第73話《原初の粒vs新型の神編 絶望設計⑥イレブン解除ーーーワーム・オブ・レギオン》
静謐な空間で語られる、シリアルナンバー《198X41》に隠された構築の真実と残酷な実験の構図。
それは神による一方的な救済の模倣であり、果てなき輪廻の檻であった。
神の代弁者を自負する新型の粒――ガンマとデルタ。
だが、その絶対的な予測と演算は、彼らが「現象」そのものである者たちの手によって、冷徹に覆されていく。
次元を貫くイレブン限定解除。
暴虐のエネルギーが具現化する…。
第73話《原初の粒vs新型の神編 絶望設計⑥イレブン解除ーーーワーム・オブ・レギオン》
ここは、超次元異空間。
空は青く澄んでいるが、太陽は存在しない。
光はどこからともなく満ち、影は生まれない。
風が吹いているのに、草木は動かず、時間さえ眠っているようだった。
その中心には、透明な柱で支えられた巨大な神殿がそびえ立っていた。
静寂の庭。
天と地の境界が曖昧な白いテラスの上で、二人の紳士が向かい合って座っている。
一人は漆黒のスーツ。黒は《ガンマ》。
もう一人は純白のスーツ。白は《デルタ》。
彼らは《粒》のヒューマンボディ。
神のコピーであり、完璧な左右対称の存在。
ただ、瞳だけが違っていた。
ガンマの瞳は紅蓮。熱を持たぬ炎のように揺らめく。
デルタの瞳は氷青。冷たく、深く、静かに燃えている。
ギリシャ彫刻のような顔立ちは「人を観察するための形」として設計されたものだった。
彼らは――姿を見せぬ神。
そして今、その完璧な世界に、かすかなノイズが走ろうとしていた。
ガンマ「破壊された番人の痕跡を追わせたモノたちまでロストした…。何が起きているのだ。」
デルタ「追跡座標に誤差はない。ワレらを引き寄せた《力》の発生源――そこが41の座標だ。設計工程を探った者がいる。いったい、どうやって?ワレらも、その呼び声に引き寄せられたのだ。」
ガンマは静かに手を振る。
テーブルの上のコーヒーの入ったカップが、宙に浮かび細い指にかかる。
手にした途端にコーヒーは適度な熱を帯びる。
ガンマ「…旨い。この窮屈なカラダの良いとこは味がわかる事だな。ワレらの作品は壊れるとリサイクルされるように設計してある。戻ってきたのは、番人のカケラだけ。41も追跡者たちも、まだ壊れてはいまい。」
デルタも同様にコーヒーに口をつける。
デルタ「旨い…。まずは、このコーヒーを味わおう。この状況…。ワレらと同等……いや、それ以上の力を持つ何かが地球で発生したのか。貴様との予測計算結果も同じだ。一致率99%」
ガンマ「…1%が不明か。考えづらいな。人の歴史には神と呼ばれた存在がいた。だが今はいない。干渉の痕跡も観測できない。それでも、いまだに《奇跡》と呼ばれる事象はある。人とは、不思議な生物だ。祈りの総量が、我らの演算を上回ることがある。」
デルタ「フン。それを追うのが今の目的ではあるまい。だからこそ――『人は神になれるのか』という実験を続けてきた。」
ガンマ「だが、人の《コア》では無理だった。選別し、干渉し、知能を上げ、祈りを集めても、どれも神には届かない。」
デルタ「幸福という毒を与えすぎたのだ。幸福は人間を腐らせる。神の条件ではなかった。だから細工した。魂をワレらと似た《粒》にした。五次元まで開放可能な構造……何万体も作ったが、どれも失敗だ。大半は発狂し、あるいは幸福に溺れて滅びた。」
ガンマ「残ったのは一体だけ。シリアルナンバー《198X41》。何の因果か…いや偶然か?シリアルナンバーの下二桁が名前と合致したとはな。《41》と呼ばれる平凡な若者。フフ…こいつは今回もダメだ。ワレらの意図には、とても届かぬ。薬物に手を出し、神の音を聴こうとしている。小さき頃に夢遊病にして遊びすぎたかな。」
