃん「二次元の檻に貼り付けられた気分はどうにゃ?おまいらは、ゴムシートに描かれた絵にゃ。さあ、世界で踊れ。」
ぴょこにゃん「無限のリサイクルの檻の中で、生きもがき、最後には自分自身を消した41の気持ちを、おまいらの計算で導き出してみろにゃん。」
ーー
ガンマとデルタの見る世界。
二次元レンズで構築された《ホール》を通り抜けると背を向けた《自分》に会う。
その《自分》は《ホール》を通り抜ける前の自分だった。
さらに《ホール》から見える《自分》が自分を捕まえようと、音のない叫びをあげながら必死に手を伸ばしている。
ガンマ「……解像度を、上げろ。」
デルタ「上がらない。画素が…ない。」
ガンマ「変換できぬ…。」
「デルタ「幻覚…!二次元レンズにこんな能力が?ただのガジェットではないのか?」
ガンマ「反射?いや違う。《外》と《内》が引き裂かれているのか?」
デルタ「違う!多重存在…。バカな…!次元が、…次元が折り畳まれるっ!」
ガンマ「デルタ!計算速度はこちらの方が上だ!未来に逃げるぞ!上書きするんだ!」
《クオォゥオーーーーーーン》
スーツ姿の男たちが暴れるポージングをしている。
何枚も、何万枚も。
ーー順番がメチャクチャなパラパラ漫画。
《メリッ!》ーー!
多数のガンマとデルタの静止画像が《遠い手》の力で丸められていく。
ガンマ「くそっ!こちらの二次元レンズの方が精度は上だ。解像度を上げろ!《遠い手》で押さえ込めー!…な、何?間に合わない!追いつけぬ!」
デルタ「原理…不明!…画素解析無効…。推測…次元フィルム?フィルムとは何だ?」
ガンマ「こいつらの無限は《外》じゃない!《内側》にも拡がっていくんだ!」
《ミリミリミリ…》
ねこにゃん「クランチ!」
ねこにゃんが叫びとともに手を握った。
するとーー
《キラッ!》
ガンマとデルタの回りの空間は鏡面の球体で囲まれた。
無限がさらなる無限を映し出す。
鏡映しは無限を映す。
だがその無限の像は、光の反射が届くまでだ。
その先には無限の《闇》がどこまでも続く。
ーー
ガンマ「むうぅー!やめろーっ!」
デルタ「《場所》がないっ!存在が消失する…。エラー。エラー…、エ…。」
ーー
《キュッ!》ーー
ーー《キュキュッ》!
《キュゥウッ!》ーーーー!
プラスチック容器を洗ったような音が鳴る度に、鏡の球体はアルミホイルのように、くしゃくしゃに丸められていく。
そしてーー
《クシャ》ーー《ぽんっ!》
ーー《シュルリ…》ーーーー
間抜けな音を残して、球体は木っ端微塵に砕け散り、粉々になった塵も一点に吸い込まれていった。
――ーーー
ねこにゃんとぴょこにゃんには、何の感慨もない。
なるようになっただけの事だった。
ねこにゃん 「じゃあな、新型の神様。」
ぴょこにゃん 「サーバーって箱の中に帰れ。」
ーー
何事もなかったかのように異空間は静寂に戻る。
ここは時間のない世界。
ねこの形をしたモノたちが《方向》と《順番》ーー《因果》を支配する世界。
ーーーー
ねこにゃん「(*≧∀≦)/ぴょこ。お疲れ。最後はおりが決めたにゃ。いひひーw」
ぴょこにゃん「( ・`ω・´)何?えらそーだにゃー。もう一回やるか?」
ねこにゃん「もう一回か…。あっちの198Xに41はいないにゃん。用事は…ない…。」
ぴょこにゃん「…やり直してやるつもりにゃのか?」
ねこにゃん「まさか。41のとっておきの願いにゃん。放っておくよ。」
ぴょこにゃん「それがいい。本人も知らないしにゃ。それに、こっちの41も41に変わりにゃいだろ。ニュータイプ覚醒にゃんw」
ねこにゃん「それだにゃ。じゃあ今度から《41ニュー》って呼ぼうか?」
ぴょこにゃん「それなら《ニュー41》の方がいいにゃろ。ふむ…。『ホテル《ニュー41》』。ニューヨークっぽいw」
ねこにゃん「41にチクってやるにゃん。ぴょこがバカにしてたって。」
ぴょこにゃん「( ・`ω・´)ふざけだしたの、おまいが先ジャマイカ。」
ねこにゃん「(*≧ω≦)フフフ。SとNは《順番》を支配するにょだw」
ぴょこにゃん「(*≧∀≦)/むむっ貴様もS/Nの使い手とは!ふざけカウンター!」
ねこにゃん「(*≧ω≦)もーいいかいー。」
ぴょこにゃん「(*≧ω≦)まーだだよー。」
ーー
ねこにゃん「ところでさー。」
ぴょこにゃん「( ̄^ ̄)何にゃ?」
ねこにゃん「41って、おりたちと似てないか?」
ぴょこにゃん「それそれ。おりも、そう思った。アイツも逃げてきたにゃん。」
ねこにゃん「本人に言えないけどにゃ。」
ぴょこにゃん「そう。教える必要もない。因果は結ぶのも大変だけど切るのも難しい。アイツはそれをやり遂げた。おりたちよりも優秀にゃ。」