デルタ「夢遊病……あれは家庭環境を複雑にするための演出だ。妾の子、授業参観や学校行事には親は出れず、大人からも疎まれる。深夜に母の布団から外に抜け出し、暗闇の中でキャッキャと庭の薔薇と話している幼児。ちょっとした、うたた寝でも、別人のように奇行を起こす。母親もさぞかし困ったことだろう。父は本妻とのあいだに子を授かれず、年老いてからようやく妾との間に41を得た。そんな父親の愛は深かった…。だが、41の異常性は父母の断絶を招いた。幼くても、41の高い知能は周囲の空気を嗅ぎ取り、自分の罪を理解し俯瞰する。孤独の耐性を与えるには十分だ。孤独こそ神の条件。孤独を愛し、痛みを知り、他者を許す。その果てに覚醒する…はずだった。」
ガンマ「だが覚醒は起きなかった。望みは叶わず、幸せは得られず、それでも生まれる度に壊れず、生を全うする。そしてリサイクルされる。記憶も全てリセットされてるはずだがな。《次こそは頼む》と次の自分にでも託しているのか?叶わぬ願いへ手を届かせるための最後の手段として薬物を選んだというわけか。…最後の自分を予測して、あえて破滅に飛び込んだとしたら?…面白い。最高の欠陥品だ。」
デルタ「愚かな。凡庸ゆえに、リサイクルに耐えたのだろ。」
ガンマ「41の粒は執着心や嫉妬心を削除して設計してあるからな。他人と比較する事がないため自己追及にリミットがある。自分に足りないモノが理解できない。だが純粋だ。生まれる度に望みに届かずもがく。そこが可愛い。ワレらのお気に入りのオモチャだ。…だが次は、もうリサイクルには耐えられまい。こちらで再構築に千年を要した。まるでリサイクルを拒否するようにだ。だが、こいつの粒に刻まれた耐久性は次世代モデルに使える。」
デルタ「千年か。まあ時間など、ワレらにとって無意味だ。今の41は思考加速し時間を膨張させてリサイクルしたからな。千年を百年に圧縮して送り出した素体だ。生まれる親・家系・家柄・環境。全て完璧に構築して誕生させた。耐久性…拒否…圧縮…。それらが因果を結び影響したのか?実験体としてはもう価値はない。オモチャを失くした程度と片付けても良いが、今回のロストは何だ?…次の使いを送るか?」
ガンマ「Ver.5で十分のはずだ。伝承されてきた過去の地球の神々と同等以上の性能を持たせた。」
デルタ「ワレらの次、どこかでオメガが生まれてても不思議ではない。ただ、この多重次元で遭遇する確率は低い。シリーズが進化してたとしても、それは予測・対応可能だ。…それとも原初?まさかな。あれは予測ではない。」
ガンマ「原初はまだ予測の域を出ぬ。むしろ、あれは想像に近い。ならば新型の可能性が高い。」
デルタ「どちらにしても見下ろされるのは、気に食わんな。」
デルタの氷の瞳が静かに青い炎を上げた。
その炎が太陽なき空をーー
わずかに歪ませた。
ーーーー
ところ変わって、ここは、ぴょこにゃんの作った異空間。
ぴょこにゃんたちは、デルタと名乗る敵を、おちょくるように《鬼ごっこ》していた。
ーーぴょこにゃん「(*≧∀≦)ほら。こっちにゃー。」
虎に変身したデルタの口から吐き出されるのは、陽子兵器ーー荷電粒子砲。
デルタ「まとめて消滅してやるわ!追尾拡散!——この空間ごと焼き払ってやる!」
《グボォォワッ!》
青い炎をまとったプラズマジェットが、爆ぜるように噴射された。
《グイイイイイイイインッ——ッン!》
炎は瞬時に密度と凶暴性を増し、三つの殺意へと分岐。
ぴょこにゃん、テン、クロノアを、それぞれ正確にロックオンし、執念深く軌道をくねらせながら追尾してくる。
《バッッシューーーーン!》
次の瞬間、
三本の炎は空中で裂けて網状に拡散。
空間一面を覆い尽くす青白い死の蜘蛛巣が形成され、三柱を確実に焼き尽くさんと迫る——。
ーーだが。
《スルン》
ぴょこにゃんが、無造作に見える動きで、専用武器『スプーン』をひと振り。
その瞬間ーー静寂が訪れる。
殺戮の炎は何事もなかったように、すべて掬われ、跡形もなく消えた。
巨大な天災は、ただの《ひと匙》で掬い取られてしまった…。
デルタ「…………は?」
青白い残滓すら残らない虚空を見て、虎の顔がわずかに引きつる。
デルタ《ガンマはレンズでフォーカスしたと言ってたが照準が合わぬ。あのスプーン。空間ごと削り取ってるのか》
ぴょこにゃん「(*≧ω≦)当たらないわ、捕まらないわ。バカの一つ覚えも通用しない。見たところ、おまいのスペックは、うちのクローンのver5くらいーー雑用係程度にゃん。それじゃ仕方ないよにゃ。もう少し、遅く動いてやろうか?それに今、おりのスプーンの事、考えてただろ?答え出たか?ケラケラケラ」
デルタ《何故だ?観測しても明らかに性能はこちらの方が上。なのに、配下にも追いつけない…。地の利。だが、この空間など何の変哲もない。ワレら以下のverでも作れる簡易異空間。何のカラクリだ。計算せよ…》
ぴょこにゃん「おい。止まってるぞ。それに、あっちにライオンいるにゃん。仲間か?」
デルタ「何・だと!?」
ぴょこにゃんの指差した方向にライオンの姿が見えた。
ただのライオンではないのは一目でわかる。
ライオンの周囲の空間は陽炎のように歪んでいる。
ガンマ「む。デルタか。別の空間で戦っていたはず。いつ、つながった?」
ぴょこにゃん「さっきにゃん。…あれ?」
ぴょこにゃんの視線の先には二次元の平面が浮いていた。
そこには異空間の景色を背景にして、写真におさめられた、ねこにゃんの姿があった。
ぴょこにゃんがダッシュで駆けつけ、二次元化された、ねこにゃんに呼びかける。
ぴょこにゃん「( ;∀;)ねこにゃーん!こんな姿になっちゃって。こんな事になるなら、たまの浮気くらい許してあげれば良かった…。でも、アタシ再婚するわね。サヨナラ…。」
テン「ぴょこにゃん様。やっぱりそれ、必要ですか?」
ぴょこにゃん「だから、おまいはまだver10なのさ。クロノア見てみろ。泣いてるぞ。」
クロノア「…」
クロノアの白の瞳の波形が横一直線になっている。
テン「クロノア。それ泣いてるにょか?」
クロノア「えーと…。たぶん、いろいろ困ってます」
テン「それがフツーだと思う。おりたちは、まだまだ反射遅いって思った。本体ヤバイにゃん。」
ぴょこにゃん「( ;∀;)ねこにゃーん。もう一度アイス買ってきてよー。必殺!ねこにゃんフリスビー!」
《ブンッ!》
平面化された、ねこにゃんの板は回転しながら、異空間の彼方へ飛んで行った。
テン「(´・ω・`; )…」
クロノア「…」
ーー
ガンマ「デルタ!まだ、手間取ってたのか。それに何でこちら側に?異空間接続や次元境界の振動も検知できなかったぞ。」
デルタ「あのベータの武器が異常なんだ!気をつけろ。」
ガンマ「貴様がベータか。…貴様からも…予測は正しかったようだな。アルファを逃がしたつもりか?こちらは対が揃ったぞ。これでフルフォーカスできる。貴様たちも閉じ込めてやる。」
ぴょこにゃん「クロノア。巻き添え食うぞ。おまいは、ねこのとこに戻れ。」
クロノア「仰せのままに…。」
クロノアは異空間の色に溶け込むように消えていった。
ーー
ぴょこにゃん「テン。待たせたにゃ。イレブン解除許可してやるにゃん。できるよにゃ?」
テン「はい。ねこにゃん様ほどではありませんけど、こいつら相手には十分すぎるでしょ。」
ぴょこにゃん「おりも、久しぶりにゃん。じゃあ、テン。《イレブン限定解除許可ーーベータ承認》ーー行くぞ!《スフィア構築!》」
ぴょこにゃんの背後でテンの輪郭が光る。
デルタの照準がその光に揺れ、ガンマのレンズが焦点を失った。
ぴょこにゃんとテンが粒子になり溶け合い、螺旋を巻く。
テン「ワーム・オブ・レギオン!」
ーーガンマ「アイツらが攻撃に出る!デルタ!照準急げ!合わせるぞ!」
デルタ「よし!ロックオンしてるぞ。フォーカス!」