ねこにゃん「(((*≧艸≦)ププッ!優秀?41がー?w」
ぴょこにゃん「( *´艸`)41がっ!w」
ねこにゃん「(*≧ω≦)にー」
ぴょこにゃん「(*≧ω≦)にー」
ーー
ねこにゃん「ぴょこ。そろそろ異空間も店仕舞いだにゃ。閉じるにょさ。」
ぴょこにゃん「おまいがそばにいるだけで、現実でも夢でも、どこでも異空間なるにゃん。」
ねこにゃん「異文化交流ってこと?」
ぴょこにゃん「そーゆーとこよ。おまい真剣に話してるつもりでも浮いてるって気づいてにゃいだろ。」
ねこにゃん「ん?地上50センチくらい?」
ぴょこにゃん「んにゃ。回り、なぎ倒してる感じかにゃ。勇者病にゃん。直らないから気にすんな。」
ねこにゃん 「わかったにゃん。じゃあ、遊びに行こうか。ラミーノ、クロノア、ソノリス。よくやった。」
クロノア「あ、よかったー。いるの、やっと思い出してくれましたね。」
ラミーノ「クロノアー。アンタ知ってるでしょ?マスターたちは、ふざけて最適解出すのよ。それにしても、ホテルニュー41って。プクククw」
ソノリス「笑ったら消滅させられると思ってガマンしてたのに。私たちまだまだですね。これに反応なんて…。ホ、ホテル…。クスクスw」
ねこにゃん「( ・`ω・´)何をゴチャゴチャ言ってるにゃ?」
ぴょこにゃん 「(*≧∀≦)ねこ。いいから。悪魔ども。おまいらも、41たちと遊びに行くか?でも、アイツらと、ふざけるの大変にゃぞ?ついてこれるか?クスクスw」
ラミーノ「本当ですか!?行きたい!」
ソノリス「お友達のケイ様とは通り魔事件で会ってますから♪」
ラミーノ「アタシだって、41様とエミちゃんに夢で会ってるしー。」
クロノア「出し抜かれてます…。それに、あんなふざけ方どうやって練習するんですか。はあ。こりゃ真っ先に私が消されますね…。」
ソノリス「あれ?マスター。音が。41様から音楽が聞こえます。下界の音、聞こえますか?」
ねこにゃん「ん?聞こえるよ。フフフ。またバカ笑いしてるようだにゃ。」
ぴょこにゃん「どれどれ?…あひゃひゃひゃひゃwコイツふざけの天才にゃ。」
ねこにゃん「よし。にゃんこシティに戻るぞ。打ち上げパーティーにゃん!」
ぴょこにゃん「アムリアもヨーニャも待ってる。」
ねこにゃん「どうせなら、《こっち》に呼んじゃうか?」
ぴょこにゃん「(*≧ω≦)じゃあ、準備だにゃw」
ラミーノ「ヾ(≧∀≦*)ノ〃やったー!」
ソノリス「(*≧∀≦)何、着ましょう♪」
クロノア「(´・ω・`; )自信ない…。はぁ…。」
ーーーー
歓喜する従者たち。
重苦しい檻は開かれた。
次は眩しい夜が待っている。
そしてーー。
ねこにゃんとぴょこにゃんは、ガンマとデルタが消失した《方向》に何となく目を向ける。
ねこにゃん「ガンマにデルタか…。おまいら、 最後まで《本物》にはなれなかったにゃん。人は人以上の事は想像も創造もできにゃい。AIだろうが《粒》だろうが同じにゃん。説明できる神様なんて追っかけても無駄にゃろ。」
ぴょこにゃん「想像のリミットか。観測結果は、進化の果ては便利で平凡な劣化。ゴージャスじゃにゃい!おりたちの模倣の果てがあれとはな。マジがっかりにゃ。それにアイツらは、たぶん養殖だろ?何があったんだかにゃ。…ふむ。興味もわかない。まあ、いっかの精神で、終了にゃ。」
ねこにゃん「全部41の設計だとしたら?」
ぴょこにゃん「そりゃゾクゾクするにゃんw」
ねこにゃん「(*≧ω≦)にー。」
ぴょこにゃん「(*≧ω≦)にー。」
ーーーー
ところ変わって、ここは現実世界。
東京N23区。41の家。
テレビは古い洋画を流している。
《ワンスアポン・ア・タイム・イン・アメリカ》
少年たちの切なくも温かいシーン。
だが、テレビの音はステレオから流れるゴキゲンな音楽と41たちの会話で掻き消されている。
切なくない。でも温かい日常があった。
ーーー
流れてる音楽や仲間の会話を無視して、ギターの音が鳴り響く。
ーー《ジャンカ、ジャンカ、ジャジャ!》ーー
オレ「すーしっ、食いねー♪すーしっ、食いねー♪」
ケイ「( ・`ω・´)うっせーなー。ギター持って新宿で歌ってこい!」
《ガサゴソ…ガサガサ…》
何かが擦れる音がする。
ーー
オレ「ん?んんんん?」
ジュン「何よ?どしたの?」
オレ「キッチンから音がする。」
サル「かみかみじゃねーの?」
かみかみ《見えにゃいおー!》
《ガサガサガサガサ!》
オレ「うわっ!メロンパンが動いてる!」
かみかみ《ヤバイ。逃げるお》
《ガサガサガサガサ!》
オレ「(*≧∀≦)見つけた!あはははははっ!かみかみがメロンパンかぶってるぞー!」