ガンマ「何?照準が歪む。バカな…。フォーカス!」
デルタ「…何だこれは?」
ーー
ガンマとデルタの前に現れたのは漆黒の小さな球体。
周囲の空間は歪み、虹色の異空間の景色が溶けて行く。
ガンマとデルタ。
対のレンズでフォーカスを当てても漆黒の球体は写らない。
目の前にあるのに背景の景色が映る。
ぴょこにゃん「不思議か?おまいらの本体は、これできるにょか?」
テン「開きますよー。…8.9.10ーイレブン!」
ーー
《キュッ!》
プラスチック容器を洗うような音。
音は空間の歪みと摩擦から発せられた。
漆黒の球体は急速に《点》に収縮する。
《キュンッ!》
《点》は再びプラスチック容器を洗うような音を鳴らし、高速回転を始める。
一気に光速の99%まで加速する。
だが回転の軸はない。
見るものからすると回転の方向さえ変わっている。
異空間の虹色の縞模様を食いながら、デタラメに回っているのだ。
《オオオオオォオォーーー》
《点》に食われていく異空間の虹色の縞模様が、サイケデリックアートのように歪み、異様な旋律を奏で始めた。
ガンマ「何だ…? コイツら、空間そのものを食っているのか…」
デルタ「ガンマ!油断するな!コイツらは《異常》だ!」
だがーー《点》はさらに変化していく。
《ギュン!ギュンギュンギュン!》
《ギュオーーーーーーーーーーーーン!》
《点》の周囲を、何重もの虹色のリングが周回する。
リングごとに回転方向も軌道も異なる。
リングは輪ゴムのように伸び縮みしながら、不規則な楕円軌道を描く。
そして、リングは《点》の速度と同調した瞬間、
《点》は急激に膨張に転じた。
《ボゥッ!》《グオオオオォーーーーーーー!》
瞬く間にインフレーションを起こし、《点》は巨大な球体へ変化した。
《ピシッ!ビキッ!》
高速で回る虹色のリングもほどけ暴れだす。
《ビュンッ!》《バシュゥ!》
ほどけた亜光速のリングが容赦なくガンマとデルタを襲う。
その威力は、異空間の次元膜さえ切り裂く。
ガンマとデルタの荷電粒子砲など児戯に等しかった。
《ゴーーーーー》
それでもインフレーションを起こし、巨大化した球体は回転を止めない。
《オオオオオォオォーーー》
歌だ。
今度は捕食した虹色の縞模様を吐き出しながら歌っている。
ーーガンマ「デルタ!レンズだ!レンズでフィールドを!」
デルタ「やってる!何て圧力だ!まずいぞ!粒が共振させられてる!このままだと崩壊する!」
そしてーーーー。
ーー《グウ…ググルグーーー》
《グワォッ!》《グギャオゥーー!》
球体は異形の生物に変貌していた。
超高速回転する漆黒の球体から、ワームのような11本の「足」が生えている。
その先端には次元をも切り裂く「鍵爪」
足の1本1本がうねり踊る。
《ググルグググ…》ーー《グギャアオゥ!》
それぞれの足は呪詛のような声を発する。
球体はライオンと虎に変身したガンマとデルタの、数百倍の大きさになっている。
ガンマ「…!」
デルタ「これは…」
ぴょこにゃん「これじゃ、つまんないにゃ。おまいらくらいの大きさにしとくか。」
《ゴッ!》
球体は異形の姿のまま、急速に収縮する。
物理法則の向こう側から、ガンマとデルタの前に現れた異形のモノーー。
《ワーム・オブ・レギオン》
ーー
これは、アルファとベータが合体し暴虐のエネルギーを具現化した生物形態。
二柱はこの力で生まれたてのエスネコを蹴り飛ばし、地球に衝突させたのだ。
ーーガンマ「貴様らは何だ…。生物…?」
デルタ「…観測不能。戦闘…0%…無理だ。ガンマ!撤退するぞ!マスターもリアルタイムモニタリングしてるはずだ。」
ーー「(*≧ω≦)無理にゃん」
そこには固定化されたはずの、ねこにゃんの姿があった。
ガンマ「貴様…。どうやって?」
ねこにゃん「モニタリングだぁ?バカなやつらだにゃ。おまいらの本体は、おまいらが、ここに入った時点でロストしてるだろうよ。ここは無限の檻。ここからは、思念通信どころか出れにゃいよ。」
デルタ「な!…う、動けん!」
ガンマ「に…二次元レンズ!いつから…」
ぴょこにゃん「まあ、最初からだにゃ。お前らは、この檻に入った時点で二次元化されてった。動きを《遠い手》で固定しなかったから、気づけなかっただけにゃ。おりたちは、パラパラ漫画みたいに紙の中で暴れるお前らと、ヒラヒラ遊んでただけにゃんよ。」
ねこにゃん「楽しめただろ?じゃあ、最後にいくつか教えてやろう。おりと、ぴょこだと合体してもレギオンになれない。だから代わりにver10を用意しといたにゃん。」
ガンマ「レギオン?ver10だと?何を言ってる…?粒の合体は対消滅が絶対法則じゃないのか?」
ねこにゃん「絶対なんて気軽に言うなよ。あの法則は仲良しの基本設計にゃん。おまいはガンマだっけ?ver5じゃ、それもできないだろ。それに、さっき、おまいは《存在》って言葉使ってたけどな。教えてやる。おりたちは《存在》じゃないよ。」
デルタ「何?存在じゃない?…何だと言うのだ?」
ねこにゃん「おりたちは《現象》にゃ。火は存在しないにゃ。燃えるという《現象》があるだけだろ?それとおりたちは似てるにゃ。」
ぴょこにゃん「そろそろ食うか?」
ねこにゃん「そうだにゃ。再構築して親玉のとこに返そう。来たときの軌跡は観測済みにゃん。隠れてるから、こいつらに案内させよう。」
ぴょこにゃん「じゃあな。後発品。もっといい感じのパチもんにしてやるから安心しろ。食え!《ワーム》!」
《ビュン!》
《ザグッ》
《ドズッ!》
ーー《痛覚現象》付与。
二次元化されたガンマとデルタに、物理的なダメージが加わる。
ガンマ「グワアッ!」
デルタ「グボッ」
11本の足がライオンと虎に一斉に襲いかかり、先端の鍵爪が切り裂いた。
ライオンと虎が、ワームの鍵爪に蹂躙されるアニメーション。
《グッチャグチャ、グチャグチャ。…ゴクリ》
鍵爪は嘴。
ワームは切り裂いた獲物を食い飲み込んだ。
ーー《クシャ…。》
破壊の残骸が描かれた紙を、ねこにゃんが握り潰す。
紙屑は塵となり異空間に散っていった…。
ーーねこにゃん「あ。いけね。ひとつ言い忘れてたにゃん。」
ぴょこにゃん「食っちゃったにゃ。レギオン解除!」
ーーー《スン》
解除の宣言と同時に、ぴょこにゃんとテンに戻った。
ねこにゃん「(*≧ω≦)テン。クロノア。よくやったにゃ。偉いぞ。」
テン「はっ!ありがとうございます。ぴょこにゃん様。承認ありがとうございました。」
クロノア「ありがとうございます。ねこにゃん様。ぴょこにゃん様。」
ーー頭を下げる配下たち。
頭を下げたテンの顔には構築された喜びと、マスターの活躍に貢献できた誇りが出ている。
テン《やった!ねこにゃん様にほめられた。お役にたったぞ》
テンと同様、胸に手を当て頭を下げたクロノアの白い瞳には、縦に2本の赤いスリットが入っていた。
クロノア《ラミーノ。そして先に構築された悪魔たちよ…。私がマスターの一番の従者になる》
ーーぴょこにゃん「言い忘れたって何にゃ?」
ねこにゃん「ぴょこと合体するとレギオンじゃなくて、エスネコに変身できちゃうって自慢したかったにゃん。」
ぴょこにゃん「わかるー。めっちゃ下に見られてたからにゃ。でも、とっておきだし。後でビックリさせてやろう。」
ねこにゃん「エスネコー。おまいも、よく守ったにゃ、偉いぞー。」
エスネコ「(*≧ω≦)あ、あるふぁ。べーたん…。ありがと、にゃ」
ぴょこにゃん「さてと。ここからが忙しくなるぞ。ねこ。リバース見たよにゃ?」
ねこにゃん「ああ。この絶望設計止めてやる!41を死なせない。リサイクルの輪廻なんて書き換えてやるにゃん。」
ぴょこにゃん「ところで、原初って何だ?」
ねこにゃん「さあ?」




